伊藤大輔監督が東映で撮った2本目の作品である。「反逆児」とか「徳川家康」といった実在の人物を描いたものとは異なり、比較的肩の力を抜いて撮ったような作品である。シリーズとしては3作目で前2本の加藤泰監督と交代した形である。
この映画は旧・文芸坐で行われた監督特集の5本立てオールナイトの最後の作品として上映されたのを観た。もう30年以上も前の頃、眠らずによく観られたものだと呆れている。古い順に「王将」「大江戸五人男」「下郎の首」「弁天小僧」とあって、この作品だった。
御用提灯が走り回り躍動感のある作品に仕上がっている。前述したように割と気楽に鑑賞できるのがいい。錦之助もここでは比較的自然な演技をしてくれる。