・チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 op.74『悲愴』
・ショスタコーヴィチ:オラトリオ『森の歌』
テノール:アレクセイ・マスレンニコフ
バス:アレクサンドル・ヴェジョールニコフ
東京荒川少年少女合唱隊
モスクワ放送合唱団
ソビエト国立交響楽団
・ショスタコーヴィチ:オラトリオ『森の歌』
テノール:アレクセイ・マスレンニコフ
バス:アレクサンドル・ヴェジョールニコフ
東京荒川少年少女合唱隊
モスクワ放送合唱団
ソビエト国立交響楽団
指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ
収録:1978年10月21日、NHKホール(ライヴ)
これは貴重な映像のようだ。中の解説書によると、NHKには映像が現存しておらず、一般の視聴者が録画したものを提供してもらったという。しかし、肝心の音の方はFMで使用されていた音源があっったので、差し替えてDVDにしたという。CDにしればいいじゃないかという考え方もあろうが、やはり彼らがどんな演奏しているかを視覚的にも確認したいというファンもいるだろう。
まず、視覚の方からというと、こと当時スヴェトラーノフがちゃんと指揮棒を使っていたということ。晩年はタクトなしで指揮していて、そういうものだという思い込みがあったが、それと違う姿を確認できた訳だ。また「森の歌」はバンダとしてトランペットとトロンボーンが各6本必要だが、舞台のはしにそれぞれ3本ずつ分かれて配されていた。バンダは在京の楽団の奏者をエキストラとして使っていたようだ。そうしたことがわかるのは映像ならではのことで、とても興味深い。また、児童合唱は日本の団体だが、何と暗譜で歌っていた。
さて、演奏の方だが、これまた凄く精緻な「悲愴」であった。それが前プロというのも凄い。メインの「森の歌」は日本語の字幕で内容がわかるのはありがたい。中味はやはり政治的な匂いが強く、今接すると白ける部分はあるものの、もっと聴かれて良い作品でもある。だいたいソヴィエト国立交響楽団は荒っぽい演奏するという先入観を持っていたが、ここではうまい演奏を展開してくてている。指揮者の薫陶がかなりものを云ったのかもしれない。