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Channel: 趣味の部屋
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宿無し犬(田中徳三・大映京都1964年)

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宿無し犬
 田宮二郎の「犬」シリーズの第1作にあたる。1967年の「勝負犬」まで全部で9本製作された人気シリーズであった。次の「喧嘩犬」の2本がモノクロ作品であとは全てカラー作品。本作と第4作「暴れ犬」が京都撮影所作品で後は全て東京撮影所。京都の方はどちらも時代劇のベテラン監督が担当している一方で、東京の方は中堅・若手の監督が担当しているのも面白い。また、二つの撮影所の違いは脇役陣も出てきて、京都の方は普段鬘を付けて出てくる顔が現代劇をやっている感じもある。そういう細かい違いはあるものの、田宮が扮するのは鴨井大介という拳銃好きのチンピラであること、これに天知茂扮する大坂府警の木村刑事が時折絡むという基本が決まっている点だ。天知は全作品に出ているわけではないが、存在感はある。後は坂本スミ子がレギュラーのように出ているが、こちらは役柄が少しずつ違えてある。

 さて、こうしたプログラム・ピクチュアは若い頃は無視していたが、観てみると当時の勢いのいい社会情勢も相まって、意外とスピーディな筋運びで面白いのである。細かいことを言えば、難点もあるが、そんなことを気にしなければ、楽しめる。9作も製作されたのは、人気があった証拠でもある。京都出身の田宮の巧みな関西弁も生かされていて、喋りの方も面白い。

ボーイト:歌劇『メフィストーフェレ』全曲(アレーナ&サンフランシスコ歌劇場)

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『メフィストーフェレ』全曲 カーセン演出、アレーナ&サンフランシスコ歌劇場、レイミー、オニール、他(1989 ステレオ)
 メフィストーフェレ/サミュエル・レイミー(バス)
 ファウスト/デニス・オニール(テノール)
 マルゲリータ、エレナ/ガブリエラ・ベニャチコヴァー(ソプラノ)
 マルタ/ユディト・クリスティン(メゾ・ソプラノ)
  パントリス/エミリー・マンハント(メゾ・ソプラノ)
 ヴァグネル/ダニエル・ハーパー(テノール)
 ネレオ/ダグラス・ウンシュ(テノール)
 マウリツィオ・アレーナ(指揮)サンフランシスコ歌劇場管弦楽団&合唱団・バレエ団
 演出:ロバート・カーセン 装置:マイケル・レヴァイン 衣裳:ジェニファー・グリーン 
 振付:アルフォンス・プラン
 
 収録時期:1989年
 収録場所:サンフランシスコ歌劇場(ライヴ)

 カナダの演出家ロバート・カーセンによる1989年の舞台。既に同じ劇場の2013年の再演の映像が出ているが、これは古い方の舞台。四半世紀以上も前の録画だから、映像が少しぼけたような感じがして、古いがサミュエル・レイミーの歌唱は鑑賞するだけの価値があると思う。その堂々、かつ憎々しいメフィストフェレスぶりは、圧巻だ。ファウストやマルゲリータはやや太めでそれらしくないのは残念だが、それを補って余りあると思う。

 ボイートは自身でこのオペラを振って初演したものの、不評で改訂を何度も施し、今の形にしたので、受け入れられるようになった。トスカニーニなども熱心取り上げ、その一部を録音もしている。ただ、今一つ音楽が盛り上がらないのは、彼の作曲家としての限界かもしれない。その後は台本作家としてヴェルディの協力者になるのだが、作曲よりは台本執筆に興味があったのかもしれない。
 

ウォルトン/ロンドン・コンサート(生誕80周年記念)

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ウォルトン:
1. 戴冠式行進曲『宝玉と王杖』
2. ヴァイオリン協奏曲ロ短調            鄭京和(Vn)
3. オラトリオ『ベルシャザールの饗宴』      
トーマス・アレン(バリトン)
アンドレ・プレヴィン指揮 フィルハーモニア管弦楽団・合唱団
収録時期:1982年
収録場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ)

 これは、ウォルトンの死のちょうど1年前にロンドンで開催された、彼の生誕80周年記念の演奏会の様子を収録したものである。この人の誕生日は3月29日だから、その日あたりの演奏会ではなかったろうか。ファンの間ではこの映像の存在は知られていて、リリースを望む声もあったようである。指揮はイギリス音楽には造形の深いプレヴィンが担当、期待感は大きかったが、それを裏切らない名演であったことが確認できた。

 最初のマーチはエリザベス女王が即位する時のためのもの。このソフトでは当時の映像が挿入されるという心憎い演出がなされている。自分としては1937年のジョージ6世のための戴冠式行進曲「王冠」の方が好みではある。2曲目は韓国のチョン・キョンファのソロである。当時は破竹の勢いで世界で活躍していた頃の姿が見られる。終わった後にウォルトン自身が映るが、あまりその演奏を好まないふうに見えたのは気のせいか。その代わりメインの「ベルシャザールの饗宴」が終わると涙を流しながら拍手していた。その落差が興味深い。そのメインは実際に演奏されるところを目にするのが、これを入手した大きな要因だった。この手の作品は別にブラスバンドがあったりするが、これもその一例だった。ただ、意外だったのはアルト・サクソフォーンを使用しているのだ。やはりこうしたものは目で確かめるのもいいものである。

 ウォルトンは1948年にはナポリ湾のイスキア島に移住しているから、わざわざ出向いたのだろうか。かなり歩行はおぼつかない状態のように見えた。最後の感涙は、もうこれが公式に出てくる数少ない機会であることを知っていたからかもしれない。


