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忍者部隊月光(1964~66年)

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 半世紀も前にフジテレビ系で放映されていた人気ドラマだった。放映当時、フジ系列のない地域に住んでいたので、変則的な放映で二つの放送局が時間を異にして放映していたのを覚えている。基本的にアクロバットアクションで、メンバーが犠牲になるというエピソードもあった。
 
 今いろいろと資料を漁ると、製作は国際放映という会社が中心で、これは経営破綻した新東宝の撮影所を有し、独立プロなどにスタジオを貸したり、テレビドラマを制作していた、確かTBS傘下の会社だったかと思う。放送枠はCMも含めて30分。1エピソードは前後篇で完結という構成だった。その上に大きな筋があって、悪の大本が3つくらいあって、それが1シーズン毎に変わっていったように思う。今観ると子供騙しのチャチなものだが、放送当時は面白がって観ていた。テレビでは収まらず、劇場版もあって東映系で上映されていた。それも映画館に行って観ている。これは今のドラマの魁みたいな感じだ。
 
 月光役の水木襄は東映のニューフェイス出身のスターだったと思う。このドラマで知ったのだが、人気者になって子供向けの映画などにも主演していた。また、これは1962年に大映が山本薩夫監督で製作した「忍びの者」にあやかって出来た企画の一つではないかと思っている。忍者ブームでもあって、時代劇「隠密剣士」もそうした流れのドラマだが、これは現代劇であることがユニークだった。音楽は担当は「忍びの者」を担当した渡辺宙明である。ボニー・ジャックスの歌う主題歌もこの人の作曲。ほぼ全部DVDになっているようだ。

プッチーニ:歌劇「西部の娘」(スウェーデン王立歌劇場)

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【演奏】
ニーナ・ステンメ(S ミニー)
アレクサンドルス・アントネンコ(T ディック・ジョンソン)
ヨン・ルンドグレン(T ジャック・ランス)
ニクラス・ビョーリン・リイェール(T ニック)
ミヒャエル・シュミードベルガー(Bs アシュビー)
オラ・エリアソン(Br ソノーラ)
カール・ロンボ(T トリン)
グンナール・ルンドベリ(Br シド)
リヌス・ベリエソン(Br ベッロ)
コニー・ティマンダー(T ハリー)
マグヌス・キーレ(T ジョー)
クリスティアン・フロール(Br ハッピー)
イアン・パワー(Bs ラルケンス)
アラール・ピントサール(Bs ビリー・ジャックラビット)
アグネータ・ルンドグレン(Ms ウォークル)
ヨン・エーリク・エレビ(Bs ジェイク・ウォーレス)
アントン・エリクソン(Br ホセ・カストロ)
ヨン・ニルソン(T 郵便配達夫)
ピエール・ジョルジョ・モランディ(指揮)スウェーデン王立歌劇場管弦楽団,合唱団

クリストフ・ロイ(演出)
ヘルベルト・ムラウアー(舞台装置,衣装)

【収録】
2012年2月
 
 プッチーニの西部劇オペラだが、スウェーデン王立歌劇場というのがちょっと珍しい。ここは有名なオペラハウスなのに、CDも含めたソフト発信があまりないのだ。
 
 まず、幕が開く前にスクリーンにヒロインが西部の荒野を馬で走る映像がモノクロでしかもスコープサイズで映される。そして銃を構えてカメラにやってくるとスクリーンを破って、本物のヒロインが登場するというオープニングはなかなか面白い。この映像を映すのは劇中でも同じ姿をモノクロでセットの壁に映し出したりする。セットも至極シンプルでコストを切り詰めた感じだが、工夫でそれなりの雰囲気を出しているのには感心した。
 
 ただ、冒頭は音楽の流れがちょっと滞留したような感じで、ここがもっとうまくいったら良かったのにと思う。このオペラはそんなに有名なアリアもない。時折ラグタイムから転用がアメリカらしい感じを醸しだす。
 
 ヒロイン、ミニー役のニーナ・ステンメは豊穣な声だが、ややトウが立ったような感じではあった。もっとも蝶々夫人やミミといった可憐な役柄ではなく、生娘だがあばずれという設定でなかなか表現が難しいとも思った。ミニーというとディズニーのキャラクターを思い浮かべてしまう。

