この映画は先日、CSの時代劇チャンネルで放映されていて、久しぶりに観た。初見は「日本名作映画祭」の1本として上映されていた折である。丸の内東映などの一番館ではなく、二番館扱いで浅草常盤座での上映だったかと思う。その後、名画座でも結構この手の映画にしては上映されていた記憶がある。
オールスター仕立てで賑やかな感じがする映画だった。黄門さんは地方へ行くのではなく、江戸に赴いて悪と対決する。黄門さんが珍しく抜刀して悪人を斬ったりするところもある。そして、お祭り騒ぎではなく、「余分なものを持つとそれだけ苦労が増える」という大友柳太朗扮する浪人の言葉が意外と心に響く。上に立つ者の苦悩もさりげなく描かれていて、好感のもてる映画であった。