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太地町のイルカ騒動

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 イルカの追い込み漁は以前から、論争が起きていた。記録映画にもなったし、シーシェパードの過激な破壊活動も話題になった。しかし、ここしばらく静かな状況だったように思う。
 
 しかし、突如アメリカのメディアからまたこの話題が飛び出してきた。中味はそう新味のあることではないが、発端は駐日大使となったキャロライン・ケネディ女史のツィートだった。アメリカ政府の代表として、この漁に反対し、非人道的な行為を懸念するというものだ。名門出身の大使が発言したのだから、俄かに騒がしくなったのだと思う。
 
 この人は政治行政経験はないという前評判だったが、やはりそれが災いしたようではあるし、こういうことを軽々しく発言するといろいろと難しい摩擦を起こすことを知らないと見える。
 
 元々、人間は自然にある動物・植物の命を獲って、生活するものである。生きるためにそうしている。木や花を折り、動物は殺して、その生命をいただくのが実体である。英語のコメントなんか見ると、「伝統を免罪にしている」とか書いてある。中には戦犯国のやることだと全く見当はずれのものまである。
 
 クジラにしろイルカにしろ、シーシェパードの連中以外でも自分らはそんなものの殺戮には無関係というような顔をしている連中も多い。でもメルヴィルの小説を持ち出すまでもなく、欧米人もクジラをかつては大量に捕獲していたものである。ペリーが日本に開国を迫ったのも、アメリカの捕鯨船の水食糧確保の港が必要だったからでもある。彼らはクジラの肉は食さなかったが、ランプ用の油として鯨油を必要としたのである。ランプが他のものに代替されたがために捕鯨は衰退したというのに過ぎない。
 
 ケネディ大使の発言はあまりにも近視眼的であり、こちらとしては呆れるしかないのである。

訃報:高橋昌也氏

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 高橋昌也氏は文学座出身の俳優で晩年は演出家としても有名だった。残念ながら、新劇の舞台を見ることは少なく専ら映画やテレビに出演した姿を思い浮かべる。
 
 キザでどちらかというと敵役が多かったと思う。最近の写真を見るとずいぶん風貌が変わってしまって、驚いたものである。
 
 このところかつて活躍された人が亡くなるというニュースが多く、寂しい。
 
 

タイム・トンネル(11)秘密兵器A-13

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 1956年の旧ソ連南部の街に転送される。そこにはタイム・トンネルが存在していた。今回は第2回同様に全くのフィクションで歴史上の事件ではない。CIAの要請でそのトンネルと指揮をする科学者のことを調べるよう司令が出る。
 
 まず、どの程度の完成度かが不明なところから始まる。SFとスパイものがミックスしたような趣である。何とその科学者が現代のアメリカに来ていて、タイム・トンネルの完成に助力したいと来ていたのである。上層部は真意を測りかねていたのである。
 
 今回のゲストはネヘミア・パーソフ。1957年のアンソニー・マン監督の「最前線」という戦争映画で知った人である。そうしたら、「アンタッチャブル」に複数回ゲスト出演していることがわかった。なかなかクセの俳優で性格俳優といったところだろう。また脇役には捜査官役でケヴィン・ヘーゲンの若き日の姿もある。こうしたドラマを見ているとかつての名優や今大俳優になっている人の若い時代の姿が見られるのも、楽しいものである。

源氏九郎颯爽記秘剣揚羽の蝶(東映京都1962年)

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源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶
 
 伊藤大輔監督が東映で撮った2本目の作品である。「反逆児」とか「徳川家康」といった実在の人物を描いたものとは異なり、比較的肩の力を抜いて撮ったような作品である。シリーズとしては3作目で前2本の加藤泰監督と交代した形である。
 
 この映画は旧・文芸坐で行われた監督特集の5本立てオールナイトの最後の作品として上映されたのを観た。もう30年以上も前の頃、眠らずによく観られたものだと呆れている。古い順に「王将」「大江戸五人男」「下郎の首」「弁天小僧」とあって、この作品だった。
 
 御用提灯が走り回り躍動感のある作品に仕上がっている。前述したように割と気楽に鑑賞できるのがいい。錦之助もここでは比較的自然な演技をしてくれる。

東京の人前後篇(西河克己・日活1956年)