オリンピックの魔物

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 まずはメダルを取った選手のみなさん、おめでとうございます。及ばなかった選手たちも頑張っていると感じた。
 
 それにしてもオリンピックには魔物が住むというのだが、他の大会と違う何かがあるのだろう。ではこれは何だろうか。陸上の為末氏は周囲の期待からの重圧と説いていた。応援するのは当然だが、過度に期待することはどうなのかと思ってしまう。選手はそれぞれかなりの努力をして臨んでいる。そして、結果は後からついてくる。
 
 かつて1964年の東京オリンピックの記録映画を作った市川崑監督は競技直前の選手を捉えてどことなく悲しげと表現した。国の期待を背負い悲壮な気持ちになるのだろうか。それが戦前になるともって、国家の威信みたいな重圧があったのではなかろうか。ベルリン大会で女子水泳で金メダルを獲得した前畑選手はその前のロサンゼルス大会にも参加し、銀メダルを獲得している。そして帰国して東京市長に挨拶と報告に行った折のこと。ねぎらいの言葉が出ると思ったら、くやしかった、何故金メダルがとれなかったと詰問されたという話を聞いた。前畑選手は驚き傷ついたのは言うまでもない。1932年当時だから、その時代の雰囲気もある。
 
 

要人たちの発言

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 久しぶりに森元首相の「失言」を聞いた。本人は真意が伝わってないと言っているようだが、誤解を与える表現をするのがそもそも間違いなのである。この人のみならず、首相補佐官、NHK会長、大阪市長と枚挙のいとまもない。また首相も危うい言動をしているのもどうかと思う。
 
 自分の思いを述べたりやったりは、本来自由なのだが、要職についた人はその影響力を想定する必要がある。これらの事例はそうしたことすら想像できないことを示すものだ。暗然とならざるを得ない。

1972年 ロンドンにおけるストラヴィンスキー追悼コンサート

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1.春の祭典
2.ピアノとオーケストラのためのカプリッチョ
3.詩篇交響曲

【演奏】
ミシェル・ベロフ(ピアノ)…2
イギリス・バッハ祝祭合唱団…3
レナード・バーンスタイン(指揮) ロンドン交響楽団
 
 
【収録】
1972年4月8日 ロンドン ロイヤル・アルバート・ホール
 
 バーンスタインはNYPの音楽監督を辞し、ヨーロッパに軸足を変えていったが、これはそうした過渡期の記録と思われる。LSOにはしばしば客演していて、馴染み深い関係ではあった。この演奏会はストラヴィンスキー没後1周年で開催された追悼コンサートの模様である。
 
 観客にとっては「春の祭典」がいちばん馴染みのあるレパートーリーでこれがフル編成となった唯一の演目。後は次第に変則的にオーケストラの編成がなっていく。ピアノと管弦楽のためのカプリッチョは弦楽器のプルト数は大幅に減り、配置も通常とは違う。それが詩篇交響曲になると、ヴァイオリンとヴィオラを欠いた編成になってゆく。一方で管楽器はあまり減っていないというちょっとした逆転現象が映像で確かめられる。また、デニス・ウィックやジョン・フレッチャーといった往年のメンバーの姿も見受けられそちらも興味をそそられた。最後の詩篇では映像の状態がひどい部分があって、静止画像を挿入し、音は生かしたという構成になっている。
 
 なお、詩篇交響曲はレコード化されていて、アビー・ロード・スタジオで収録され、コロムビアから発売された。今はCDにもなっているが、日付を確認したら、同じ日になっている。出演者は全く同じ。演奏会の後なのか先なのかはわからないが、かなりハードなスケージュールだったのかと驚く。

オーマンディ:チャイコフスキー後期三大交響曲集(CBS)

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【曲目】
チャイコフスキー:
<DISC1>
1.交響曲第4番 ヘ短調 作品36
2.序曲「1812年」 作品49
3.イタリア奇想曲 作品45

<DISC2>
4.交響曲第5番 ホ短調 作品64
5.弦楽セレナード ハ長調作品48

<DISC3>
6.交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」
7.スラヴ行進曲 作品31
8.幻想序曲「ロメオとジュリエット」

【演奏】
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ

【録音】
1963年11月13日(1)、1959年4月12日(2)、1966年2月22日(3)、1960年4月10日(6)、1964年4月27日(7)、1964年4月14日(8)、フィラデルフィア、タウン・ホール
1959年1月25日(4)、1960年4月10日(5)、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル
ADD/STEREO
 
