ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(改訂版)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ケルン放送交響楽団
1963年5月10日 ケルンでのライヴ
クナの同曲の録音はVPOでの1949年のザルツブルク音楽祭での実況があるが、これは最晩年のライヴで使用楽譜は49年のものと同一という。プレーヤーにかけてみると、モノラルながら響が意外と豊饒で立体感も覚えるものだった。これは正規の放送音源のものかもしれない。
1963年と言えば、この指揮者の死の2年前。既にウィーン藝術週間の1962~3年の映像が出ているが、同じよう感じで舞台に上がっていたのだろうと思う。前半の二つの楽章は意外とあっさりして、速めのテンポ。しかし、何か聴いていてもたれなくてさわやかな感じはする。ただ、最終楽章になるとオーケストラのメンバーもかなり疲労感があるのか、ミスも目立つ。しかし、この思わぬ響きに拾い物をしたお得感みたいなものを覚えた。