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 西河克己監督は鳥取県出身の人で松竹から移籍してきた人である。後年、吉永小百合を育て、アイドルの山口百恵の映画の多くを撮った監督である。この作品はこの二人が出現する前の西河監督の初期の作品である。
原作はノーベル賞を受賞した川端康成の同名小説。
 
 さて、映画は前後篇に分かれているが、一挙に公開されたようである。インターミッション入りの長編くらいの感じだろう。しかし、それにしても登場人物は全て煮え切らない人間ばかりで一向に前向きではないので、観ていてため息が出てしまう。やや映画が滞留したような感じがする。女優は日活が揃えられるだけの女優(月丘夢路、新珠三千代、左幸子、芦川いづみ)がほぼ出ているし、新劇の演技達者たちも出ているのだが、一向に唸らせてくれない。出版社経営の滝沢修扮する社長が資金繰りに行き詰まって失踪するなんてところから、一体どうなっているのかと思ってしまう。
 
 ただ、やっと復興した東京の表と裏を活写している点は貴重だろう。当時からホームレスへの対策がとられていたのも興味津々の情景ではある。

タイム・トンネル(12)リンカーン暗殺計画

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 1861年のボルチモアに転送され、そこでリンカーン大統領の暗殺計画に巻き込まれる。4年後には本当に暗殺されてしまうが、当初から命を狙われていたのは本当のようである。
 
 暗殺者は南部のリンカーンに敵対する者ではなく、大統領の考えを更に先鋭化したような過激派で、自分らの考えを実現するには手段を選ばないという連中だ。何か今横行しているテロに似たようなところがあるのが興味深い。
 
 リンカーンを演じたフォード・レイニーはよく大統領役をやるような風格のある俳優だった。確か同じアーウィン・アレン製作の「宇宙家族ロビンソン」でも初回に登場する大統領はこの人ではなかったか。

ダニ(関川秀雄・東映東京1965年)

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ダニ
 
 東映チャンネルの概要には、梅宮辰夫の「夜の青春シリーズ」の第3弾とあった。少なくとも関川秀雄監督の手で「ひも」「かも」と本作の3つは確認している。
 
 この作品では、暴力団の組員の男が、突然の組の解散で思いついた美人局で稼ぐという悪徳ものである。裏の社会構図をスタイリッシュに仕上げているのだが、それを関川秀雄監督が手掛けているのが意外な感じがした。東宝争議によってレッドパージとなり、独立プロを根拠に活動、山本薩夫監督などとは同志であった社会派監督だった。その後東映に専属し、学校向けの児童教育映画も手掛けていた。そういう経歴の監督によるやくざ映画なのだ。社会の裏面を描くという意味では、社会派の面目躍如ということかもしれない。
 
 90分にも満たない中篇だが、見応えは十分ある。

ひも(関川秀雄監督・東映東京1965年)

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 梅宮辰夫主演の「夜の青春シリーズ」は第1弾。以後、「いろ」「ダニ」「かも」と製作されたが、「いろ」は村山新治監督が担当した以外は全て関川監督の手によるもの。本作はフィルムセンターで東映創立30周年で特集が組まれた折に番組に入っていたものである。
 
 当初は山本薩夫監督の助監督に始まり、東宝争議に参加した後、フリーになった人だ。「きけ、わだつみの声」はその代表作だが、残念ながらその後は目立った作品はない。学校向けの教育映画も担当、「トランペット少年」といった佳作もあるが、東映のプログラムピクチャーをこなようになった。だが、これらの裏稼業を描いた作品は本来の社会派の目を取り戻した作品と見ることができよう。悪徳映画もここまで徹してくれると小気味がいい。

中朝のきしみ

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 北朝鮮は中国に依存していて、べったりかと思ったら、そうでもなさそうなことを示すニュース。金正恩第一書記にしてみれば、乗っ取られるという強迫観念があるのかもしれない。しかし、中国が物資や資金を絶てば、破産してしまうことも事実ではある。
 
 このニュースを読むと、中国への不信感もかなりあることを示している。では、中国はどう思っているのか。10数年前に豆満江周辺に所用があって、団体行動ながら、辺境朝鮮自治州の街に行ったことがある。そこに駐屯する中国軍の砲身は全て北朝鮮の方角に向いていた。もちろん軍人と話したわけではないが、中国の北朝鮮への不信を垣間見た思いがした。その地域は北朝鮮にも親族のいる朝鮮系の人たちの多い地区で、当時の金正日総書記に対しても複雑な思いで見ていたような風があった。