 オーマンディはチャイコフスキーを十八番にしていた。フィラデルフィア管弦楽団と最初に録音したのも、チャイコフスキーの第6番「悲愴」だった。その後、何回も録音を繰り返し、RCAやCBSだけでなく、新興のデロスにまで録音していたように思う。
 
 今、ここで取り上げているのは、CBSに録音したステレオによるセッション録音である。3つの交響曲以外にも有名な管弦楽曲がフィルアップされているのがうれしい。弦楽サレナードなどは、17cmLPを買ってもらってよく聴いていた懐かしい演奏でもある。しかし、これはオーマンディ独自のカットがあって、他の指揮者のものを聴くとここにはない部分は多々あって、驚いたこともあった。
 
 古い録音だが、分離は意外にいい。RCAに入れた後年のものを凌駕するという意見もあるが、「悲愴」の第3楽章でトロンボーンが1stと2ndとがかけあいで1つのフレーズを演奏するところはきちんとそれがわかるようになっているのだ。一番古いのが第4番で一番新しいのがイタリア奇想曲となっている。指揮者が60歳から68歳の時期のもので、一番円熟した時代ではなかろうか。
 
 総じて、ユージン・オーマンディの評価は日本では低い。不当に、という人もいるくらいで、小品の大家とかあわせもののスペシャリストとかいう表現も承知している。だが、この指揮者はやはりただ者ではない。他のオーケストラに客演しても、ちゃんと彼の追及するサウンドを引き出しているのがまず凄いし、結構現代音楽を初演したりして、進取の姿勢もある。そして正統的なレパートリーは名演を聴かせてくれる。個人的にも見直したい指揮者であり、こうした復刻はありがたい。

ワーグナー:楽劇「パルシファル」(MET2013)

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【出演・演奏】
カタリーナ・ダライマン(クンドリ)
ヨナス・カウフマン(パルジファル)
ペーター・マッテイ(アンフォルタス)
エフゲニー・ニキーチン(クリングゾル)
ルネ・パーぺ(グルネマンツ)
ルーニ・ブラッタベルグ(ティトゥレル), 他
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団
ダニエレ・ガッティ(指揮)

【演出】
フランソワ・ジラール

【舞台装置】
マイケル・レヴァイン

【衣装】
ティヴォ・ファン・クレーネンブロック

【照明】
デイヴィッド・フィン

【収録】
2013年2月, メトロポリタン歌劇場(ライヴ)
 
 メトロポリタン歌劇場の最新の「パリシファル」。レヴァインが指揮したものも出ているが、今回はイタリアのダニエレ・ガッティが指揮を担当している。前のものはごく保守的な装置と衣装でいわば正統的な舞台だったが、今回は服装もシンプルな現代的な服装だが、役割は明確になっている。荘重さはややない。また、本来はキリスト教の話なのに、どこか仏教的な所作があったりして、東洋的な要素があるのには驚いた。
 
 演奏はかなりおそいテンポである。ガッティはバイロイトでもこの作品を振っているそうだ。イタリアの先達トスカニーニもかなりゆっくりとしたテンポを取っていたというから、同じ感覚なのかもしれない。
 
 この映像は多分Live Viewingの映像をソフト化したものであろう。冒頭や幕間に案内人が簡単な説明するところも収録されている。

オーマンディによるチャイコフスキー:交響曲第5番他

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チャイコフスキー : 交響曲第5番&スラヴ行進曲/イタリア奇想曲
(曲目)
チャイコフスキー
①交響曲第5番ホ短調作品74      1974.3.21
②スラヴ行進曲               1972.2.17
③イタリア奇想曲              1972.2.16
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
Recording Place:Scotish Rite Cathedral, Philadelphia
 
 1968年にCBSからRCAに移籍して、数年が経過した頃の録音である。長年CBSで慣れ親しんできたので、RCAの録音はちょっと戸惑いを覚えたものだ。オーマンディにしてみれば、元の鞘に収まったようなものだが、前回の専属は戦前のことなどで、知るよしもない。
 
