Quantcast
Channel: 趣味の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1029

N響の功労者・山田一雄晩年の貴重な客演

$
0
0
【収録情報】
1. マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
2. モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 K.504『プラハ』
3. モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』
山田一雄指揮 NHK交響楽団
録音時期:1985年2月13日(1,2)、1990年11月26日(3)
録音場所:東京、NHKホール(1,2) サントリーホール(3)
録音方式:ステレオ(ライヴ)
>N響史で欠くことのできぬ貢献者、山田一雄[1912-1991]。草創期から200回以上NHK交響楽団のステージに登場した彼が晩年にN響と共演した貴重な記録です。
 1985年2月13日の第953回定期公演は、もともとスウィトナーの予定ながら急病で来日不能となり、山田一雄の代役が実現したもの。十八番のマーラーだけに自在かつ自然。心から感動させられます。モーツァルトの透明さも絶品です。(発売元情報)

 業界では「ヤマカズさん」の愛称で呼ばれていた。NHKが放映していた「NHKコンサートホール」なんかにも、自分が出演したものが流れていた時に、自ら解説していたこともあった。風貌とは逆にやや女性的な声で話をされていたのを覚えている。興が乗ると右に持っていたタクトを左手に移して、右手だけで指揮していた姿も覚えている。情熱的な指揮者だった。生前はマーラーのスペシャリストであり、その第8番を日本初演したのもこの人だった。また自ら作曲もしている。戦時中の今井正監督作品「怒りの海」ではその自作を振った演奏会の様子が出てくる。オケは多分、日本交響楽団(NHK交響楽団の前身で新響が1940年頃改称したもの)ではなかろうか。

 その上でこのアルバムにはマーラーの第5番が収録されている。発売元の説明にもある通り、オットマル・スィトナーの代役だが、NHK交響楽団から立派な音を引き出している。なお、驚いたのは2つのモーツァルトの交響曲。スッキリした表現ですがすがしく気持ちのいい演奏だった。この人の演奏では新しい部類に入り、録音も良い。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1029

Trending Articles