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ゲルギエフ&ロッテルダム・フィル20年の軌跡

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【曲目】
[CD1]
・チャイコフスキー: 交響曲第4番 へ短調 op.36
収録: 1988年11月2日、ロッテルダム、デ・ドーレン[NPS]
・シベリウス: 交響曲第1番 ホ短調 op.39
収録: 2003年12月13日、アムステルダム・コンセルトヘボウ[NPS AVRO TROS]
[CD2]
・プロコフィエフ: 「ロメオとジュリエット」op.64 より(全17曲)
収録: 2004年6月6日、ロッテルダム、デ・ドーレン[NPS]
・ストラヴィンスキー: 春の祭典
収録: 1996年5月31日、ロッテルダム、デ・ドーレン[NPS]
[CD3]
・ショスタコーヴィチ: 交響曲第11番 ト短調 op.103
収録: 1990年11月17日、アムステルダム・コンセルトヘボウ[VARA]
・ベルリオーズ: 「ファウストの劫罰」より「鬼火のメヌエット」「妖精の踊り」「ハンガリー行進曲」
収録: 1997年9月25日、ロッテルダム、デ・ドーレン[NPS]
[CD4]
・シュニトケ: ヴィオラ協奏曲 (ユーリ・バシュメト(va))
収録: 1993年3月13日、アムステルダム・コンセルトヘボウ[VARA]
・デュティユー: ヴァイオリン協奏曲「夢の木」 レオニダス・カヴァコス(vn)
収録: 2007年9月14日、ロッテルダム、デ・ドーレン[KRO]
・ティシチェンコ: バレエ「ヤロスラヴナ」より(全6曲)
収録: 2007年9月15日、ロッテルダム、デ・ドーレン[KRO]

【演奏】
ワレリー・ゲルギエフ(指揮) ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団


 ゲルギエフのごく初期の頃から、ロッテルダム・フィルのシェフになった後のものまで、20年の軌跡を収録したもの。資料によると、普段あまり取り上げないものもあって、その意味では貴重なこの指揮者の記録になる。このBOXで目を惹いたのは、4枚目の現代曲集。これらはあまりCDのカタログにも載っていない作品であるばかりでなく、ゲルギエフが指揮したということが貴重のような気がした。ライヴの放送用音源ならではのものかもしれない。

 どちらかというとショスタコーヴィチにしろ、シュニトケにしろ、ここに収まっているものは、どこか暗く憂鬱な雰囲気ではある。年代的にソヴィエトの崩壊を挟んだ記録だが、ゲルギエフの心持を放出していたのかもしれない。


ジョプリン:歌劇『トゥリーモニシャ』全曲

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歌劇『トゥリーモニシャ』全曲 シュラー&ヒューストン・グランド・オペラ、バルスロップ、ホワイト、他(1975 ステレオ)(2SACD)
カルメン・バルスロップ(S トゥリーモニシャ)
 ベティ・アレン(Ms モニシャ)
 カーティス・レイアム(Bs レムス)
 ウィラード・ホワイト(Bs-Br ネッド)
 コーラ・ジョンソン(ルーシー)
 ケネス・ヒックス(アンディ)
 レイモンド・ベウズモア(シモン)、他
 ヒューストン・グランド・オペラ
 ガンサー・シュラー(指揮)

 録音時期:1975年10月
 録音場所:ニューヨーク、RCAスタジオ
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)

 A&Rプロデューサー:トーマス・モーリー
 バランス・エンジニア:ゲルト・ヴェストホイザー
 レコーディング・エンジニア&エディティング: ギュンター・ヘルマンス
 リマスタリング:ポリヒムニア・インターナショナル
 リマスタリング:2014年8月、バールン、オランダ
>発売元のコメント
 このディスクには「ラグタイム王」と呼ばれた作曲家スコット・ジョプリンによるラグタイム・オペラ『トゥリーモニシャ』が収録されております。ジョプリンはシカゴのラグタイムのピアニスト、オーティス・ソーンダースに出会ったことで自分の作品を楽譜に書くようになり、その後演奏者としてだけでなく作曲家として、ラグタイムを土台にした作品を残しました。その音楽は、クラシック音楽の側からも高く評価されております。
 この『トゥリーモニシャ』は、終曲の美しくゆったりとした作品でジョプリンの傑作の一つに数えられます。この作品は長い間埋もれていましたが、1970年にピアノ・スコアが発見され、1972年にアンダーソンのオーケストレーションで復活蘇演され評判となりました。その後、1975年にはガンサー・シュラー指揮、ヒューストン・グランド・オペラで上演され、この演奏会は話題となりました。
 リマスタリングはPentatoneレーベルが誇るオランダのポリヒムニア・インターナショナルが担当しており、万全のリマスタリングと言えます。また、約50ページのブックレットには英語歌詞とDGのオリジナル・ジャケットが掲載されております。(キングインターナショナル)
 