 3曲収録の中で、第5番はこのマエストロの十八番である。生涯に5回も録音しているから驚く。SPに始まり、最後はデジタル録音にまで跨っている。1941年(RCA)、1950年(CBS)、1959年(CBS)、1974年(RCA)、1981年(デロス)といった具合だ。最初の2つは残念ながら未聴であるが、後は当盤も含めて手許にある。この中では1959年のCBS盤が好みだが、このRCA盤も悪くない。最後のデロス盤はクリアだが、やや老いた感じは否めない。
 
 それにしても、オーマンディは日本では軽く見られている。小品や協奏曲が多いからだが、その一面だけで判断しているのか、軽めのサウンドを忌避する傾向もあるみたいだ。ドイツあたりの大家のシリアスなものを珍重する面も大きいかもしれない。だが、音楽は理屈を言う前にエンターテイメントなのだ。聴いていて心地が良いかどうかだ。精神訓練の場ではない。だとすると、これはこれで立派な演奏なのである。このオーケストラと指揮者は実に聴く者の心地をよくしてくれるのである。
 

スヴェトラーノフ:パリ・ライヴ(1973)

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(1)スヴィリドフ:「トリプティク」
(2)ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2 番ハ短調Op.18 スタスニラフ・ゲンリホヴィチ・ネイガウス(Pf)
(3)チャイコフスキー:交響曲第6 番ロ短調Op.74「悲愴」

【演奏】
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
フランス国立放送管弦楽団

【録音】
1973年2月7日、シャンゼリゼ劇場 (パリ)
 
 エフゲニー・スヴェトラーノフというと強面で、母国のオーケストラをドライヴして爆演するというイメージが強いが、そのディスコグラフィを見ると、単独で各国へ出かけて客演している。日本へはNHK交響楽団の定期演奏会にも登場していたのはその一環であったろう。
 
 このディスクは1973年にフランスに単身赴いてフランス国立放送管弦楽団を振ったコンサートの一部始終と思われる。全てロシアものでプログラムを構成しているのが面白い。その中で、前プロのスヴィリドフが珍しい。フェドセーエフが「吹雪」という作品を録音して出しているのが、日本でも販売されている程度で殆どしられたいない。難解ではなく、むしろ明快な作品である。旧ソ連の指揮者たちは自国以外に普及すべく、時折プログラムに挿入していたようである。
 
 中プロはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番だが、独奏者は有名なゲンリヒ・ネイガウスの息子である。またスヴェトラーノフもネイガウスSrにピアノを師事しているというから、旧知あいあだがらであろう。したがって息がぴったりの演奏だと思う。映画にも使われていて、通俗的なイメージが強いかもしれないが、冷静な演奏運びは気持がいい。
 
 メインの「悲愴」はオーケストラをドライヴして大いに鳴らしている。また、第1楽章の強い中間部はテンポを上げて、スピード感あふれる演奏になっている。感傷とは無縁の演奏で爽快ですらある。

バーンスタインによるチャイコフスキー:第4番他

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Symphony No 4 Francesca Da Rimini
(曲目)
チャイコフスキー
①交響曲第4番ヘ短調作品36
②交響的幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
 
 バーンスタインが指揮したチャイコフスキーの交響曲は初期の3曲と第5番はこのCBSのロイヤル・エディションの国内盤で入手していた。またDGに入れた後期三大交響曲も国内盤で持っている。しかし、グズグズしていたら、CBSの第4番と第6番はカタログから消えてしまっていた。そして、第4番はAmazon.co.jpにあり、第6番はイギリスに在庫があって、発注した。
 
 第4番は先日到着、封を開けると様子が違うのだ。解説は一切なしで、ディスクの印刷も全く違う。よくみるとMODと呼ばれるもので、需要に応じて盤を作成するシステムらしい。第6番は未着なので今のところわからない。
発売方式も変遷があるのだと感心しきりだ。
 
 さて、肝心の演奏だが、DG盤のやや重苦しいものと違って、若い分軽い感じがする。それがちょっと悪い方に出ているような気がした。迫力が今一つといったところだ。

琴姫七変化

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甦るヒーローライブラリー 第7集 ~ヒロイン編~ 琴姫七変化 HDリマスターDVD-BOX  Part1  甦るヒーローライブラリー 第7集 ~ヒロイン編~ 琴姫七変化 HDリマスターDVD-BOX  Part1甦るヒーローライブラリー 第7集 ~ヒロイン編~ 琴姫七変化 HDリマスターDVD-BOX  Part1
 1960年12月31日から1962年12月29日まで、全105話製作されたテレビ時代劇である。どうも全て現存している訳ではなく、45話がこの度DVDに初めてなったようである。放映は読売テレビ・日本テレビ系列で確か土曜日の午後7:00~30の枠だったと思う。
 