タイム・トンネル(13)アラモの砦

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 1836年の崩壊寸前のアラモ砦の近くに転送される。既にデイヴィー・クロケットは亡くなっており、砦は風前の灯といった状態である。
 
 テキサスを巡っての米墨両国のせめぎ合いである。19世紀の半ばまでしばしば両国は小競り合いしていたようである。この砦の崩壊でテキサス在住のアメリカ人たちはメキシコからの独立に動いたというが、世界史ではなかなかそういうところまで学習できなかった。こうしたドラマで少しだけその一端をみさせてもらったような感じだ。
 
 今回は司令官のトラヴィス大佐がトンネルで現代に呼びこまれ、自らの死をみるという部分が印象に残る。扮しているのはローディス・リーズン。資料によると東宝が1967年に製作した「キングコングの逆襲」でカール・ネルソン司令官役で出演しているという。残念ながら、この東宝作品は観ていない。
 

タイム・トンネル(14)土民の奇襲

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 1886年のインドとアフガニスタンの国境へと転送される。イギリスの統治への反乱をおこす原住民の集団とイギリス軍の攻防を描く。放映当時、オリエンタリズムに溢れるロマンティックなエピソードとして絶賛されたという。しかし今観るといろいろと異論をさしはみたくなるのも事実。ここは今も政治的に複雑で旧ソ連もアメリカも手こずった地域でもある。二人を助ける若者は後にノーベル文学賞を受けるジョセフ・キップリングであるというのも面白い。
 
 言うまでもなく、原住民の族長は血も涙もない冷血漢に描かれている。その族長ヒラ・シンを演ずるのはマラチ・スローンという俳優。ふてぶてしい顔つきは一度見たら忘れられない。「宇宙大戦争」(スター・トレック)の唯一前後篇になる「タロス星人の幻怪人」でも同じようなアクの強い役柄に扮していた。
 
 なお、当初は「マルコポーロの謎」という副題が付いていた。しかし、マルコポーロが登場するエピソードは後半にあって、NHKがとり違えたようである。また、再放送でそれは訂正され、かつ「土民」という差別用語を回避して、原題を訳した「長い刀の夜」に改題されている。
 
 

タイム・トンネル(15)Dデー二日前

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 1944年のフランスのシェルブール近郊へ転送される。ノルマンディー上陸作戦敢行の直前の時代だった。ゲシュタポやレジスタンスが登場するが、ドンパチの撃ち合いよりは、人間改造の話が主である。これが何とも不気味でどのようにも人間を操作できるというものだ。
 
 洗脳への恐ろしさを当時のアメリカ人は感じていたそうである。それを反映したエピソードだ。友人なのに、敵として殺そうとするダグの姿は本当に恐ろしい。しかし、正味50分の話なので、少々話を端折ったところがあるのは残念ではある。

ドニゼッティ:歌劇『ルクレツィア・ボルジア』全曲

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 ルネ・フレミング(S ルクレツィア・ボルジア)
 マイケル・ファビアーノ(T ジェンナーロ)
 ヴィタリー・コヴァリョーフ(Bs 公爵アルフォンソ)
 エリザベス・デション(Ms マッフィオ・オルジーニ)
 オースティン・ネス(Br アポストロ・ガゼッラ)
 アオ・リ(Br アスカーニオ・ペトルッチ)
 クリストファー・ジャクソン(T イェッポ・リヴェロット)
 ブライアン・ジャグディ(T オロフェルノ・ヴィテッロッツォ)
 アイゴー・ヴィエイラ(Bs グベッタ)
 ダニエル・モンテネグロ(T ルスティゲッロ)
 ライアン・カスター(Br アストルフォ)、他
 サンフランシスコ歌劇場バレエ団
 サンフランシスコ歌劇場管弦楽団&合唱団
 リッカルド・フリッツァ(指揮)

