マキノ雅弘監督の珍しい作品を観た。才気あるところを見せた監督だが、これは滅多に上映されないという。それでも神保町の劇場でかかり、CSの衛星劇場でも放映された。後者には初のTV放映で「蔵出し映画館」のコーナーだったので、かなり陽の目をみなかった作品だろう。小泉博がこうした役で主演していたのは知らなかったし、果たしてどんな佐七なのか期待よりも不安が先に立った。
やはり上映されないのは、マキノ雅弘作品にしては退屈でテンポも遅いので、人気が今一つないからなのだろうと思った。ただ、この監督作品としてちゃんとした形で残っているのはやはりファンとしては感謝である。ある方がブログにこの作品の裏事情を書いておられた。結局、監督は本来のところからギャラが未払いで、救済したのが日活だったようだ。そしてこの年から日活で数本制作しているのはそのためだということだ。華やかに見えて、なかなか資金のこととなると厳しいものを感じたしだいだ。