チレア:歌劇『アルルの女』

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 ローザ・ママイ/アンヌンツィアータ・ヴェストリ(メゾ・ソプラノ)
 フェデリコ/ドミトリー・ゴロフニン(テノール)
 ヴィヴェッタ/マリアンジェラ・シチリア(ソプラノ)
 バルダッサーレ/ステファノ・アントヌッチ(バリトン)
 メティフィオ/ヴァレリュー・カラジャ(バリトン)
 マルコ/クリスチャン・サイッタ(バス)
 フェデリコの弟/リッカルド・アンゲロ・ストラーノ(カウンターテナー)
 ベッリーニ・マルキジアーノ・オペラ合唱団
 カルロ・モルガンティ(合唱指揮)
 オルケストラ・フィラルモニカ・マルキジアーナ
 フランチェスコ・シルフォ(指揮)

 演出:ロゼッタ・クッキ
 装置:サラ・バコーン
 衣装:クラウディア・ペルニゴッティ
 照明:マーティン・マックラクラン
 ヴィデオ・ディレクター:ティツィアーノ・マンキーニ

 収録時期:2013年9月
 収録場所:イタリア、イェージ、ペルゴレージ劇場(ライヴ)

 以前からドーデーの戯曲「アルルの女」にはビゼーが付随音楽を付けたものの他にチレアがオペラにしたということは知っていた。しかし、それはあくまで文献的な知識で音として聴くことはなかった。実際にオペラが劇場にかかることは稀有なことで、これは珍しい映像ということとなる。しかも、イタリアの盤ながら日本語字幕があるのは更にありがたかった。

 話の筋は大きな変更はない。イタリア語歌唱とややベリズモ的な雰囲気がある演目だ。チレア自身はドイツのワーグナーの影響も受けているようだから、ライトモティーフ的な手法もある。人物の配置が「カルメン」にやや似ているのも面白い。ただし、話題の中心のアルルの女は登場しない。ただし、この演出ではフェデリコの夢にパントマイムで出てはきているが、芝居には絡まない。恥知らずの両親を持った売春婦ということは他の人物によって語られる。それが実にミステリアスではあるが、芝居としては少々退屈ではある。この地主の息子はなんて浅はかだろうという印象しかなく、共感できない。オーケストラはビゼーの作品よりも大編成で重厚である。

『ルサルカ』全曲 シェンク演出、ネゼ=セガン&メトロポリタン歌劇場

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『ルサルカ』全曲 シェンク演出、ネゼ=セガン&メトロポリタン歌劇場、フレミング、ベチャワ、他(2014 ステレオ)
● ドヴォルザーク:歌劇『ルサルカ』全曲
ルネ・フレミング(S:ルサルカ)
ドローラ・ザジック(MS:魔法使いの婆さん)
ピョートル・ベチャワ(T:王子)
ジョン・レリエ(B:水の精)
エミリー・マギー(S:外国の公女)
ウラディミール・チメロ(T:森番)
ジュリー・ボウリアンヌ(MS:皿洗いの少年)
ディゼラ・ラルスドッティア(S:森の精1)
ルネ・タットゥム(S:森の精2)
マヤ・ラーヤニ(A:森の精3)
アレクセイ・ラヴロフ(Br:狩人)
ヤニック・ネゼ=セガン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団
演出:オットー・シェンク 装置:ギュンター・シュナイダー=-゙ムッセン 衣裳:シルヴィア・スタラーマー 照明:ギル・ウェゥスラー 
振付:カルメン・デ・ラヴァッラーテ

収録時期:2014年2月8日
収録場所:ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場(ライヴ)

 このドヴォルザークのオペラはCDを含めて3つ目のソフトを入手したことになった。そのいずれもがタイトル・ロールをルネ・フレミングが歌っている。CDはチェコ・フィルだったし、次のDVDはパリ国立歌劇場のアンサンブル。そして次がこれだ。

 パリの演出はかなり現代化されていて、水の精はギャングのボスみたいな感じで雰囲気が今一つだった。しかし、さすがMETだ。かなりオリジナルな雰囲気を残した演出と装置になっていて、この話の雰囲気はよく出ていた。これは言ってみれば、幻想劇であり、妙な読み替えは却っておかしなことになるのだが、自分の色を出そうとするヨーロッパの演出家はそんなことは頓着ない。いや、ヨーロッパの客はそれを容認している節もある。この演目ではないが、時代設定が違うと主張したら、ドイツの初老のご婦人の方はこれも解釈の一つでいいのでは、との反応。まあ、本場の人は旧式のものは見あきているから、そういう意見にもなるのだろう。

リムスキー=コルサコフ:歌劇『皇帝の花嫁』全曲

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『皇帝の花嫁』全曲 チェルニャコフ演出、バレンボイム&ベルリン国立歌劇場、コチェルガ、ペレチャトコ、他(2013 ステレオ)
  ソバーキン:アナトリー・コチェルガ(バス)
 マルファ:オリガ・ペレチャトコ(ソプラノ)
 グリャズノイ:ヨハネス・マルティン・クレンツレ(バリトン)
 マリュータ=スクラトフ:トビアス・シャベル(バス)
 ルィコフ:パヴェル・チェルノフ(テノール)
 リュバーシャ:アニータ・ラフヴェリシヴィリ(メゾ・ソプラノ)
 サムーロワ:アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ)
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 ダニエル・バレンボイム(指揮)

 演出・舞台美術:ドミートリー・チェルニャコフ
 衣装:エレーナ・ザイツェワ

 収録時期:2013年10月
 収録場所:ベルリン、シラー劇場(ライヴ)
 