 演出:ジョン・パスコー
 照明:ジェフリー・ブルッカーホフ
 振付:ローレンス・ペク

 収録時期:2012年9月、10月
 収録場所:サンフランシスコ歌劇場(ライヴ)
 このオペラはタイトルだけ見かけていた作品でこの度初めて鑑賞する。どこでみかけたか。バイエルン国立歌劇場の公演ライヴの映像のソフトをカタログで目にしていたのだ。ただ、日本語字幕もないし、馴染みのない演目を英語字幕で追うのは鬱陶しかったので、見送っていたのだ。これは幸いなことに日本語字幕があるので、ありがたい。
 
 ドニゼッティの44作目の作品なのだそうだ。イタリアでは歴史上の悪女として知られるのがヒロインなのだそうだが、そういうことに疎いのでそこらあたりから知っておかないとこのオペラにすんなり入れない。自分の家に挑む反乱分子の中に息子がいて、助けようとするも死に追いやってしまうという悲劇の内容である。
 
 このサンフランシスコのオペラ・ハウスのものは妙な現代化はされておらず。保守的な舞台なので、このオペラの初心者にはありがたい。あまりここから発信されるものは少なく、アンドレ・プレヴィンの自作自演のオペラ「欲望という名の電車」のCDが手許にはあるだけだ。

ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロス」(フランス語版)

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(配役)
ルッジェロ・ライモンディ(B:フィリペⅡ世)
プラシド・ドミンゴ(T:ドン・カルロス)
レオ・ヌッチ(Br:ロドリーゴ)
ニコライ・ギャウロフ(B:大審問官)
ニキタ・スロジェフ(B:修道士)
カーティア・リッチャレッリ(S:エリザベート)
ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ(MS:エボリ公女)
アン・マレー(MS:ティボー)
アーリン・オージェ(S:天の声)
ティベレ・ラッファッリ(T:レルマ伯爵)
アントニオ・サヴァスターノ(T:王室の布告者)
クラウデゥオ・アバド指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
 
 1983~84年に録音されたセッション録音。アバドが絶頂の頃ではなかろうか。知られざるヴェルディの音楽の掘り起こしにも熱心で、そういうアルバムもスカラ座と入れていたし、このオペラも滅多に聴けない面を示してくれた貴重な録音であった。
 
 まず、このオペラの本来の言語はフランス語であった。この当時こうした試みをすることはたいへん珍しかった。文献上わかっていてもなかなか試みられることはなかったと思う。中にはヴェルディのオペラをフランス語で聴くなんてという者もいた。
 
 それよりも貴重なのは、4幕版になる時に削除された音楽や初演前に取り下げられた音楽など計6曲が最後にフィルアップされていることだ。殊に第2幕のバレエ音楽はフランス語オリジナル版でもカットされるもの。15分の長い音楽で、劇の流れが途絶することを危惧して演奏されないことが多いようだ。これは結構恰好いい音楽でカットして欲しくないナンバーである。それから初演前に差し替えられた第4幕のフィナーレは何とレクイエムに使われた素材だった。このアルバムはいろいろなこと教えてくれた。
 
 別にアバドの追悼の意味で購入したわけではない。たまたま他の商品の入荷が遅れてしまい、受け取ったのはアバドの訃報が入ってから。結局、彼の仕事ぶりを死後知ったような形だが、これは彼の功績の大きな部分ではないかと思った。
 

真剣勝負(東宝1971年)

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 内田吐夢監督の遺作となったもの。御殿場のロケ先で倒れてそのまま亡くなったとのことで、映画はどこか尻きれトンボみたいな感じで終わってしまっている印象が強い。
 
 この作品は東映の5部作よりも高い頻度で名画座で上映されていたような記憶がある。またその5部作ではスルーしてしまった宍戸梅軒とのエピソードを今回扱っている。シナリオはやはり時代劇監督として有名だった伊藤大輔によるもの。1943年に伊藤監督がこのエピソードを映画化しているが、その作品との関連はどうなのか、残念ながら戦時中の作品は観ていないので、確認できていない。
 
 武蔵と梅軒との駆け引きが中心になっている。梅庵は関ヶ原で武蔵に殺された野武士の縁者で前から敵と認識していたというもの。武蔵は梅軒夫婦の幼子を人質にとって揺さぶりをかける。しかし、剣とは所詮暴力であると悟るようなのだが、それがタイトルとなっているのは唐突なのだ。多分、もっと詳細に描こうとしていたが、監督の死で中断されたのかもしれない。
 
