「大脱走」や「荒野の七人」で有名なジョン・スタージェス監督が撮った社会派作品。西部の田舎町に片腕の男が列車を降り立つ。滅多に特急など停車しないのに、止まったと駅員はぼやく。目的は何かわからないので不気味に町人たちはいぶかる。やがて、この男とはヨーロッパ戦線で自分の命を助けてくれた日系二世の実家を訪ねてやってきたことが判明する....。
戦時中、合衆国が行った国内の日本人の強制収容に絡む差別的な一面をさらけ出す問題作ではある。主人公はスペンサー・トレーシーでこれが老齢ながら結構強い。他にロバート・ライアン、リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、アン・フランシスといったクセ者の役者が共演していて見応え充分。映画の場面には日本人の登場はない。「ブラック・ロックの悪い日」というのが原題。