  珍しいオペラだから目を惹いた。ただし、音楽はオリジナルだが演出は現代化の読み替えものである。最初はロシアの民族衣装を着た人たちが出てくるが、これはテレビ局の合成映像撮りのためのものということがわかる。本来は中世ロシアの宮廷が舞台だが、近未来のテレビ局に変わっている。また、このテレビ局は市民の思想統制の役割をしているようで、ジョージョ・オーウェルの「1984」を彷彿とさせるような感じだ。だが、本来は男女の愛憎劇であって、時代設定や舞台が変わってもたいした変わりはないと言えばそれまでだ。
 
 ここではバレンボイムが指揮するベルリン国立oの雄弁さは流石だ。ただし、肝心の主役たちの歌唱は声が震えて音程がしごく不安定。少々スタイルが古いのか。ただ、アン・トモワ=シントウが健在な姿を見せているのは、救いだった。岡田茉莉子みたいな雰囲気になっていた。やや歩行に不安があるようではあった。今や前奏曲や間奏曲はオーケストラの演奏だけを聴くのではなく、その間に映像やパントマイムで状況を説明する演出が多くなったような気がする。バイロイトに倣ったのだろうか。
 
 ベルリンのシュターツオーパーは今もベルリンの西にあるシラー劇場で公演を続けている。聞くところによると彼らの本拠地の改修作業は暗礁に乗り上げていて遅々として進まないという。ベルリンの市当局のお役所仕事が災いして、劇場改修だけでなく、空港整備も進んでないという。ベルリンに行くのに、国際線でミュンヘンやフランクフルトに下りて、国内線に乗り継ぐか、列車で行くしか方法がない。ドイツの首都だが、もっとも行くのに不便な首都ではなかろうか。

『火の鳥』組曲、『プルチネッラ』組曲 バーンスタイン&イスラエル・フィル

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ストラヴィンスキー:
● 組曲『火の鳥』(1919年版)
● 組曲『プルチネッラ』(1949年改訂版)

レナード・バーンスタイン指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1984年5月
録音場所:テルアビブ、フレデリック・R・マン・オーディトリアム
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
 
 バーンスタインがDGに移籍した後の晩年の録音。ドイツの古典以外のものになると、IPOとの共演のものが多かった記憶がある。ストラヴィンスキーの作品はこのオケで録音していたと記憶する。いずれも米コロムビアとはNYPを振って入れていたものだが、もっとはじける演奏を展開するかと思いきや、この作品にしてはおとなしい印象がある。「プルツネッラ」はむしろアバドの方が割と生きのいい演奏をしてくれる。「火の鳥」にしても1919年版独特の「カッチェイ王の踊り」でのトロンボーンのグリッサンドは抑えられた感じに聴こえる。これは解釈よりも録音の仕方もあるのかもしれない。これもアバド/LSOの方が刺激的に聴こえる。
 
 もうこの時期は飛んだり跳ねたりして指揮をすることもなく、ずいぶん老成した感じがこういう演奏になったのかもしれない。

レナード・バーンスタインの芸術/モーツァルト:ミサ曲他

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モーツァルト:
1. アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
2. 
モテット「踊れ喜べ、汝幸いなる魂よ」 K.165(158a)
3. ミサ曲ハ短調 K.427 (417a)

レナード・バーンスタイン指揮 バイエルン放送交響楽団・合唱団
アーリーン・オジェー(ソプラノ:2,3)、 フレデリカ・フォン・シュターデ(メゾ・ソプラノ:3)
フランク・ロパード(テノール:3)、 コルネリウス・ハウプトマン(バス:3)

録音時期:1990年4月
録音場所:ヴァルトザッセン、修道院付属教会
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
 録音の年月を見るとこれは最晩年の録音の一つ。彼の死の直前の演奏ということになろうか。この人はユダヤ教徒だったろうが、こうしたモーツァルトの宗教音楽にも真摯に向き合える心境になったのかもしれない。2曲目のモテットだが、最近は原題のカタカナ表示でなんのことがわからなかった。そこで、かつての日本語表示にあえてなおして、掲げておいた。逆にアベ・ヴェルム・コルプスはウィーン少年合唱団あたりが録音していた記憶しているが、児童合唱ではなく混声合唱ではどうかと思ったが、これはこれで敬虔な雰囲気は感じられた。最後のミサ曲はやはりどこか馴染めない。信仰心がないから余計に他ごとになってしまう。ここでバーンスタインはレクイエム同様にバイヤー版を使用しているというが、自分にはその相違がわからない。

道化師』全曲 セラフィン&スカラ座、ディ・ステーファノ、カラス、ゴッビ

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 レオンカヴァッロ:歌劇『道化師』全曲

 カニオ:ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(テノール)
 ネッダ:マリア・カラス(ソプラノ)
 トニオ:ティト・ゴッビ(バリトン)
 ペッペ:ニコラ・モンティ(テノール)
 シルヴィオ:ローランド・パネライ(バリトン)、他
 ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
 トゥリオ・セラフィン(指揮)

 録音時期:1954年6月12-17日
 録音方式:モノラル(セッション)
 これで一連のカラスのオペラも自分的には終了である。これも先の「ガヴァレリア・ルスティカーナ」同様に廉価の輸入盤にした。高い国内のSACDにしなくても良いと判断。薄いデジパックなので収納も場所を取らず、ありがたかった。対訳も詳細な解説もない。ただ、カラスと作品との関係がさらっと英文、仏文、独文で掲載してあるだけ。トラックもCDのパックに印刷とかなりコストを圧縮したアルバムではあった。
 
 その簡潔な解説によるとカラスは実際の舞台ではネッダをやることはなかったそうである。そんなことはファンならとっくにご存知だろうが、よくそういうものを録音する気になったのだなと思うが、セラフィンの影響が強いのかもしれない。気性的には合っているような気もするのだが。
 