 当時の様子はキネマ旬報に出ていて、貧乏学生のような暮らしをしていたらしいとの記述があった。また病床で出演していた沖山秀子の名を呼んで「沖山、違う、違う」とうわ言を口走っていたという。まさしく執念で撮った作品かもしれない。そのキネマ旬報には関係者の座談会が載っていた。俳優の片岡千恵蔵、小杉勇それに日活多摩川時代からの同僚の田坂具隆監督だったように記憶している。また、主演の中村錦之助も、弱った体で演出する監督の姿を証言、東映ではなく、馴れない東宝の製作にも戸惑っていたという。
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声優の相次ぐ訃報

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永井一郎の画像
 
 先日は永井一郎氏の訃報が大々的に報じられていた。「サザエさん」の磯野波平役があまりに有名だからかもしれない。また、仕事先で突然亡くなったということもあったかもしれない。実はこのこの方は京都大卒で、あの大島渚監督や戸浦六宏とは同窓なのだ。「日本の夜と霧」では「アコーディオンの学生」役で出演しているし、「太陽の墓場」ではチンピラ役で出ている。
 
 出発は演劇なのである。この世代はまず演劇があって、声優もやるという人が多かったようだ。後は放送劇団の出身者もいる。
 
 それに先立って加藤精三氏の訃報もあった。アニメ「巨人の星」では父親役の星一徹役が有名で、最近でもそのキャラクターを使ったCMにも元気な声を聞かせてくれていた。私からすると「逃亡者」でリチャード・キンブル(デイヴィッド・ジャンセン)を追跡するジェラード警部(バリー・モース)の声のほうが印象深い。どちらかというと冷酷な役どころを得意としていた風があった。
 
 いずれは世代交代でこうした訃報は必ずあるのだが、やはり寂しいものを感じる。お二人のご冥福を祈りたい。

The Anthology of ACO Vol.4

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[CD1]
①シベリウス:交響曲第7番[20:14]
 ユージン・オーマンディ(指揮)
 1969年11月27日
②ショスタコーヴィチ:交響曲第4番[58:15](初出!)
 キリル・コンドラシン(指揮)
 1971年1月10日

[CD2]
①ハイドン:交響曲第92番『オックスフォード』[26:26]
 カレル・アンチェル(指揮)
 1970年1月21日
②エルガー:交響的習作『ファルスタッフ』[35:00]
 サー・コリン・デイヴィス(指揮)
 1970年6月20日
③デ・レーウ:管楽のシンフォニー[09:14]
 ベルナルト・ハイティンク(指揮)
 1971年10月30日

[CD3]
①シベリウス:エン・サガ op.9 [16:10]
 キリル・コンドラシン(指揮)
 1971年1月14日
②ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲[22:45]
 ダニエル・ワイエンベルフ(Pf)
 カレル・アンチェル(指揮)
 1970年1月21日
③フランク:交響曲ニ短調[36:30]
 カレル・アンチェル(指揮)
 1970年1月21日

[CD4]
①ウォルトン:ブリテンの即興曲による即興[13:58]
 ヨーゼフ・クリップス(指揮)
 1972年1月27日
②マルタン:ピアノ協奏曲第2番[23:00]
 パウル=バドゥラ・スコダ(Pf)
 ヨーゼフ・クリップス(指揮)
 1972年1月27日
③ストラヴィンスキー:『結婚』[25:00]
 ドロシー・ドロウ(S)
 ソフィア・ファン・サンテ(Ms)
 エリック・タピー(T)
 ジュール・バスタン (B)
 テオ・ブルンズ(Pf)
 ラインベルト・デ・レーウ(Pf)
 ダニエル・ワイエンベルフ(Pf)
 ジャン・ウィン(Pf)
 デ・ノーベル(指揮)
 1971年11月14日

[CD5]
①ベルリオーズ:ロミオとジュリエットから[44:10]
 カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
 1972年7月5日
②タデウシュ・バイルド:主題のない変奏曲[09:55]
 ハンス・フォンク(指揮)
 1971年2月13日
③ルトスワフスキ:織り込まれた言葉[16:30]
 ピーター・ピアーズ(T)
 ヴィトルド・ルトスワフスキ(指揮)
 1971年12月12日