 発売元のコメントにある通り、これはグラモフォンが録音したものだが、LP時代は全く気付いていなかったものである。あるいは国内盤はなかったのかもしれない。
 
 スコット・ジョプリンはラグタイムの作曲家でポピュラー・ソングが中心とばかり思っていたのに、こうしたオペラも企図していたとは驚いた。やはりラグタイムの要素を生かし、一種のミュージカルに近い作品という印象である。登場人物は殆ど黒人(アフリカ系)というのは、ガーシュインの「ポーギーとベス」と同様で、アフリカ系の作曲家の作品であるのがもっとユニークなところかもしれない。しかし、むしろこちらの方が抒情的な音楽が多いように思う。ラグタイムがベースだから、独特のリズムも味わえる。
 
 何故、自身のオーケストレーションがなかったかは英文の解説に記されているが、保管状態がよくなく手書きのオケ譜は1962年頃廃棄されてしまったようだ。また、ジョプリンのオペラには聴衆は何の興味を示さなかったので、彼は落胆してしまい、そのまま天に召されたようだ。ともあれ、ジョプリンの本来の意図に沿ったオーケストレションが施されて復活したことは、遅まきながら喜びたいと思う。
 

『愛の伝説』 ゲルギエフ&モスクワ放送交響楽団

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【収録情報】
● メリコフ:バレエ音楽『愛の伝説』
ワレリー・ゲルギエフ指揮 モスクワ放送交響楽団

 メリコフという作曲家は初めて知る。1933年生まれのアゼルバイジャンの人というが、音楽は誠にエチゾティックで面白い。リズムも独特でイスラムの世界のような怪しげな雰囲気もある。ゲルギエフの若い頃のもので、モスクワ放送交響楽団を指揮しているのも珍しい。いつの収録かがちょっといい加減そうで、ジャケットには1968年とあるが、これが本当ならゲルギエフは15歳ということになる。これはいくらなんでも、間違いであろう。1988年くらいではなかろうか。

 何でもこの演目はゲルギエフは来日して、演奏するそうである。バレエ・ファンにはまたとない機会であろう。

ゲルギエフ『ショスタコーヴィチ:交響曲全集+協奏曲全集』(映像)

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【曲目】
<BD1>
1.交響曲 第1番 ヘ短調 Op.10(1925年)
2.交響曲 第2番 ロ長調 「十月革命に捧ぐ」Op.14 (1927年)
3.ピアノ協奏曲 第2番 ヘ長調 Op.102(1957年)
4.交響曲 第15番 イ長調 Op.141(1971年)
[収録…2013年1月7日]
5.交響曲 第4番 ハ短調 Op.43(1936年)
6.ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 Op.35(1933年)
7.交響曲 第9番 変ホ長調 Op.70(1945年)
[収録…2013年12月1日]
マリインスキー劇場合唱団…2
デニス・マツーエフ(ピアノ)…3
ダニール・トリフォノフ(ピアノ)…6
ティムール・マルティノフ(トランペット)…6

<BD2>
1.交響曲 第3番 変ホ長調 「メーデー」Op.20 (1929年)
2.チェロ協奏曲 第2番 ト短調 Op.126(1966年)
3.交響曲 第13番 変ロ短調「バビ・ヤール」 Op.113(1962年)
[収録…2013年1月8日]
4.交響曲 第6番 ロ短調 Op.54(1939年)
5.チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 Op.107(1959年)
6.交響曲 第10番 ホ短調 Op.93(1953年)
[収録…2013年12月3日]
マリインスキー劇場合唱団…1.3
マリオ・ブルネロ(チェロ)…2
ミハイル・ペトレンコ(バス)…3
ゴーティエ・キャプソン(チェロ)…5