 さて、他の共演者だが、肝心のカニオはディ・ステファノには合ってないような気がした。凄味が感じられなかった。一つにはデル・モナコのあくの強い演技と歌唱に接したからかもしれないが、やはり気迫は感じられない。ゴッピのトニオも何故か平凡に聴こえる。まだアルド・ブロッティの方が下積みの悲哀みたいなものが感じられた。冒頭の口上はいつ聴いても、胸につきささる。役者とて所詮はこの世のわびしい空気を吸っている人間に過ぎない、だからどうか普通の人間として扱ってくれというのは、今の世にも通じるものを感じる。

赤ひげ(黒澤プロ・東宝1965年)

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★にわか香港映画ファンの映画ノート★-ちょうぼ〜
 黒澤明監督が旧来の制作陣と組んだ最後の作品ともいえる作品。それまでの集大成でもある。概ね山本周五郎の原作に準拠しているが、少女おてる(二木てるみ)のエピソードはドストエフスキーの「虐げられた人びと」を翻案したものと言われている。髷をつけているが、チャンバラはなく、人情の機微を描き上げた独特の世界になっている。 山本周五郎の小説は殆どそうした人の心理を描いたものが多い。設定がいつの時代になってもだし、身分の高下を問わない。ドストエフスキーによるエピソードも同じような感じだから、違和感はない。

 今回、新・午前十時の映画祭に組み込まれて、久々にスクリーン鑑賞ができた。デジタル方式の上映は今回初めて体験するが、時折何故かコマ飛びがあったのは意外だった。使用したソフトが原因か、原版に起因するのかはわからない。そして、観客が一桁台という状況は更に驚く。かつては東宝がなかなか上映しなかった作品で、久々のリバイバルでは劇場が満員になる盛況だったのを知る者には寂しい感じがした。

波止場やくざ(重宗務・東京発声1937年)

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モーツァルト:レクイエム(バイヤー版)~バーンスタイン

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マリー・マクローリン(ソプラノⅠ)、マリア・ユーイング(ソプラノⅡ)
ジェリー・ハドレー(テノール)、コルネリウス・ハウプトマン(バス)
レナード・バーンスタイン指揮 バイエルン放送交響楽団・合唱団
1988年7月 修道院小教区教会、ディーセン(アンマーゼー)(ライヴ)

 バーンスタインが録音した唯一のモーツァルトのレクイエムだそうである。しかも、ジェスマイヤー版ではなく、校正をしっかりやったバイヤー版の使用だ。だからというのではないが、今まで聴いた中で何かすっきりしたものがある。楽器の分離もよく聴きやすい。

 妻のフェリシア・モンテアレグレの没後10年に捧げられたという。結婚前彼女はカソリック教徒だったというから、本来の宗派に準拠して、彼女を弔う気持ちもあったのかもしれない。テンポはかなりスローで、ワルターなどの演奏よりはかなり遅い。その代わりしっかり歌わせているので、スケール感はある。いろいろと気付きをもたらしてくれる演奏であると思う。

歌曲集~レーガー、ヴェーベルン編曲による管弦楽伴奏版

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歌曲集〜レーガー、ヴェーベルン編曲による管弦楽伴奏版 エルスナー、ヤノフスキ&ベルリン放送響

シューベルト:歌曲集~レーガー、ヴェーベルン編曲による管弦楽伴奏版
エルスナー、ヤノフスキ&ベルリン放送交響楽団


SACDハイブリッド盤。実力派テノール歌手、クリスティアン・エルスナーがシューベルトの歌曲を録音。なんと、レーガー、ヴェーベルン編曲によるオーケストラ伴奏で、演奏はマレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団です。ヤノフスキはエルスナーへ絶大なる信頼を置き、ワーグナーの『パルジファル』(PTC5186401)をはじめ、頻繁に共演しております。
 ブラームス、ブリテン、ベルリオーズ、レーガー、ヴェーベルンといった名だたる作曲家がシューベルトの歌曲をオーケストラ編曲してきましたが、これら編曲版の演奏・録音は非常に少なく、当録音は大変貴重なものといえます。今回、レーガー編曲を13曲、ヴェーベルン編曲を4曲、計17曲を収録しました。レーガー版は後期ロマン主義の重厚な作風があらわれ、まるでオルガンの様に壮大です。一方、ヴェーベルンはウィーン大学在籍時の作品で、透き通るような響きを追求しております。両作曲家の個性のあらわれたアレンジと言え、シューベルトの歌曲の新たな魅力に出会えます。
 クリスティアン・エルスナーはドイツ・リートを得意とし、シューベルトをはじめこれまで多くの録音を残してきました。近年ではサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミー団員とともにハンス・ツェンダー編曲による『冬の旅』室内アンサンブル版を演奏し話題となりました。エルスナーの抜群の歌唱とヤノフスキの見事なオーケストレーションをペンタトーン・レーベルの高音質録音でお楽しみください。(キングインターナショナル)


【収録情報】
シューベルト:歌曲集(管弦楽伴奏版)


● 音楽に寄せて D.547(レーガー編曲)
● 魔王 D.328(レーガー編曲)
● 君はわが憩い D.776(ヴェーベルン編曲)
● 老いの歌 D.778(レーガー編曲)
● 月に寄せて D.296(レーガー編曲)
● プロメテウス D.674(レーガー編曲)
● 夜と夢 D.827(レーガー編曲)
● 竪琴弾きの歌1 D.478『孤独にひたりこんでいるものは』(レーガー編曲)
● 竪琴弾きの歌2 D.480『涙を流しながらパンを食べたことのないひとたち」(レーガー編曲)
● 竪琴弾きの歌3 D.479『わたしは家の裏戸口にそっと忍び寄っては」(レーガー編曲)
● タルタロスの群れ D.583(レーガー編曲)
● 『美しき水車小屋の娘』 D.795~第10曲『涙の雨』(ヴェーベルン編曲)
● 『冬の旅』 D.911~第20曲『道しるべ』(ヴェーベルン編曲)
● メムノン D.541(レーガー編曲)
● 『白鳥の歌』 D.957~第9曲『君の肖像』(ヴェーベルン編曲)
● 万霊節の連祷 D.343(レーガー編曲)
● 夕映えの中で D.799(レーガー編曲)