[CD6]
①ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲[33:25]
 ヘルマン・クレベルス(Vn)
 ティボール・デ・マチュラ(Vc)
 ハンス・フォンク(指揮)
 1971年2月11日
②マーラー:嘆きの歌[37:24]
 ハンネケ・ファン・ボルク(S)
 ノーマ・プロクター(A)
 エルンスト・ヘフリガー(T)
 オランダ放送合唱団
 ベルナルド・ハイティンク(指揮)
 1973年2月14日

[CD7]
①ベートーヴェン:交響曲第4番[30:49]
 ウィレム・ファン・オッテルロー(指揮)
 1972年3月19日
②ブラームス:ヴァイオリン協奏曲op.77[41:13]
 イツァーク・パールマン(Vn)
 ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮)
 1972年3月19日

[CD8]
①J.S.バッハ:結婚カンタータ『今ぞ去れ、悲しみの影よ』[22:26]
 エリー・アーメリング(S)
 オイゲン・ヨッフム(指揮)
 1973年4月5日
②モーツァルト:ホルン協奏曲第4番変ホ長調K.495[17:25]
 バリー・タックウェル(Hrn)
 フェルディナント・ライトナー(指揮)
 1973年1月7日
③シューマン:交響曲第3番『ライン』[35:05]
 フェルディナント・ライトナー(指揮)
 1973年1月7日

[CD9]
①ベルク:ぶどう酒[12:32]
 エリー・アーメリング(S)
 エーリッヒ・ラインスドルフ(指揮)
 1973年12月2日
②マデルナ:ヴァイオリン協奏曲[27:20]
 テオ・オロフ(Vn)
 ディエゴ・マッソン(指揮)
 1975年10月26日
③ブーレーズ:カミングズは詩人である[09:48]
 NCRV声楽アンサンブル
 ジルベール・アミ(指揮)
 1974年1月27日
④ベリオ:Calmo マデルナの追悼のための音楽[05:00]
 ディエゴ・マッソン(指揮)
 1975年10月26日
⑤ヤン・ファン・フリーメン:ピアノと3つの器楽のグループのためのソナタ[16:40]
 テオ・ブルンス(Pf)
 エルネスト・ブール(指揮)
 1974年6月16日

[CD10]
①チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲イ長調[17:32](初出)
 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
 キリル・コンドラシン(指揮)
 1977年3月14日
②ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲ニ調[12:14]
 サー・コリン・デイヴィス(指揮)
 1975年6月11日
③スクリャービン:交響曲第3番ハ長調『神聖な詩』[45:45]
 キリル・コンドラシン(指揮)
 1976年5月4日

[CD11]
①シューマン:ピアノ協奏曲[33:45]
 クラウディオ・アラウ(Pf)
 オイゲン・ヨッフム(指揮)
 1977年4月21日
②ベリオ:シュマンIV[10:20]
 ウェルネル・ヘルベルス(Ob)
 ルチアーノ・ベリオ(指揮)
 1977年1月9日
③エッシャー:シンフォニア[31:35]
 ラインハルト・デ・レーウ(指揮)
 1976年5月2日

[CD12]
①レーガー:セレナーデop.95[38:10]
 オイゲン・ヨッフム(指揮)
 1976年1月22日
②ヒナステラ:ハープ協奏曲[23:37]
 フェラ・バルディングス(Hrp)
 ロペス・コボス(指揮)
 1977年11月3日
③ジョリヴェ:トランペット協奏曲[12:37]
 モーリス・アンドレ(Tp)
 ジャン・フルネ(指揮)
 1976年3月11日

[CD13]
①ストラヴィンスキー:12の楽器のためのコンチェルティーノ[06:15]
 エド・スパンヤールド(指揮)
 1978年1月8日
②ウィレム・フレデリク・ボン:春[07:25]
 ロバータ・アレグザンダー(S)
 ベルナルド・ハイティンク(指揮)
 1979年10月28日
③ブルックナー:交響曲第9番[65:25]
 カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
 1978年1月22日