<BD3>
1.ヴァイオリン協奏曲 第2番 嬰ハ短調 Op.129(1967年)
2.交響曲 第7番 ハ長調 「レニングラード」 Op.60(1941年)
[収録…2014年2月16日]
3.ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 Op.77(99)(1948年)
4.交響曲 第11番 ト短調 Op.103 「1905年」(1957年)
[収録…2014年2月18日]
アリョーナ・バーエワ(ヴァイオリン)…1
ヴァジム・レーピン(ヴァイオリン)…3

<BD4>
1.交響曲 第5番 ニ短調 Op.47(1937年)
2.交響曲 第14番 ト短調 「死者の歌」Op.135(1969年)
[収録…2013年12月2日]
1.交響曲 第8番 ハ短調 Op.65(1943年)
2.交響曲 第12番 ニ短調 Op.112 「1917年」(1961年)
[収録…2014年2月17日]
ヴェロニカ・ディジョーエヴァ(ソプラノ)…2
ミハイル・ペトレンコ(バス)…2
※スペシャル・フィーチャー:ドキュメンタリー「ドミトリー・ショスタコーヴィチ:いくつもの顔を持つ男」(2015年) ライナー・モーリッツによる映像

【演奏】
ヴァレリー・ゲルギエフ&マリインスキー劇場管弦楽団


 ゲルギエフのショスタコーヴィチはCDもいろいろとあるが、ここは映像付ということで手に取ってみる。指揮者だけでなく、楽員たちの表情も見られておもしろい。曲の前にはゲルギエフのコメントがあったりする。

 1枚に相当な量の内容が組み込まれているので、なかなか一気に鑑賞というふうにはならない。最初の2、3曲を聴いたら、次へ廻すということだろう。各曲が一つの収録でクレジットが出てくる。再度の折はコメント抜きでも鑑賞できるようになっている。コメントは日本語字幕もあるからありhがたい。

(追記)
各盤の収録順だが、実際に取りだしてみると、交響曲の次に協奏曲という順。また番号の若いものから順番に配列されていた。内容の上述の通りだが、順番が異なる。

ゲルギエフのショスタコーヴィチ映像から①交響曲第7番「レニングラード」

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 2014年2月16日、パリのサル・プレイエルでのライヴの実況。そうこの全集は全てパリのサル・プレイエルでのコンサートの実況で、フランス国立放送局の手で撮られたものである。したがって、本拠地での収録でないのがミソである。また、全て2013~14年なので、フィリップスに入れたセッション録音とも異なることをまず記しておきたい。

 音だけのCDと異なり演奏する姿が視覚化される分、新たな発見もあるが、オペラやバレエと異なり音楽に集中できない傾向が私にはある。まだ全部は鑑賞していない段階だが、ゲルギエフは曲によってオーケストラの配置を変えているようだ。本作に関しては通常の並び方でヴァイオリン(1st;2nd)、ヴィオラ、チェロの順に指揮者から見て左から配置されている。コントラバスは上手奥。木管の上手側にホルン。トランペット、トロンボーン、テューバはクラリネットとファゴットの後ろで最後列には打楽器が置かれている。また、この曲の第1楽章のオスティナート部分で活躍する小太鼓は左右に配置。また別に控えるブラスバンドは打楽器と同じ並びの下手に配置されている。

 さて、演奏は出だしからから、分厚い低弦の音が強く耳を打つ。音量は弦楽器も金管の咆哮に負けない音をしているのは、ロシアのオケの伝統なのだろうか。第1楽章は某製薬会社の健康ドリンクがハリウッド・スターを使って流したCMに使われた音楽としても有名だし、バルトークが自作の管弦楽のための協奏曲でパロディで使ったものとしても有名なもの。ここでもゲルギエフは真面目に取り組んでいる。曰く、戦争で命を危うくした人たちの代弁をしたのがこの曲というので、次第に大きくなるそのテーマは押し寄せる恐怖の象徴なのかもしれないと思った。レニングラード初演の時に、載った奏者たちは飢えで痩せこけ、歩く骸骨のようだったという。そういう瀕死の思いでこの大作を演奏したエネルギーは人々を奮い立たせたらしい。ゲルギエフ曰く、戦場描写の音楽では決してない、そういう解釈は皮相的なものと言った事前解説は印象的だった。