 何せ小学校就学前のことで、あまり鮮明な記憶はないが、松山蓉子という殺陣のうまい女優が主演していたこと。題名通り、いろいろな服装に着替えて活躍するというものだった。そして大塚製薬がスポンサーだった。だいたいこの当時のテレビ作品は残っていないと思っていたが、半分弱現存していたとは驚きだった。
 
 戦前の中篇映画のような構成で、今観ると演技も演出も貧弱ではある。各エピソードは前後篇で、今なら一話完結といったところだろう。役名がスポンサー由来のもじりがあったりするし、これで大塚製薬の名前が一躍有名になり、その功績でヒロインの松山蓉子はボンカレーのイメージキャラクターになるという後日譚まである。
 
 松山はしばらくこの路線で活動し、他のテレビ時代劇にもゲスト出演していたが、1970年代に入って殆ど出なくなってしまった。
 
 

ミュンシュの「ワルキューレ」第1幕

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【収録情報】
・ワーグナー:楽劇『ワルキューレ』第1幕全曲

 マーガレット・ハーショウ(ソプラノ、ジークリンデ役)
 アルバート・ダ・コスタ(テノール、ジークムンド役)
 ジェイムズ・ピース(バリトン、フンディング役)
 ボストン交響楽団
 シャルル・ミュンシュ(指揮)

 録音時期:1956年7月21日
 録音場所:タングルウッド音楽祭
 録音方式:モノラル(ライヴ)
 
 まず、こういうものが存在するのが驚きだ。ミュンシュは殆どオペラでは指揮活動がないと聞かされてきたが、演奏会形式ながらこうしたものを取り上げていたのである。若い頃、ライピツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンマスを務め、ワルターやフルトヴェングラーの指揮を間近で接していたし、このオケはピットにも入ることがあったので、オペラ演奏の経験はあったものと思う。
 
 しかし、RCAでボストン交響楽団を振っていた時代、オペラから抜粋した管弦楽曲は録音してもオペラそのものの録音はなかった。ワーグナーも序曲などを集めたものは確かにあった。しかし、このように部分的にしろオペラの指揮はこの録音で初めて聴く。
 
 さて、冒頭の低弦の唸る箇所だが、極めて速いテンポでオーケストラを最初から煽っている。クレンペラーやクナッパーツブッシュといった往年のドイツの指揮者とはまた違う面白さがある。ボストン交響楽団もよく指揮に喰らい付いている様子。歌手も懸命にこなしているが、ジークムント役のダ・コスタ以外は知らない人たちだ。ライヴなのでスリリングでもある。

ショスタコーヴィチ:交響曲全集~キリル・コンドラシン

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収録曲目
CD1①交響曲第1番ヘ短調作品10
   ②交響曲第12番ニ短調作品112「1917年」
CD2①交響曲第2番ロ長調作品14「十月革命に捧ぐ」
   ②交響曲第10番ホ短調作品93
CD3①交響曲第3番変ホ長調作品20「メーデー」
   ②交響曲第15番イ長調作品141
CD4交響曲第4番ハ短調作品43
CD5①交響曲第5番ニ短調作品47
   ②交響曲第6番ロ短調作品54
CD6交響曲第7番ハ長調作品60「レニングラード」
CD7交響曲第8番ハ短調作品65
CD8交響曲第11番ト短調作品103「1905年」
CD9交響曲第13番変ロ短調作品113「バビ・ヤール」
CD10①交響曲第9番変ホ長調作品70
    ②交響曲第14番「死者の歌」
CD11①ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調作品77
    ②ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調作品129
CD12交響曲第13番変ロ短調作品113「バビ・ヤール」  1962.12.20(ライヴ)
キリル・コンドラシン指揮 モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
CD2①;CD3①;CD9;CD12:アカデミー・ロシア共和国合唱団
CD9:アルトゥール・エイゼン(バス) CD10②エフゲニア・ツェロヴァニク(ソプラノ)、エフゲニー・ネステレンコ(バス)
CD11①レオニード・コーガン(ヴァイオリン)②ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)
CD12:ヴィターリ・グロマツキー(バス)
 