[CD14]
①モーツァルト:交響曲第35番『ハフナー』[22:34]
 ニコラウス・アーノンクール(指揮)
 1979年3月30日
②カプレ:エピファニ 公現祭[21:23]
 ヤーン・デクロース Vc
 ジャン・フルネ(指揮)
 1978年2月10日
③メンデルスゾーン:交響曲第4番[30:03]
 キリル・コンドラシン(指揮)
 1979年11月18日
 
 1970年から80年にかけてアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のライヴを14枚にして出た選集である。既に7巻あたりまで出ているものの、初期の2巻は既に廃盤で入手不可であるし、この第4巻も販売は中止になっていて新品は市場にはない。何とか中古品をと思って、探すもかなり高価であり、ずっと見送っていた。ここへきて、やっとリーズナブルな価格の中古品を見つけて、入手した。
 
 このBOXはちょうど、ソ連から亡命してきたキリル・コンドラシンの指揮によるものが多く収録されている。ショスタコーヴィチの第4番を始め、メンデスルゾーンの第4番「イタリア」も収録されている。後者はフィリップスからLPで国内発売されたことのある録音である。
 
 放送音源でオランダの放送局のアーカイヴズが大元のようである。実演らしい熱気あふれる演奏もいいし、またオランダの現代作曲家の作品が時折挿入されている。滅多に聴けないものなので、貴重である。またルスワフスキーやベリオなどの自作自演も楽しめる。
 
 ともかく、セッション録音では望めないような共演もあって、ライヴ録音ならでは楽しみが味わえる。

作曲詐称騒ぎ

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 音楽ファンには誠に残念なニュースではある。しかし、何故この時期に露見したのだろうか。オリンピックでフィギュアの選手がSPで使用するということから、忸怩たる思いが募ったのだろうか。その辺の事情は今後がまた出てくるのだろうが、今朝のニュースでは詐称した方は楽譜も書けず、ピアノも弾けないということを言われていた。音楽を学んだ形跡がないとの報道がなされていた。多分、週刊誌からのネタだと思う。まあそんなところをひっくるめて報道されるのであろう。
 
 しかし、そういったことの他、作品としては存在するのである。いいか、どうかは聴く人の好みによるのだと思う。私個人は交響曲第1番「HIROSHIMA」に関してはそんなに酷い音楽ではない。むしろ作品そのものは感動的であったと思う。他の作品は聴いていないので、判断しかねるが、件のスケート選手は採用したヴァイオリン・ソナタを気に入っており、変更しないとのこと。それはそれで良いと思う。そういう騒ぎには直接は関係ないのだ。
 
 だが、これらの作品はCDやDVDの出荷は停止され、音源配信もストップとなった。楽譜も販売中止である。廃棄されて、消去されてしまうのか、そんなことが気になった。

訃報:シャーリー・テンプル

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  ハリウッドの子役スターだったシャリー・テンプルが亡くなった。享年85歳。家族に看取られての自然死だったという。

  この人も長じてからは低迷していたように思うが、それでもジョン・フォード監督作品「アパッチ砦」ではいい役では出ていた。21歳で映画界を引退して、て外交官として活動していたというのは知らなかった。むしろ映画俳優としてよりもこちらのキャリアの方が長い。レーガン大統領夫妻の名代として彼女夫妻も役割を果たしていたようだし、中華人民共和国との国交回復も積極的に主張し、働きかけていた人物でもあったようだ。
 
 
 今は彼女の出演作品をみて、偲ぶしかない。ご冥福を。

佐村河内守氏の謝罪

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 ついに本人の謝罪文が出てきたわけだが、もうこれは音楽云々の問題を離れ、人間としての姿勢の問題になってきたように思う。要するに、嘘に嘘を重ねた人生であったということだ。過去の虚言癖のことが次第に明るみに出てきて、堕ちるところまできたという感じである。後は最悪の場合、刑事事案になることもあるようだ。障害者手帳の件があるからだ。
 
 日本コロムビアは彼の作品とされた作品の録音ソフトの出荷停止と配信停止、それに市中に出回っているCDとDVDの回収を発表したが、回収のほうは難しいという。というのも店舗の中には完売したり、返品を拒否して販売を続けているところもあるという。また、既に買った人も手放さない人も少なくないだろうし、中古品がプレミアムがつくとも言われている。当分は痕跡を全く消せる状況ではないだろう。後はほとぼりが冷めたあと、音楽として延命するかどうかだ。
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