西部劇などで有名なハワード・ホークス監督による史劇。この監督には珍しいスコープ作品でもある。ファラオにはイギリスの名優ジャック・ホーキンスが扮し、欲望の醜さを描いた作品とでも言おうか。ピラミッドがどうやって密封されていくかの仕掛けも面白い。
実はこの映画は子供の頃、NHKで放映されていて、ファラオの側近が最後に殉死するのだが、奸智たけた第二王妃も道連れにするところが強く印象に残っていた。むろんその当時は監督や出演俳優のことなど全く知らなかったのだが、そういったことで気にはなっていた。そして検索するうちに、それがこの映画ということを知った。やはり、ホークスともなると、無知な子供でも強烈な印象を残す映画を作るのだな感心した。仕掛けを作った職人が内部から聴こえる音が止んで、全て終わったなと言って家族らと故郷を出発するところで終わる。要領よく、104分にまとめていて、無闇な大作ではないところもいい。