『セルジウ・チェリビダッケ/ベルリン・レコーディングス1945-57』
【曲目】
<CD1> 68'59"
・メンデルスゾーン: 交響曲第4番イ長調op. 9「0イタリア」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1953年11月9日/ベルリン=ツェーレンドルフ、ティールアレー・ゲマインデハウス(セッション・モノラル)
・メンデルスゾーン: 序曲「美しいメルジーネの物語」op. 32
ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年8月27日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K. 21「9トルコ風」
リリア・ダルボーレ(ヴァイオリン) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年3月6日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
<CD2> 76'09"
・ショパン: ピアノ協奏曲第2番ヘ短調op. 21
ラウル・コチャルスキ(ピアノ) ベルリン放送交響楽団
収録: 1948年9月25日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・ベルリオーズ: 序曲「海賊」op. 21
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1947年8月31日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・ビゼー: 交響曲第1番ハ長調
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1953年11月9日/ベルリン=ツェーレンドルフ、ティールアレー・ゲマインデハウス(セッション・モノラル)
・ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」op. 9
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1947年4月19日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<CD3> 72'01"
・ブラームス: 交響曲第4番ホ短調op. 98
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1945年11月21日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・R.シュトラウス: 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」op. 28
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1947年8月31日/ベルリン、放送局スタジオ(ライヴ・モノラル)
・ヴォルフ: 5つの歌曲
夜のあいだに/考えてもみよ、ああ心よ!/祈り/アナクレオンの墓/ヴァイラの歌
マルガレーテ・クローゼ(メゾソプラノ) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年1月20日/ベルリン、放送局スタジオ(ライヴ・モノラル)
<CD4> 74'34"
・チャイコフスキー: 交響曲第2番ハ短調 Op. 1「7小ロシア」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年2月21日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・チャイコフスキー: 幻想序曲「ロメオとジュリエット」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年3月25日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・リムスキー=コルサコフ: 序曲「ロシアの復活祭」op. 36
ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年7月1日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<CD5> 76'14"
・ドヴォルザーク: チェロ協奏曲ロ短調op. 104
ティボール・ド・マチュラ(チェロ) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1945年11月18日/ベルリン(セッション・モノラル)
・グラズノフ: 序曲「謝肉祭」op. 45 ※冒頭欠落
ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年/ベルリン(セッション・モノラル)
・キュイ: 組曲第3番op. 4「3俗謡風に」
ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年/ベルリン(セッション・モノラル)
<CD6> 68'29"
・ドビュッシー: 海~3つの交響的スケッチ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1947年8月31日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・ドビュッシー: 遊戯 1948
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1948年3月20日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・ドビュッシー: 「夜想曲」~祭り
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年11月10日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・サン=サーンス: 「サムソンとダリラ」~第2 幕ダリラのアリア「あなたの声に心は開く」
マルガレーテ・クローゼ(メゾソプラノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年1月20日/ベルリン、放送局スタジオ(ライヴ・モノラル)
・グリエール: コロラトゥーラ・ソプラノと管弦楽のための協奏曲op. 82
エルナ・ベルガー(ソプラノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年7月7日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<CD7> 75'32"
・ショスタコーヴィチ: 交響曲第9番変ホ長調op. 70
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1947年8月31日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・ストラヴィンスキー: バレエ「カルタ遊び」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年3月6日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・ルディ・シュテファン(1887-1915): 管弦楽のための音楽
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1949年5月9日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・ブゾーニ: 悲しい子守歌op. 42
ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年7月24日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<CD8> 65'14"
