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21世紀へのメッセージ

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【収録曲】
<DISC1> Vol.1
1. 高橋 悠治:鳥も使いか-三絃弾き語りを含む合奏(1993)
2. 一柳 慧:室内交響曲 第2番《アンダーカレント》(1993)
3. 新実 徳英:生命連鎖-室内オーケストラのための(1993)
4. 西村 朗:鳥のヘテロフォニー(1993)
<DISC2> Vol.2
5. 藤家 渓子:思い出す ひとびとのしぐさを-室内オーケストラのための(1994)
6. 湯浅 譲二:ピアノ・コンチェルティーノ(1994)
7. 田中 カレン:ウェーヴ・メカニクス-20人の奏者のための(1994)
8. 猿谷 紀郎:透空の蔦(1994)
<DISC3> Vol.3
9. 野平 一郎:室内協奏曲 第1番(1995)
10. 金子 仁美:フルート協奏曲(1995)
11. 近藤 譲:岬へ(1995)
12. 細川 俊夫:庭の歌I-室内オーケストラと弦楽(任意)のための(1995)
<DISC4> Vol.4 武満 徹
13. 弦楽のためのレクイエム(1957)
14. 地平線のドーリア(1966)
15. ノスタルジア-アンドレイ・タルコフスキーの追憶に-(1987)
16. ファンタズマ/カントスII(1994)
17. ハウ・スロー・ザ・ウィンド(1991)

【演奏】
高田和子(三絃弾き語り)(1)、 木村かをり(ピアノ)(6,9)、 工藤重典(フルート)(10)、 堀 正文(ヴァイオリン)(15)、
クリスティアン・リンドバーグ(トロンボーン)(16)
オーケストラ・アンサンブル金沢
岩城宏之(指揮)

【録音】
1993年9月(Vol. 1)、1994年8月、10月(Vol. 2)、1995年10月(Vol. 3) 富山県小杉町文化ホール(ラポール)
1996年9月 石川県根上町総合文化会館、音楽ホール(タント) (Vol. 4)

【原盤】
Deutsche Grammophon
 
>武満を含む、当時の画期的な日本人作曲家企画である委嘱新作シリーズを初集成!
初出時以来の復刻!解説も充実。

これらのアルバムは、「21世紀へのメッセージ」というプロジェクトの元、1993年から毎年1作のアルバムを製作し、全4作を完成させたものです。当時は1作ずつ毎年発売されていました。岩城宏之を総合プロデューサーに配し、武田明倫氏による企画監修のもとで、オーケストラ・アンサンブル金沢が日本の各作曲家に作曲を委嘱するという形式で進められた、今となっては夢のようなプロジェクトです。それぞれ初演直後にCDにして発売するということ自体が前代未聞であり、これらは各所の協力と何と言っても岩城本人による並々ならぬ意欲、そして使命感によって遂行された企画でした。1993年にスタートした当初から、最後のVol.4には、武満徹による新作含む室内オーケストラ作品集とすることが発表されていましたが、4年目である1996年2月に武満が亡くなったことにより、Vol.4へ新作を収録することは叶わぬこととなってしまいました。実際、1996年はオーケストラ・アンサンブル金沢のコンポーザー・イン・レジデンスに武満が予定されており、本人も了承していたようです。そのかわりに、Vol.4に収められている「ファンタズマ/カントスII」が世界初出として収録されました。今回の復刻では、新譜として発売以来初めての復刻であり、さらに全4作を初セット化しました。それぞれが今ではかなりの貴重盤として市場にはあまり出回っていないことに加え、かなりのボリュームである各盤の解説文を完全収録した点も見逃せない点です。このVol.4が岩城とオーケストラ・アンサンブル金沢による武満への追悼盤となったばかりでなく、当時の日本人作曲家の素晴らしさを世界に発信する重要なアルバムとして、現在でも価値を失っておりません。2016年、武満徹没後20年、岩城宏之没後10年の節目として、このセットほど企画に相応しい盤はないでしょう。各盤の解説には、当時の武田氏による寄稿文が冒頭に掲載されています。プロジェクト概要と目的を含め、今さらながら当時の意気込みと内容に驚くばかりです。
タワーレコード(2016/04/21)
 
 タワー独自企画のアルバム。委嘱作品がほとんどの異色のものである。こういうものは一般には人気がなにのですぐに市場から消えてしまいがちだが、よく復刻してくれたと思う。武満作品以外は、岩城宏之かオーケストラ・アンサンブル金沢が委嘱したものばかりである。そして、オーケストラ・アンサンブル金沢にとってはやや大きな編成を要するものが多いように思える。
 
 日本人の作品というと尾高賞という作曲コンクールみたいなものがあって、NHK交響楽団が演奏を披露してきたが、こうして地方を本拠とするオケが委嘱して作品が生まれるというのは、日本も新たな局面に入ったのかもしれない。ただ、こういう作品群が後世まで残って聴かれればよいがと思うが、そこがまだまだ難しいと感じてしまう。武満の音楽は割と映画などで知られている部分が多い。自身が映画ファンで生前は名画座などを回っていたから、映画音楽にも熱心さった。だが、ここに揚がっている作曲家の殆どはそうした映画にはあまり関わっていないようである。映画音楽は自らの音楽を聴いてもらえるいい機会と思うのだが。

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