 ロシアの「Vinezia」というレーベルからリリースされたキリル・コンドラシンによるショスタコーヴィチ交響曲全集である。何回かメロディア・レーベルとして国内盤にもなっていたものだが、いつの間にか入手困難になっていたところこれはありがたいBOXである。しかも、価格も手頃なものになっているからうれしいし、2つのヴァイオリン協奏曲と第13番の初演直後のライヴ録音というおまけまでついている。後者のみ放送音源でモノラル収録である。
 
 最近、コンドラシンは亡命前後に出演したバイエルン放送交響楽団やアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団と共演したものがリリースされている。そのレパートリーの広さに驚嘆するとともに、彼の知られない面がわかって喜んだものだ。
 
 ヴァン・クライバーンの凱旋帰国に一緒にアメリカに渡り、協奏曲で共演したり録音したり、またピックアップの楽団とロシアものの録音したものは知られていたが、本国での活動は限られたものしかなかった。たまに手兵を率いて来日してくれて、演奏は披露してくれたし、その録音も残ってはいる。そして手掛かりはこうした録音ものである。これはその代表的なものだ。
 
 第13番は反体制的な内容で、政府はその初演を阻止しようと圧力をかけたことで有名である。初演歌手が次々とキャンセルされるなか、上記のヴィターリ・グロマツキーが歌うことになったという。ここに収録されているのは初演2日後、再演された折の放送音源だ。
 
 こうした作曲者と同時代の記録が手許で聴けるという幸せを大いに噛みしめているところである。ただし、挿入されているリーフレットは曲名のみ英文表示がある以外は、写真説明も全てロシア語表示で何が書いてあるか、一向にわからない。
 

訃報:安井昌二氏

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 昨日の朝のニュースで知った。享年85歳。次々と親の世代の人たちの訃報を聴くと、もうそんな年廻りかと思う。夫人だった小田切みきは既に他界、往年の名子役だった娘と同居していたようである。
 
 この人は俳優座出身の人で、最初は「四方正夫」と、本名で俳優活動をしていた。その頃の映画作品は「ひめゆりの塔」(今井正監督)や「黒い潮」(山村聰監督)といった作品がある。それが「安井昌二」となったのは、田中絹代が小津安二郎監督のシナリオを得て映画化した「月は上りぬ」からだ。役名をそのまま芸名としたようだ。以降、「ビルマの竪琴」などが代表作だったが、最近は新派の舞台で活躍していた。
 
 ご冥福を祈りたい。

吹奏楽燦選/フェスティーヴォ!

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吹奏楽燦選/フェスティーヴォ!
①フチーク:マリナレッラ序曲
②フサ:プラハ1968年のための音楽
③ネリベル:アンティフォナーレ
④ネリベル:2つの交響的断章
⑤ネリベル:交響的断章
⑥ネリベル:フェスティーヴォ
ヴァーツラフ・ブラフネク指揮 東京佼成ウインドオーケストラ
録音:2013年3月17日・18日、武蔵野音楽大学バッハザール
 
 チェコの吹奏楽の曲を集めたアルバム。①は管弦楽曲を編曲したものだが、後は全て吹奏楽のための作品である。民族的な色彩が強く、ネリベルの作品などはヤナーチェクの「シンフォニエッタ」に近いような素材がいくつも出てくる。
 
 ②は明らかに政治的な志向をもった作品。プラハと1968年とくれば「プラハの春」という事件を想起する。あの情景を描いたものである。とかく吹奏楽の録音となると、コンクールに使うための参考資料という域を出ないが、音楽としてきっちりと鑑賞して欲しいものと思うのは、自分だけだろうか。


震災からの教訓

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 東日本大震災からまる3年が経つ。他に阪神大震災が20年近く経つし、鳥取西部地震からは15年近くが経つ。被害の多寡はともかく、それぞれから何を教訓とするかである。企業を経営する者は如何に事業を存続するかを考えるだろうし、個々は如何に自身を守り家族を守るかを考える。ただ、悲しいかな、物事は風化してしまうのもまた事実だ。
 
 災害は忘れた頃やってくる、とは昔から言われたことだ。今回の大震災の被害地の中で、かつて大津波の被害にあった地区も多くあった。その中に、ここから先は津波の被害を受けるかもしれないという古い警告塔があった。しかし、長年の風雨で擦り切れ忘れ去られた状態にある姿を見て、愕然とした思いをした。人間の知恵だけでは自然にはかなわない、これだけは謙虚に受け入れたほうがいいという戒めの映像ではあった。

