梅宮辰夫主演の「夜の青春シリーズ」は第1弾。以後、「いろ」「ダニ」「かも」と製作されたが、「いろ」は村山新治監督が担当した以外は全て関川監督の手によるもの。本作はフィルムセンターで東映創立30周年で特集が組まれた折に番組に入っていたものである。
当初は山本薩夫監督の助監督に始まり、東宝争議に参加した後、フリーになった人だ。「きけ、わだつみの声」はその代表作だが、残念ながらその後は目立った作品はない。学校向けの教育映画も担当、「トランペット少年」といった佳作もあるが、東映のプログラムピクチャーをこなようになった。だが、これらの裏稼業を描いた作品は本来の社会派の目を取り戻した作品と見ることができよう。悪徳映画もここまで徹してくれると小気味がいい。