 この作品のスコアは機密文書扱いでマイクロフィルムに収められて、カイロ経由でアメリカに運ばれて、1942年にニューヨークで初演されている。その音源がトスカニーニ盤である。

疑惑(松竹・霧プロ1982年)

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 岩下志麻と桃井かおりの二人の女優が火花散らすところが見ものの作品。弁護士は正義のために動くものという幻想を見事に打ち砕いてくれる映画でもある。被告席に座る女性は実に嫌な人物という設定。ただ、最後に天罰が下るという終わり方でないところが、この映画の特徴であり、買うところでもある。

  警察やマスコミがある種予断をもって、人を社会的リンチ状態にする異常さも同時に描かれているような気もする。いろいろと考えさせられる内容ではある。
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訃報:滝田裕介氏

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 3日に亡くなった。享年84歳。

 実際に舞台も観たし、映画、テレビでも活躍した人だった。上は「戦争と人間」で外交官の森島守人に扮した折のスティル写真。石原裕次郎の他、藤岡重慶の姿も見えるが、彼らも全て鬼籍の人たちだ。

 ご冥福を祈る。

あなたと共に(大庭秀雄監督・松竹大船1955年)

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 今井正監督作品などのシナリオで有名な水木洋子の初めての小説の映画化作品という。シナリオはご本人ではなく、柳井隆雄が担当している。実はこの映画の題名はかなり前から知っていた。我が家にはその主題歌と挿入歌のレコード(SP盤)があり、かつてはよく聴いていた。さすがに再生装置の都合で最近は聴いていないが、ご本尊の作品で流れるに及んで、一種の「懐かしさ」を覚えた。むろん、映画は自分の生まれる前の作品で、封切当時は知らない。

 実は映画に接するのは今回「衛星劇場」での放映が初めてだった。しかも「蔵出し作品」のコーナーでの放映で、かなり珍しい作品のようである。ビデオが普及する前の時代に、フィルムセンターや名画座では少なくとも上映されたという記憶はない。大庭秀雄監督作品で佐田啓二、岸恵子、高橋貞二の主演とくれば松竹大船の定番であるのに、それがレアな作品とは如何。

 ひとつには話が尻切れトンボになっているのが原因ではなかろうか。「第一部 終」と出るし、登場人物は今後どうなるかという字幕まであるのに、続編は製作された節がない。資料を漁ったが、それらしい作品がないのである。ないとなればどういう理由だったのだろうか。惜しい感じがする。映画が大量に製作された当時にあって、こういうことはよくあったのだろうか。時代劇の「かげろう絵図」がやはりこういう状態だった例の一つであることを思い出した。


おかあさんのばか(水川淳三監督・松竹大船1964年)

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(C)1964松竹株式会社

 実際の少女の作文を基にした児童映画である。作品も監督も今では忘れられたようなところはあるが、東京オリンピック開催直前の東京の風景や庶民の生活が描かれていて、貴重な作品ではある。どちらかというと東映児童映画がやるような内容だが、松竹にもこうした作品があったのだ。

 大人の俳優は母親に乙羽信子、父親が下條正巳の他、三上真一郎、長門勇、中村雅子といった面々が出演しているから、キャストはしっかりしているようだし、水川監督もデビューで定石通りの演出のようではある。子役も現在のアザトい演技はないが、やや不自然な感じも残る。同級生の男子が遠くに行くあたりは、日活の「キューポラのある街」みたいではあるし、作文が基というのはやはり日活の「にあんちゃん」に似ている。偶然にも今村昌平監督が関与したものであるのが、妙な発見めいたものを感じた。

天狗党(大映京都1969年)

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 この作品は、スクリーンで二度観ている。その二度ともが今は閑散としている浅草六区にあった映画館だった。山本薩夫監督のフィルモグラフィの中では地味な存在で上映頻度も多くないが、30数年前はそれでも関東地区では時折上映はされていた。しかし、一度VHSにはなったようだが、DVD化の予定はないようである。
 