 クリスティアン・エルスナー(テノール)
 ベルリン放送交響楽団
 マレク・ヤノフスキ(指揮)

 録音時期:2014年9月
 録音場所:ベルリン、RBBハウス・デス・ルンドフンクス
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 上は通販サイトにあった販売者のコメントと収録内容をそのまま転載したものだ。
 
 シューベルトの歌曲はオリジナルのピアノ伴奏で聴く人が大半ではないかと思う。それを管弦楽伴奏で演奏したり聴いたりするのは邪道という人もいるかもしれない。しかし、ルネ・コロだったか、オーケストラ伴奏でワーグナーのオペラのアリアを歌ったリサイタルで、アンコールとしていくつかシューベルトの歌曲を管弦楽の伴奏で歌っていたのを見て、そういうものがあるのかと興味を持って、調べてみた。当初は即席にアレンジしたものかとも思ったものだ。ところが、検索してみると名だたる作曲家がアレンジャーとして存在していることがわかった。もちろん、録音の数は少ない。それでもヘルマン・プライのように網羅的に録音してくれた人もいてありがたかった。同じ作品でアレンジャーが複数いるものもあって、編曲者の傾向が出てきて、雰囲気も全く違う面白さがあったものだ。
 
 そうしたアルバムの延長として、これがあると思う。ここではレーガーとウェーベルンに限定しているのがポイントかもしれない。有名な「魔王」もリストとベルリオーズの版があるが、ここではレーガーのものが収録されている。リストやベルリオーズはそうぞれの世界を構築しているが、レーガーは極力シューベルトの世界を尊重しているようでおとなしい感じがした。
 
 バックはヤノフスキが指揮するベルリン放送so。旧東側のオケである。ヤノフスキとはワーグナーのオペラやヘンツェの交響曲を録音している団体。壁がある時代とは体質も相当変化しているのではないかと思う。音色もハインツ・レーグナーなんかの時代よりは柔軟性があるように感じる。当時の機能とはずいぶんと変容したように思うのだがどうだろうか。

オーマンディ~マーチの祭典

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【曲目】
CD1
1.スーザ:星条旗よ永遠なれ 世界初CD化
[1963年2月23日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
2.マイヤベーア:歌劇「予言者」より 戴冠式行進曲
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
3.ベートーヴェン:劇音楽「アテネの廃墟」作品113より トルコ行進曲
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
4.グノー:操り人形の葬送行進曲
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
5.M.グールド:アメリカン・サリュート
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
6.ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より 凱旋行進曲
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
7.ビゼー:「カルメン」組曲第1番より 前奏曲(闘牛士の行進)
[1958年1月26日、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル]
8.ハーバート:おもちゃの行進曲
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
9.シューベルト:軍隊行進曲第1番D.733の1
[1963年2月23日&24日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
10.プロコフィエフ:「3つのオレンジへの恋」作品33より 行進曲
[1963年2月24日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
11.J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
12.クニッペル:ポーリュシュカ・ポーレ(愛しき草原)(メドウランド、交響曲 第4番「コムソモール戦士の詩」より第1楽章第2主題)
[1963年5月21日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
13.エルガー:行進曲「威風堂々」第1番ニ長調作品39の1
[1963年2月3日、フィラデルフィア、タウン・ホール]

CD2
14.歌劇「ムラダ」組曲より 貴族たちの行進
[1966年12月15日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
15.ヨハン・ハルヴォルセン:ロシア貴族たちの入場
[1966年12月7日、フィラデルフィア]
16.クラーク:トランペット・ヴォランタリー
[1966年12月28日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
17.シャブリエ:楽しい行進曲
[1966年12月28日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
18.ワーグナー:歌劇「タンホイザー」より 行進曲
[1964年12月7日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
19.サン=サーンス:「アルジェリア組曲」作品60より フランス軍隊行進曲
[1966年12月28日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
20.メンデルスゾーン:歌劇「アターリエ」作品74より 僧侶たちの戦争行進曲
[1966年12月7日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
21.リムスキー=コルサコフ:歌劇「皇帝サルタンの物語」組曲作品57より 皇帝の別れと戦場への出発
[1966年12月15日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
22.メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」より 行進曲
[1963年11月24日、フィラデルフィア、タウン・ホール]
23.イッポリトフ=イヴァーノフ:組曲「コーカサスの風景」作品10より 酋長の行進
[1966年12月7日、フィラデルフィア、タウン・ホール]

【演奏】
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ

【録音】
各曲目下に掲示
ADD/STEREO

ジャケット:「行進曲の祭典」アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:トーマス・フロスト、横田健司、間 洋一
 
 タワー独自企画の一つで、オーマンディのCBS時代の録音シリーズの一つ。オリジナルの組み合わせでCDに出るのは初めてだという。1963年と1968年に出たLPアルバムを組み合わせしたもの。中には他の交響曲のフィルアップに使われたり、他の企画に組み込まれたものがあって、重複した作品もあるが、それには目をつぶった。
 
