(収録曲目)
①フルトヴェングラー:交響曲第2番ホ短調
②ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調作品21
(付録)ハンス・ミューラー=クライとの対談
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団
1954.3.30 シュトゥットガルトでのライヴ
レコード会社が解散したりして、一時期入手困難だったシュトゥットガルト放送交響楽団との顔合わせの演奏。少し珍しい組み合わせと思ったら、これが唯一の録音なのだそうである。また、当時のこのオーケストラの音楽監督と対談は貴重で、この巨匠の肉声が聴けるが、残念ながらドイツ語を解さない者には、「猫に小判」状態である。ただ、フルトヴェングラーの喋り方がやや苦しそうに聴こえる。体調が万全ではなかったのかなと思ったりする。また、巨匠が亡くなった年のもので、こちらがそう思うだけなのだろうか。
この2曲の演奏会はベートーヴェンが前プロで自作をメインに据えているという構成だったのではなかろうか。この自作の第2番は他に数種録音があって、手許にはDGへのセッション録音がある。他の指揮者ではヨッフム、朝比奈隆とバレンボイムのものがあって、結構あるのだが、如何せん長大すぎて聴くのに骨が折れる作品なのだ。どことなく、ブルックナーを手本としているようなところがあるように思う。
録音はやはり放送局からの正規ものらしく、状態はいい。モノラルながら少し広がり感があるようにも聴こえるが、加工が施されているのだろうか。