 封切りは11月15日とある。同日には「続・男はつらいよ」も公開されていて、当初から目立たない存在だったかもしれない。ポスターの中には「幕末にもいたゲバルト集団」といった惹句も掲載されていたものも目にしたことがある。1969年といえば、極左が主導する学生運動が盛んな時代であり、年初には東大安田講堂事件なるものがあった。またこの前年には新宿騒乱があって、新宿駅などが被害を受けていた。そういう背景があって、時代劇の形を借りて、そういうゲバルトの空しさを描こうという企画だったのかもしれない。山本監督自身は日本共産党員だったが、こうした極左的動きには批判的だったのかもしれない。
 
 ここに登場する人物たちは、世の中の動きに敏感なようで疎い感じの者が殆どである。世直しといいながら、やはり身分の上下に拘る姿も出てくる。これらは革新団体でも総論では革新的でも個人的には恐ろしく保守的で差別意識があったという自戒もあったのかもしれない。ただ、映画としてはなんとくなく中途半端で、必ずしも成功してはいない。大映なのに仲代達矢主演というのもちょっと異色ではあるが、これも余計に中途半端な印象を与えてしまう。1969年は市川雷蔵が没した年でもある。公開当時は既に亡くなっている。そうした会社側の情勢もあって、意気が上がらない印象もある。画面も暗いのも気になる。スクリーンで観た折はそう気にはならなかったが、CSの放映では暗さが強調されすぐている印象だった。
 
 山本薩夫監督としては永田大映での最後の作品となった。直前には記録映画「ベトナム」の総監督を務めている。もう大映を離れることが決まっていたのかもしれない。「ベトナム」を配給した縁か、日活に出向いて「戦争と人間」に取り組むことになる。

日本の軍歌アーカイブス Vol.5 クラシック篇 戦時下の芸術音楽 1943

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『日本の軍歌アーカイブス Vol.5 クラシック篇 戦時下の芸術音楽 1943』< クラシック篇 >
①伊福部昭:交響譚詩
②ベートーヴェン:交響曲第9番・終楽章「歓喜の頌」(日本語歌唱)
③橋本国彦:交声曲 英霊讃歌 山本元帥に捧ぐ
①②山田和男指揮③橋本国彦指揮 ①②東京交響楽団(現:東京フィルハーモニー交響楽団)
②国立音楽学校、玉川学園;香山淑子、四家文子、木下保、藤井典明 ③東京音楽学校管弦楽団・合唱団;藤井典明
 
 まず、これは伊福部昭の交響譚詩の初めて録音である。かつて演奏に参加した当時は録音は発売されていなかったが、ビクターで録音されたということは資料で知っていた。これがそれだ。今でこそいろいろな録音はあるが、当時は映画館で彼の音楽を聴くのみという状態だった。また、演奏が契機でもっと聴いてみたくなったのだった。先日、NHKで箏曲にアレンジされた同作品を放映したが、その折にそのSP盤と音声が流れていた。今やっと身近に聴けるようになったのはありがたい。

 メインの伊福部作品は日本ビクターの管弦楽作品コンクールで第1席を取ったと記憶している。そして、録音もという運びとなったかと思う。この録音もかなり評価されて賞をもらっている。作曲者によると時節柄あまり編成が大きくならないように持ち替えで対処するように作曲したという。山田一夫も若い分かなりメリハリをつけて音楽を作っているようで好感が持てた。オーケストラはやはり今に比べたら粗い。民謡的なものをベースに作られているので、とても親しみやすい。
 
 その一方、あとの二つはちょっと珍しいもの。③に至っては今日全く忘れられた作品である。タイトルは軍歌とはなっているが、軍隊に直接関係のあるのはこれだけ。橋本国彦は戦後半ば公職から追放されたような状態で、悶々と過ごしていて、1949年には癌で亡くなっている。自分には童謡などでやさしいメロディを作った作曲家というイメージが強いのだが。
 
 この二つは決して同じ形では取り上げられないだろう。②は歌詞に違和感があるだけでなく、内容が日本語にも拘らず、内容が聞き取れない。発声の問題と小難しい文語文であることが災いしているように思う。そして、③はもっとも当時の時局に関与してしまった見本である。作品としても今聴くと魅力がない。言ってみれば、共産圏などの元首礼賛の歌に見られるような音楽的追従の域を出ない。③は今後取り上げられることは殆どないと思われる。
 