 この中には17cmLPで聴いたものもあるし、学校の音楽鑑賞曲として聴いたものもあって、クラシックを聴きだした頃が思い出されて懐かしい気分になる。こうしたアルバムは他の指揮者も出してはいるが、オーマンディほどぴったりくる指揮者はいない。その反面、小品の大家などと揶揄されてしまい、本当の真価を見誤る結果にもなっているようだ。この中で一番のお気に入りはマヤベーヤの「戴冠式行進曲」。これは彼らの演奏が刷り込みになっている。

オーマンディのミサ・ソレニムス他

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【曲目】
CD1
ベートーヴェン
1.ミサ・ソレムニス ニ長調作品123 日本初発売
(1)第1曲:キリエ
(2)第2曲:グローリア
(3)第3曲:クレド
(4)第4曲:サンクトゥス
(5)第5曲:アニュス・デイ

CD2
ベートーヴェン
2.オラトリオ「オリーヴ山上のキリスト」作品85 日本初CD化
(1)第1曲:序奏|レツィタティーフとアリア(イエス):エホバよ、汝、わが父よ~私の魂は
(2)第2曲:レツィタティーフとアリア(ゼーラフ):震えよ、大地!~救世主の善意を讃えよ|天使の合唱:おお、万歳、お前たち救われた者たちよ!
(3)第3曲:レツィタティーフと二重唱(イエス、ゼーラフ):お前の口から私に告げてくれ~されば、わが父よ
(4)第4曲:レツィタティーフ(イエス):来たれ、死よ|兵士の合唱:我らは見た、彼が山に向かうのを
(5)第5曲:レツィタティーフ(イエス):私を捕えんために出発した者たちは|兵士と使徒の合唱:ここに追放された男がいる~あの騒ぎは何を意味するものか?
(6)第6曲:レツィタティーフ(ペテロ、イエス):厚かましい手で、汝栄光あるもの|三重唱と兵士の合唱(ペテロ、イエス、ゼーラフ):私の血管の中には~立て!裏切り者を捕えろ
(7)天使の合唱:彼は崇高なる者

ブルックナー
3.テ・デウム 世界初CD化
(1)第1曲:天主にまします御身をわれらたたえ
(2)第2曲:願わくは、尊き御血をもて
(3)第3曲:われらをして諸聖人とともに
(4)第4曲:主よ、御身の民を救い
(5)第5曲:主よ、われ御身に依り頼みたり

【演奏】
1.ミサ・ソレムニス
マルティナ・アーロヨ(ソプラノ)
モーリン・フォレスター(コントラルト)
リチャード・ルイス(テノール)
チェーザレ・シエピ(バス・バリトン)
シンギング・シティ合唱団
(合唱指揮:エレイン・ブラウン)

2.オラトリオ「オリーヴ山上のキリスト」作品85
ジュディス・ラスキン(ソプラノ/天使)
リチャード・ルイス(テノール/イエス)
ハーバート・ビーティ(バス/ペトロ)
テンプル大学合唱団
(合唱指揮:ロバート・E・ペイジ)

3.テ・デウム
マリア・シュターダー(ソプラノ)
ヘレン・ヴァンニ(メッゾ・ソプラノ)
スタンリー・コーク(テノール)
ドナルド・グラム(バス)
テンプル大学合唱団
(合唱指揮:ロバート・E・ペイジ)

フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ

【録音】
1967年3月29日&30日(1)、1963年4月17日(2)、1963年4月13日(3)、フィラデルフィア、タウン・ホール
3=世界初CD化/1=日本初発売/2=日本初CD化
ADD/STEREO

ジャケット:「ミサ・ソレムニス」アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:横田健司、間 洋一
 
 オーマンディはオペラを殆ど録音していなが、声楽曲は結構録音に残している。このアルバムはその代表例。他にオルフの「カルミナ・ブラーナ」なんかも録音しているので、こうした方面には熱心だったようである。そして、CD化も含めて、日本での販売状況をみると、そうした面を我々日本人はあまり知らないことを示しているようでもある。ベートーヴェンのこうした声楽の大曲やブルックナーのテ・デウムも録音していたとは、自分でも「意外」に思うのである。やや明るめの演奏で、好まれない向きはあるかもしれない。ベートーヴェンの荘厳ミサなんかは売れないということでLPは日本発売はしなかったのは、先入観もあったろうと思うのである。

オーマンディの狂詩曲集

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【曲目】
リスト
1.ハンガリー狂詩曲第2番ハ短調
2.ハンガリー狂詩曲第1番ヘ短調
エネスコ
3.ルーマニア狂詩曲第1番イ長調作品11の1
4.ルーマニア狂詩曲第2番ニ長調作品11の2
アルヴェーン
5.スウェーデン狂詩曲第1番「真夏の徹夜祭」
シャブリエ
6.狂詩曲「スペイン」

【演奏】
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ

【録音】
1958年2月1日&2日(1,2)、1957年10月10日(3,4)、1959年12月21日(5)、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル、1963年2月24日、フィラデルフィア、タウン・ホール(6)
ADD/STEREO

ジャケット:「狂詩曲集」アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:横田健司、市原雄亮
 
 狂詩曲と名付けられた作品ばかりを集めたもの。1~4がオリジナルLPの収録だったそうである。後の2曲を付けたCDアルバムとしたもの。彼らは何度も演奏し録音していると思ったら、これが唯一というのもあって、驚く。確かに4とか5はそんなに録音も多くない。解説にはSPからモノラルLPの時期、CBSのステレオ時代、RCA時代の3つの時期にそれぞれ1回録音するパターンが多いのだという。だが例外はある。初期だけで終わるものや晩年しか取り上げないというのも。上の2つの曲はその例外であろう。
 
 このアルバムはやはりアルヴェーンのスウェーデン狂詩曲第1番「真夏の徹夜祭」があったので、目を惹いた。題名よりも実際に聴いてみると何かのテーマ曲になったこともあったので、どこかで聴いた音楽なのである。オリジナルのロゴも懐かしいアルバムである。

