【曲目】
[CD1]
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a
シューベルト:交響曲第8 番ロ短調D.759「未完成」
[CD2]
ベートーヴェン:交響曲第5 番ハ短調 Op.67
【演奏】
ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1954年5月4日/パリ・オペラ座
[CD1]
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a
シューベルト:交響曲第8 番ロ短調D.759「未完成」
[CD2]
ベートーヴェン:交響曲第5 番ハ短調 Op.67
【演奏】
ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1954年5月4日/パリ・オペラ座
巨匠の最晩年のライヴ。死の半年ほど前の演奏会だ。ある評論家がフランスのパリで一番印象に残ったコンサートはと聴かれて、このBPOのコンサートを挙げて、地元の者に嫌な顔をされたといったことをエッセイに書いていたのを読んだことがある。何ともシニカルな人だなと思ったが、この録音を聴くと聴衆が熱狂しているがわかる。最後のベートーヴェンの第5番が終わった後の拍手が延々と1分以上収録されているが、先入観かもしれないが、どこか醒めているところがあるフランスの聴衆が熱心に拍手を送っている。フルトヴェングラーはどこか人を惹きつける何かを持っている。評判を聞きつけて、初めて彼の指揮の演奏(確かブルックナーの第7番)を聴いた時に貧弱なモノラル録音ながら、ゾクゾクした記憶がある。その何かを求めて、死去後60年以上経ても、なお聴きつがれるのだ。これは本当に驚嘆すべきことだと思う。
パリ公演といっても、ドイツ・オーストリアの作品で固めるのはフルトヴェングラーらしいと思う。また、よく聴くとアインザッツの不揃いはやはり指揮が見づらいからだろう。ベートーヴェンの有名な冒頭のフレーズが弦楽器の誰かがフライングをやっている。しかし、それは些末なことで、どうでもよくなるから不思議である。幸いこのアルバムの録音はモノラルながらいい状態である。