母のおもかげ(大映東京1959年)

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 名匠・清水宏監督の遺作となった作品で、ここでも得意の子供を扱った作品である。上の写真はスティルではなく、撮影風景を写したスナップである。ハティングを被った人物が清水監督だという。主人公である男の子が父親にグローブをねだるが、新しい母親にお願いするようにという場面のようである。
 
 ともに連れ合いを亡くして、子持ち同士が再婚するが、男の連れ子の男児はその女性に複雑な感情を持つ。甘えたいが、亡き実母に対して後ろめたさを感じているようで、反抗的態度を取ったりする。それを周囲の大人は気付かない。しかし、継母が学校に呼び出されて、担任の教師から本人の作文を見せられるに及んで、絶望的になって、娘を連れて家を出ようとする....。かいつまんでいうとこんな筋立てである。
 
 晩年の清水作品にはあまり期待していなかったが、これは原点に戻ったような出来である。主人公が継母のかけてある洋服におかあさんと甘えようと懸命に努力する姿は、圧巻であった。戦前の「風の中の子供」でやはり主人公の男児が警察に引っ張られていった父親を思い、一人泣くシーンを思い出した。やはり、子供を扱うとうまい監督である。それに大人たちも自然な演技をやっていて、戦前の棒読みの台詞でないところもいい。これは松竹と大映の会社のカラーの相違もあるかもしれない。監督と旧知なのは、大山健二という脇役くらいだろう。新東宝の「しいのみ学園」あたりから、こうした演技的な要素も巧みに取り入れたような観はある。主人公の毛利充宏はその「しいのみ学園」で肢体不自由児を熱演した子役だった。

「砂の器」再見で気付いたこと

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 映画「砂の器」は一度記事にしているので、ここでまた繰り返しの重複事項は避ける。
 
 後半の30分のコンサート演奏とそれに繋がる回想場面がこの映画の要である。前にも触れた通り、ここは原作にはない部分である。演奏と同時に今西刑事の報告とが進行して、音楽家である犯人は自作初演終了後逮捕されることになるが、その瞬間は映らない。「太陽がいっぱい」もそうであるようになかなか心憎い終わり方だ。
 
 ここで取り上げたいのは、その回想部分。その大部分は音楽だけで台詞は殆ど聴こえてこない。ここは一種サイレント作品のような演出だ。犯人の子供時代を演じる子役の声は全くないことに気づく。余計な説明がない分、観客は自分流の解釈ができる。こういうところが、この映画の魅力の一つではなかろうか。

アメリカ合衆国アムトラック脱線事故

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 アメリカでは最近やたらと鉄道脱線事故が続く。今までは原油輸送の貨物列車で、炎上して大被害を出しているが、今度は旅客列車だ。死者も出ているが、現場写真は惨憺たるもので、鉄道ファンとしてもとても残念な光景だ。
 
 
 ところがここへ来て、ちょっと意外な情報が入ってきている。まず車両。昨夜のテレビ東京の「WBS」でかなり古い車両が使われているという。64年前のものも現役であったというから、びっくりである。高速で走るのだから、車両の痛みも早かろうにと思う。
 
 次にシステムがとてつもなく、古い。信号システムは第二次大戦に先立って作られたもので、電線は1930年代にまでさかのぼれるものがあるという。こうなると、論外である。安全をどうみていたのか。70~80年前のものがあること自体がびっくりを通り越してあきれてしまう。
 