レーガー : 管弦楽作品集

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レーガー : 管弦楽作品集 (Max Reger / Norrkoping Symphony Orchestra , Leif Segerstam) (3CD) [輸入盤]

ディスク:1ディスク:2ディスク:3
1. モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132
2. ある悲劇のための交響的プロローグ Op.108
1. ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.114
2. 組曲 Op.93
1. ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ Op.86
2. バレエ組曲 Op.130
3. 4つのベックリンによる音の絵 Op.128
 
レイフ・セーゲルスタム 指揮
ノールショピング交響楽団
ルーヴェ・デルウィンガー (ピアノ / Disc-2: M-1)
 
 たまたま通販のカタログにあったので、聴いてみようという気になって取り寄せたものだった。3枚組で購入の仕方によって、かなりのお買い得価格にもなるようだ。それはさておき、このアルバムは従来それぞれ単独で出ていたものをBOXにまとめたもののようだ。
 
 生前は変奏曲の名手として名を成して、作品を沢山書いたレーガーではあるが、亡くなってから急激に過去の人になってしまい、作品も殆ど演奏されないというのが実状のようである。この内、モーツァルトの主題による変奏曲とフーガが一番有名であろうかと思う。主題はK.331のソナタの第1楽章の主題である。たいへん耳当たりが良いので、彼の作品としては演奏頻度はあるほうと思われる。
 
 何故、忘れらてしまったのか。それは手がこみすぎて、複雑そうな作品からかもしれない。どこか掴みどころがないような感じで、聴いても印象に残らない傾向にあるのかもしれない。
 

フィラデルフィア管弦楽団の最新コンサートのプログラム

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Thursday, March 13, 2014
Alain Altinoglu - Conductor
Michael Stairs - Organ
Susanna Phillips - Soprano
Philippe Sly - Bass-baritone
The Philadelphia Singers Chorale - Mixed chorus
David Hayes - Music director
program
Gabrieli - Canzon septimi toni No. 2, from Sacrae symphoniae
Franck - Organ Chorale No. 1 in E major
Villa-Lobos - Bachianas brasileiras No. 5
Duruflé - Four Motets on Gregorian Themes
Dukas - Fanfare from La Péri
Fauré - Requiem
 
 金管アンサンブルがあったり、チェロのアンサンブルがあったりする前プロとフォーレのレクイエムの取り合わせはユニークなプログラミングかと思う。

映画のクレジットから見える人の動き

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 最近はCSあたりで古い映画やテレビドラマをやっていて、観ることができる環境になっている。中にはDVDなどのパッケージになっていたりもする。
 
 さて、これは国内外を問わず、スタッフ・キャストの表示を見るにつけ、新しい発見がある。後年、大物になったアシスタントやついぞ目が出ず消えていった人、そこに人間のドラマを見る思いである。中には大部屋俳優を経て、殺陣師に変った人もいれば、助監督に転身した人もいる。

訃報:宇津井健

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kazzpの音楽&映画-nyotai01
 
 宇津井健が亡くなった。享年82歳。もうこういう年齢だったのだ。最近ドラマに出演していて、声の張りがないなと思っていたところだった。
 
 俳優座養成所で研鑽を積み、新東宝に入社してスターとして活躍した。養成所時代に通行人の一人として黒澤明監督の「七人の侍」に出ていたように思う。仲代達矢もそうだった。新東宝時代では、「青春怪談」や「スーパー・ジャイアンツ」といった主演作があった。また、山本薩夫監督の「人間の壁」では、熱血青年教諭の役で強い印象を残す。
 
 新東宝が破綻すると、大映に移ってやはりスターとして活躍、その大映がテレビ向けに製作した「ザ・ガードマン」のキャップはあまりにも有名だった。その後、山口百恵と三浦友和と共演した「赤いシリーズ」でも主演を張っていた。最近は「渡る世間は鬼ばかり」で藤岡琢也に代わって出演、元気な姿を見せていたし、映画「沈まぬ太陽」でも健在なところを見せていた。
 
 どうか安らかに眠ってください、と申し上げ、ご冥福を祈りたい。
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