華麗なるバレエ音楽名演集~オーマンディ

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【曲目】
CD1
オッフェンバック(1819-1880)/ロザンタール編
バレエ「パリの喜び」(抜粋)
(1)序曲
(2)アレグロ・ブリランテ
(3)ポルカ
(4)アレグロ(ギャロップ)
(5)ゆっくりとしたワルツ
(6)行進曲のテンポで
(7)中庸のワルツ
(8)アレグロ~カンカン~カドリーユ
(9)舟歌

ショパン(1810-1849)/ダグラス(1907-2015)編
バレエ音楽「レ・シルフィード」
(1)前奏曲イ長調作品28の7
(2)夜想曲変イ長調作品32の2
(3)ワルツ変ト長調作品70の1
(4)前奏曲イ長調作品28の7
(5)マズルカ ニ長調作品33の2
(6)マズルカ ハ長調作品67の3
(7)ワルツ嬰ハ短調作品64の2
(8)華麗なる大円舞曲変ホ長調作品18の1

アダン(1803-1856)
バレエ「ジゼル」組曲

マイヤベーア(1791-1864)
バレエ「スケートをする人々」組曲

CD2
レスピーギ(1879-1936)
バレエ「風変わりな店」
(1)序曲
(2)タランテラ
(3)マズルカ
(4)コサックの踊り
(5)カンカン
(6)ゆっくりとしたワルツ
(7)夜想曲
(8)ギャロップ

ドリーブ(1836-1891)
バレエ組曲「シルヴィア」
(1)前奏曲とマズルカ
(2)ワルツ
(3)ピツィカート
(4)行進曲とバッカスの行列

バレエ組曲「コッペリア」
(1)前奏曲とマズルカ
(2)ワルツ
(3)スラヴの主題と変奏曲
(4)チャールダーシュ

ストラヴィンスキー
バレエ組曲「ペトルーシュカ」[1911年全曲版より]
(1)謝肉祭の市場(第1場)
(2)群衆(第1場)
(3)人形使いの小屋(第1場)
(4)ロシアの踊り(第1場)
(5)ペトルーシュカの部屋(第2場)
(6)バレリーナの踊り(第3場)
(7)ワルツ:バレリーナとムーア人(第3場)
(8)謝肉祭の市場(夕方)(第4場)
(9)乳母たちの踊り(第4場)
(10)熊をつれた農民の踊り(第4場)
(11)ジプシーたちと行商人の踊り(第4場)
(12)御者たちの踊り(第4場)
(13)道化師たちの踊り~演奏会用コーダ(第4場)

【演奏】
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ

【録音】
1963年3月31日(レ・シルフィード、、シルヴィア、コッペリア)、1965年1月13日(ロッシーニ)、1968年3月5日(アダン、マイヤベーア)、1963年5月9日(オッフェンバック)、1964年3月23日(ストラヴィンスキー)、フィラデルフィア、タウン・ホール
ADD/STEREO

 オーマンディ&フィラデルフィアのアルバムの再発でまとめて購入した最後は、このバレエの音楽集だ。ドリーブの作品やショパンのアレンジものなどは以前から知っていたが、他は意外なものもある。ワルトトイフェルの作品やレスピーギがロッシーニの小品を集めた「風変わりな店」なんかは、録音していたのかと思うほうだ。いずれも聴かせ上手なのだが、これに合わせて踊れるかはわからない。あくまで、演奏会でやるという想定の演奏と思った方がよさそうだ。

 ショパンの「レ・シルフィード」は最初ショパンもバレエ音楽を作っているのかと思ったものだが、彼の有名なピアノ曲を後世の人がアレンジしたものだとわかり、妙に納得したものだった。ロイ・ダグラスという人はイギリスの人らしいということだけで知らない。アレンジもどっちかというと洗練されていない風はあると思っている。普段はピアノで聴く音楽が管弦楽になって聴こえるのはこれはこれで面白いとは感じる。

プラトーン(オリヴァー・ストーン)(アメリカ1986年)

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『プラトーン』ベトナム戦争の残酷さを描いたアカデミー賞作品

 セコハン店にあったこの作品のBDがあったので、クーポン券もあったので、使用して入手した。公開当時、よくテレビにスポットが流れていて、取り残されたエリアス軍曹の戦死するシーンは殊に有名になった。また、メインのテーマにはバーバーの「弦楽のためのアダージョ」が使われて、この曲も広く知られるようになったと記憶している。

 オリヴァー・ストーン監督は1966年頃、ベトナム戦争に従軍していたようで、その生々しい体験をもとにオリジナルのシナリオを書いて撮っているようだ。チャーリー・シーン扮する主人公は監督の分身なのだろう。兵士の殆どはアメリカ社会でも底辺の階層の若者が多いということがまず語られる。アメリカも階級社会なのである。主人公は親への反発から志願兵になったのだが、戦争はきれいごとでは済まないということを嫌という味わう。おまけに味方同士の殺し合いもあったりする。今、戦争犯罪を云々する機運があるが、戦争は平時の常識とは異なった世界であることをまず認識すべきなのだろう。そうした示唆に富んだ映画であると思う。

 この映画に出演した俳優たちは当時は無名の人たちばかりだが、それでもジョニー・デップが出演していたり、エリアス軍曹のウィレム・デフォーなどは後に「バットマン」で敵役で登場したりしている。ことにジョニー・デップはストーン監督が大物になると踏んで、脇役でもいいから出るようにと引っ張り出したということだ。

原子力潜水艦シービュー号(1964~69年)

