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フロトー:歌劇「マルタ」(バイエルン国立歌劇場)

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『マルタ』全曲 ヘーガー&バイエルン国立歌劇場、ローテンベルガー、ゲッダ、プライ、ファスベンダー、他(1968 ステレオ)(2CD)
【収録情報】
 レディ・ハリエット:アンネリーゼ・ローテンベルガー(ソプラノ)
 ナンシー:ブリギッテ・ファスベンダー(メゾ・ソプラノ)
 ライオネル:ニコライ・ゲッダ(テノール)
 プランケット:ヘルマン・プライ(バリトン)
 トリスタン・ミルクフォード卿:ディーター・ヴェラー(バリトン)
 リッチモンドの判事:ハンス・ゲオルク・クノウリッヒ(バス)、他
 バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 ロベルト・ヘーガー(指揮)

 録音時期:1968年3月
 録音場所:ミュンヘン、ビュルガーブロイ
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
 
 この歌劇の存在を知ったのは、小学校6年の頃、器楽クラブでその序曲を演奏した時だ。全部というわけでなくところどころカットされたものではあったが、拍子が変化していって、9/8という拍子など小学生にはびっくりするものだったのを覚えている。その最中、NHK-FMでこの歌劇全曲を放送するというので、ラジオのスイッチをひねって聴いたのが、この録音であった。序曲はもちろん、序曲の中の旋律がどんなところに出てくるのかが、わかった。
 
 この録音は日本でもLPで発売されたこともあるし、CDも国内盤があったと思うが、すぐに姿を消してしまった。その代わり、ルチア・ポップがヒロインを歌ったコロムビア盤が今もカタログにはあるかと思う。
 
 さて、この作品は有名な民謡「庭の千草」も挿入されているだけでなく、第1幕の前半に出てくる合唱曲は替え歌で日本でも知られているものだ。「まじめで働き者の娘さん」という曲で、日本では明治の末頃から人口に膾炙していて、「爺さん酔っぱらって酒のんでころんだ」という歌詞で歌われていた。これは1948年の黒澤明監督の映画「酔いどれ天使」で志村喬扮する真田医師が歌っていたものだ。
 
 歌劇の内容は、イギリスはロンドンが舞台で女王の女官のいたずた心が起こす騒動と恋愛の顛末を描く他愛ない喜劇である。しかし、シリアスでない分楽しい舞台にはなっている。雰囲気が「ファルスタッフ」や「ウィンザーの陽気な女房たち」に似ているような感じもする。

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