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ラヴェル管弦楽曲録音集成~レナード・バーンスタイン

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【曲目】
ラヴェル
CD1
1.ボレロ[1975年第2回録音]
2.道化師の朝の歌[1975年第2回録音]
3.ラ・ヴァルス[1975年第3回録音]
4.歌曲集「シェエラザード」
5.スペイン狂詩曲[1973年第2回録音]
CD2
6.ボレロ[1958年第1回録音]
7.ラ・ヴァルス[1958年第1回録音]
8.スペイン狂詩曲[1958年第1回録音]
9.道化師の朝の歌[1963年第1回録音]
10.バレエ組曲「マ・メール・ロワ」
11.亡き王女のためのパヴァーヌ
CD3
11.バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
12.ラ・ヴァルス[1963年第2回録音]

【演奏】
フランス国立管弦楽団 (1-4)
マリリン・ホーン(メッゾ・ソプラノ)(4)
ニューヨーク・フィルハーモニック (5-12)
スコラ・カントルム合唱団(合唱指揮:ヒュー・ロス)(11)
指揮:レナード・バーンスタイン

【録音】
1975年10月1日、パリ、ラジオ・フランス103スタジオ(1-3)、1975年9月17日、パリ、ラジオ・フランス103スタジオ(4)、1973年3月6日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ(5)、
1958年1月27日(6、8)、1月6日(7)、ニューヨーク、ブルックリン、セント・ジョージ・ホテル、
1963年9月29日(9)、1961年3月13日(11)、ニューヨーク、マンハッタン・センター、
1963年1月21日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール(12)
[オリジナル・プロデューサー]ジョン・マックルーア、デイヴィッド・オッペンハイム
ADD/STEREO
 
<タワーレコード"Sony Classical"スペシャル・セレクション第10期第1回発売分>
熱狂とエギゾチズムの裡に潜む官能美を表出するバーンスタインのラヴェル。

バーンスタインがニューヨーク・フィルおよびフランス国立管弦楽団と、1958年から1975年にかけて残したラヴェルのオーケストラ曲の録音をCD3枚に網羅(協奏的作品は除く)。「ラ・ヴァルス」は3種、「ボレロ」「道化師の朝の歌」「スペイン狂詩曲」は2種の録音が収録されており、2つのオーケストラの音色の特徴や録音会場や年代による響きの差異を楽しむことができる。NYPとの録音は、後任のブーレーズの演奏のクールな感触とは異なり、オーケストラの持つ輝かしい音色と機能性を極限まで生かしたダイナミックで熱狂的な解釈が特徴。1975年のフランス国立管との演奏は、シャンゼリゼ劇場でのライヴ映像収録と同時期にラジオ・フランスのスタジオでセッション録音されたもので、70年代のバーンスタインの円熟味が加わっている。いずれもラヴェルの精緻なオーケストレーションを再現しつつ、作品に内包する官能美を見事に表出した名演ぞろいである。特にバーンスタイン唯一の録音となった「ダフニスとクロエ」全曲はLP初期の名録音であるにもかかわらず、フランス系の指揮者の名盤の陰に隠れて高評価を逃した超名演であり、最後の「全員の踊り」の追い込みの激しさはこの時代のバーンスタインならでは(第2組曲として収録された盤もあったが、この全曲盤からの抜粋)。マリリン・ホーンおよびフランス国立管との「シェエラザード」を特別収録。 発売・販売元 提供資料
 
 バーンスタインが米コロムビアに1958年から75年にかけていれたラヴェル作品の集大成。ただし、ピアノ協奏曲は除かれている。一番新しい録音はニューヨーク・フィルではなくフランス国立管弦楽団との共演。同時期にこのオケでEMIへベルリオーズやミヨーを入れているから専属関係の微妙な時期のようである。確かDGにはラヴェルはなかったと思うので、これがこの人のラヴェルの集大成の録音になるだろうか。同曲異演の録音が収められていて、時代とともにあるいは共演のオケとの違いを確かめ楽しめるようになっている。
 
 印象としては新しいフランス国立管弦楽団の方が落ち着いた演奏で、作品を大切にしているような感じが窺える。あまり楽器の突出はなく、いくぶんテンポも以前のものよりは遅くなっている。一番違うのは「ボレロ」である。NYPとのものは1958年でバーンスタインが単独で音楽監督についた最初の年に当たる。相当張り切っていたのではなかろうか。ややきつい演奏になっている。しかも最後はやたらトランペットが突出して聴こえて、録音のバランスが悪いという印象。オケではなくジンタみたいになっている。演奏自体も粗い。ところがフランス国立との方はテンポが遅いこともさることながら、楽器が互いに溶け合って聴こえる。もちろんソロはしっかり聴こえているが、NYPよりも柔らかいフランスの管楽器の音なのである。こうして比較されるのをバーンスタインはあの世で渋い顔をしているのかもしれない。
 
 

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