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原子力潜水艦シービュー号(SEAVIEW).jpg
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 1964年から69年にかけてアーウィン・アレンが製作したSF冒険ドラマである。同時期には「宇宙家族ロビンソン」や「タイム・トンネル」なども製作しているから凄い稼働率だったわけである。

 ネルソン提督にはリチャード・ベースハートが扮していた。この人はフェリーニの「道」に出て有名になった人であった。最初のシーズン1はモノクロでテレビ朝日で放映、その後はテレビ東京で放映されたということだが、子供の頃はどちらも系列のない地域だったので、定かに放映時代のことは覚えていないのである。多分昼の枠で放映されたので、いくらか知っている程度だった。今度まとめて観る機会を得た。

 本篇の最後に出るスタッフは「タイム・トンネル」などで知った面々だ。作りも上の2作によく似ている。コンピューターも昔通り大掛かりな感じなのは同じ。60年代の将来に対する楽天的な思考は今観ると懐かしく思える。

平井英子~復刻盤

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スター☆デラックス
DISC1童謡名曲集
   1. あの町 この町 (MONO)
  2. アメフリ (MONO)
  3. 雨降りお月 (MONO)
  4. 兎のダンス (MONO)
  5. 蛙の夜廻り (MONO)
  6. キューピーピーちゃん (MONO)
  7. 證城寺の狸囃子 (MONO)
  8. てるてる坊主 (MONO)
  9. かなりや (MONO)
  10. 芒と月 (MONO)
  11. こがねむし (MONO)
  12. 十五夜お月さん (MONO)
  13. 手の鳴る方へ (MONO)
  14. 毬と殿様 (MONO)
  15. 村の鍛冶屋 (MONO)
  16. 村祭 (MONO)
  17. 汽車 (MONO)
  18. 一月一日 (MONO)
  19. 可愛いい皇子さま (MONO)
  20. 朧月夜 (MONO)
  21. 故郷 (MONO)
  22. 海 (MONO)
  23. 茶目子の一日 (一) (MONO)
  24. 茶目子の一日 (二) (MONO)
  25. チャメ子の曲馬団見物 (一) (MONO)
  26. チャメ子の曲馬団見物 (二) (MONO)
DISC2 流行歌集
       1. あたし大人 (MONO)
  2. 淋しいあたし (MONO)
  3. お嬢さん (MONO)
  4. 霧の街かど (MONO)
  5. 立てる手柄 (MONO)
  6. 戦線だより (MONO)
  7. 黒髪そえて (MONO)
  8. タバコやの娘 (MONO)
  9. お嬢さんの犬 (MONO)
  10. 合歓の花 (MONO)
  11. ジャスミンの花 (MONO)
  12. 台湾娘 (MONO)
  13. 口笛ふいて (MONO)
  14. 嫁ぐ日まで (MONO)
  15. さよなら秋風 (MONO)
  16. タイ夜曲 (MONO)
  17. ブルー・ハワイ (MONO)
  18. 姑娘可愛いや(チャイナ・ルンバ) (MONO)
  19. 想い出の横顔 (MONO)
  20. 君は絵のように (MONO)
  21. 何故なら (MONO)
  22. 心のふるさと(スペインの花) (MONO)
  23. 新世界の旅 ~アメリカ名曲集(一) (MONO)
  24. 新世界の旅 ~アメリカ名曲集(二) (MONO)
  25. ミッキイ・マウスの結婚 (MONO)

 平井英子は戦前に童謡歌手としてレコードなどで活躍した少女歌手である。1918年に生まれ、中山晋平に認められて、少女歌手としてスタートした。1928年に日本ビクターが設立されると、他社でデビューしていたが、同社の専属となって、童謡のレコードを多く、リリースしていった。その後思春期を経て、大人の歌手として流行歌も歌うようになったが、鈴木靜一と結婚して第一線を退いてしまった。活動期は10年余であるが、今もその歌唱は聴かれているという。これを書いている時点では存命も確認されている。上の2枚組のCDが発売される折に確認されたのだそうだ。今や90歳代の後半にさしかかる年齢だ。2枚目の作品群には夫君となする鈴木靜一が関わったものが多い。そうした縁なのだろう。鈴木靜一はビクター専属が終わった後は、映画音楽の世界に転じて、東宝や松竹、東映などの多くの作品の音楽を担当した。黒澤明監督のデビュー作「姿三四郎」の音楽もこの人が担当していた。

 さて、1枚目の童謡は中山晋平がピアノ伴奏を担当しているものもある。そして何となく女の子がこうした童謡を歌うものだというイメージも出来てしまった。面白いのは最後に収録された茶目子の作品。ちょっとしたオペレッタの形式で二村定一などが共演していて、やりとりが面白い。また「村の鍛冶屋」「村祭」「汽車」はアーネスト・アカイ・バンドというハワイからきたバンドをバックにフィックストロット調の童謡でSPのレーベルには「童謡ジャズ」と銘打ってある。(実はそのSPも所持している。)なかなかに面白い録音集だ。

 2枚目は十代でそろそろお年頃を迎えた時期で、「タバコやの娘」を岸井明と共演してコミカルに歌っているのが印象的だ。軍国的な作品もあるが、最後に収録されているアメリカのメロディ集は1940年の発売だそうで、当時の政治情勢を鑑みるとよく通った企画ではある。徳山や由利あけみらとの共演。最後のミイキー・マウスを歌ったものは珍品だ。これだけはやや古く1934年の発売でDISC1の感じがまだ残っている。藤山一郎との共演で、当時の短編のディズニー映画の雰囲気が味わえて面白い。

 これらのうち、1/3は聞き覚えのある録音だが、殆どは珍しいものばかりで、貴重である。今の若い人は何者だと思うかもしれないが、80年も前にこうした少女スターが存在していたことは記憶されていいと思う。

 
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