・プロコフィエフ: 交響曲第1番ニ長調op. 2「5古典」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年7月6日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・プロコフィエフ: バレエ「ロメオとジュリエット」組曲第2番op. 64b
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年9月1日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・ルーセル: 小組曲op. 39
ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年7月24日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<CD9> 68'38"
・ミヨー: フランス組曲op. 248
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1951年3月31日/ベルリン=ツェーレンドルフ、ティールアレー・ゲマインデハウス(セッション・モノラル)
・ミヨー: 交響的組曲第2番op. 57~第1、第4、第5曲
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1949年9月10日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・ギュンター・ラファエル(1903-60): 交響曲第4番ハ長調op. 62
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年12月8日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・カルロス・チャベス: 交響曲第1番「アンティゴナ」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年12月6日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
<CD10> 74'49"
・バーバー: カプリコーン・コンチェルトop. 21
ハンス=ペーター・シュミッツ(フルート)
ヘルムート・シュレフォクト(オーボエ)
カール・ルフト(トランペット)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年4月6日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・コープランド: バレエ「アパラチアの春」組曲
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年4月6日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・ピストン: 交響曲第2番
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年4月6日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・マクダウェル: ロマンスop. 35
ハンス・ボッタームント(チェロ) ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年9月26日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<CD11> 75'35"
・ブリテン: シンフォニア・ダ・レクィエムop. 20
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1945年11月10日/ベルリン、放送局スタジオ(ライヴ・モノラル)
・パーセル: 「アーサー王」組曲 1945
ベルリン放送交響楽団
収録: 1945年8月16日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
・ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲ニ長調RV210
ヘルムート・ヘラー(ヴァイオリン) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1953年11月9日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・デイヴィッド・ダイアモンド: 弦楽オーケストラのためのラウンズ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年4月6日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・ティーセン: ある革命劇への前奏曲op. 33
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年12月8日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<CD12> 70'36"
・ハイドン: 交響曲第94番ト長調Hob. I-9「4驚愕」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年9月28日/ベルリン、放送局スタジオ(ライヴ・モノラル)
・ハイドン: 交響曲第104番ニ長調Hob. I-10「4ロンドン」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1950年2月20日/ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会(セッション・モノラル)
・ベートーヴェン: 「レオノーレ」序曲第3番op. 72a
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録: 1946年11月10日/ベルリン、放送局スタジオ(セッション・モノラル)
<ボーナス・ディスク> 28'46"
・ベートーヴェン: 交響曲第7番イ長調op.92~第1楽章/第2楽章/第3楽章(フラグメント)
ベルリン・ドイツ交響楽団
録音: 1957年10月7日ベルリン、ティタニア=パラスト(ライヴ・モノラル)
【演奏】
セルジウ・チェリビダッケ(指揮)
かつてないボリュームとクオリティ!すべてにRBB(ベルリン=ブランデルブルク放送)収録のオリジナル・マスターを使用「ベルリン時代1945-1957のチェリビダッケ」
この種のBOXは他にフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュのものがあるし、セルジュウ・チェリビダッケは第2弾になる。
通販にある曲目と録音データをそのまま転載させてもらったが、驚くことにドイツが戦争に敗れて無条件降伏した直後のものが散見されることだ。瓦礫の中での演奏だが、これらは所謂コンサートのライヴではなく、ラジオ放送用のセッション録音。一種使命のようなものを関係者はもって臨んだのであろうか。心の再建というものかもしれない。
さて、演奏はベルリン・フィルとベルリン・ドイツ交響楽団(当時はRIAS交響楽団)が担当している。戦争裁判の影響でフルトヴェングラーは出演が不可能だったし、後任の常任指揮者がアメリカ兵によって射殺されるといった悲劇もあり、主にチェリビダッケが活躍していたことは知られている。ベルリンの2つのオーケストラをそれこそ獅子奮迅の体で指揮しているのが、このBOXで一端を触れられる。
1954年にフルトヴェングラーが亡くなり、BPOの音楽監督の後継と思われていたのに、結果は彼を指名しなかった。練習での態度が厳しすぎたのか、BPOは彼を嫌った形になった。
演奏は全体的に遅いテンポで展開されていて、最初にあるメンデルスゾーンの第4番「イタリア」などはもっと躍動感があったらと思うようなところもある。それでも珍しい演目も聴くことができる貴重な録音であると考える。