Quantcast
Channel: 趣味の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1029

ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロス」(フランス語版)

$
0
0
(配役)
ルッジェロ・ライモンディ(B:フィリペⅡ世)
プラシド・ドミンゴ(T:ドン・カルロス)
レオ・ヌッチ(Br:ロドリーゴ)
ニコライ・ギャウロフ(B:大審問官)
ニキタ・スロジェフ(B:修道士)
カーティア・リッチャレッリ(S:エリザベート)
ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ(MS:エボリ公女)
アン・マレー(MS:ティボー)
アーリン・オージェ(S:天の声)
ティベレ・ラッファッリ(T:レルマ伯爵)
アントニオ・サヴァスターノ(T:王室の布告者)
クラウデゥオ・アバド指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
 
 1983~84年に録音されたセッション録音。アバドが絶頂の頃ではなかろうか。知られざるヴェルディの音楽の掘り起こしにも熱心で、そういうアルバムもスカラ座と入れていたし、このオペラも滅多に聴けない面を示してくれた貴重な録音であった。
 
 まず、このオペラの本来の言語はフランス語であった。この当時こうした試みをすることはたいへん珍しかった。文献上わかっていてもなかなか試みられることはなかったと思う。中にはヴェルディのオペラをフランス語で聴くなんてという者もいた。
 
 それよりも貴重なのは、4幕版になる時に削除された音楽や初演前に取り下げられた音楽など計6曲が最後にフィルアップされていることだ。殊に第2幕のバレエ音楽はフランス語オリジナル版でもカットされるもの。15分の長い音楽で、劇の流れが途絶することを危惧して演奏されないことが多いようだ。これは結構恰好いい音楽でカットして欲しくないナンバーである。それから初演前に差し替えられた第4幕のフィナーレは何とレクイエムに使われた素材だった。このアルバムはいろいろなこと教えてくれた。
 
 別にアバドの追悼の意味で購入したわけではない。たまたま他の商品の入荷が遅れてしまい、受け取ったのはアバドの訃報が入ってから。結局、彼の仕事ぶりを死後知ったような形だが、これは彼の功績の大きな部分ではないかと思った。
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1029

Trending Articles