編曲、オーケストレーション:ジョン・ランチベリー
演奏:バリー・ワーズワース指揮
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団・バレエ団
演奏:バリー・ワーズワース指揮
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団・バレエ団
1994年収録
こんな演目がろうとは知らなかった。リストのピアノ曲や歌曲を集めてランチベリーがアレンジして、バレエに仕立て上げた。それはショパンの「シルフィード」と同様の成立過程である。
皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッツェラの心中事件を題材にしたもので、背景にはオーストリア=ハンガリー帝国でのハンガリー分離独立運動という政治的なものがある。1889年という時代設定で、リストの音楽が選ばれたのは、同時代で半分はハンガリーの血が流れていたということによるものらしい。ハプスブルク家の瓦解過程の象徴的な事件である。
どちらかというとバレエ踊りよりも音楽への興味だったが、ショパンの「シルフィード」とは異なり、一つの曲を通して演奏するというよりも素材を組み合わせ、場面に即した音楽を演奏するように構成されている。それはそれでなかなか面白いと思った。