 起きるべくして起きた事故のようである。

ベルリン・フィルと第三帝国~ドイツ帝国オーケストラ

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 ナチス政権下時代のベルリン・フィルを、団員の証言と当時の演奏を中心とした映像により活写したドキュメンタリー『ベルリン・フィルと第三帝国』(原題:The Reichsorchester)をご紹介します。楽団創設125年を迎えた昨年、同フィルの125周年フェスティバルに前後して上映され、非常に高評価を得た同作品。日本語字幕もご用意し、わが国でもクラシックファンの皆さまのみならず、多くの歴史ファンにご覧頂きたい作品です。
 映画『ベルリン・フィルと子どもたち』の監督、エンリケ・サンチェス・ランチが手がけたドキュメンタリー。125年という楽団の長い歴史の中でタブー視されてきた1933年~45年までのナチス政権下にスポットを当てた作品です。1936年ベルリン五輪で指揮するリヒャルト・シュトラウスの初出映像をはじめ、ヒトラー生誕記念前夜祭でのフルトヴェングラーの第九、楽団をバックに演説するゲッベルスの映像などを収録。当時を振り返りながら語る楽員へのインタビューを元に第三帝国下の楽団を検証していきます。(発売元コメント)


 出た頃は、あまり気にならなかったが、2回ほどベルリンで、このオーケストラのコンサートへ行かせてもらってから、俄然興味がわいた。ことに旧フィルハーモニーについて、いろいろと知りたいと思うようになった。今は、兵どもが夢の跡、といった体で跡地はアパートの中庭みたいになっているようだ。残念ながら、現地には行けてないが、この記録映画を見るとどんな外観で中の様子もしっかり出てくる。

 さて、普段録音で聴いているので、BPOのクレジット以外のそれぞれの楽員の顔などわからないでいる。しかし、過酷な時代には殊に楽員個人個人が大きなドラマを体験しているはずである。この映画はそんなところを描いたものだった。撮影当時、存命だった人は出演しているが、物故したメンバーはその息子や娘が出て証言していた。ユダヤ人のメンバーはこのオーケストラを去らないといけなかったし、バリバリのナチス党員のメンバーも少数ながらいて、周囲は彼らを警戒していた話など生々しかった。戦後、彼らは追放されていることも出てくる。フルトヴェングラーを始め、クナッパーツブッシュ、エーリヒ・クライバー、R.シュトラウスブルーノ・キッテルなどがタクトを振る姿を確認できるのもうれしい。そして、彼らがもっとも忌避したかったのは、「BPOはナチスのオーケストラ」になることも描かれている。それだからこそ、ナチス党員だったメンバーを追放して、自浄しているのである。

 

ウォルトン:映画音楽「スピットファイア」前奏曲とフーガ~(レスリー・ハワード主演・監督1942年)

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世界の航空戦争映画名作シリーズ 迎撃戦闘機スピットファイア[BWD-2772][DVD]
 
 この映画はウォルトンが音楽を付けているというので、興味を持った。音楽だけはいろいろな録音では知っていたが、その大元の映画がDVDになっていることを知って、さっそく観てみた。
 
 開発者として矜持と先見性を備えたのが、この戦闘機の生みの親である。彼は過労がたたって、戦闘機が採用されるのを見届けるかのようにして亡くなってしまう。これを「風と共に去りぬ」でアシュレー役で有名なレスリー・ハワードが演じている。細面のやや神経質そうな顔が役にぴったりだった。レスリー・ハワードは監督も兼任している。そして、友人でテストパイロットに扮するのがデイヴィッド・ニーヴン。まさにジョン・ブル精神を具現化したような映画だった。それにそってウォルトンは格調高い音楽を付けている。タイトルバックはコンサート用作品では前奏曲と呼ばれるもので、フーガは工場内のあわただしい様子を描いた音楽だった。このようにどのような場面の音楽を知ると音楽そのものの理解は進む。
 
 なお、レスリー・ハワードはポルトガルから本国へ帰還する途中、搭乗機がドイツ軍によって撃墜されて非業の死を遂げている。この映画の2年後のこと。彼の運命を暗示しているような内容ではあると思った。

キース・ジャレットが弾くピアノ協奏曲

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【曲目】
1. サミュエル・バーバー:ピアノ協奏曲 作品38
2. バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119
3. キース・ジャレット:ナッシング・バット・ア・ドリーム(アンコール)

【演奏】
キース・ジャレット(ピアノ)
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮 ザールブリュッケン放送交響楽団(1)
秋山和慶指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団(2)

【録音】
1984年6月3日 ミュンヘン、ドイツ博物館コングレスザール(1)(ライヴ)
1986年6月30日 五反田、ゆうぽうと簡易保険ホール(2,3)(ライヴ)

 
 キース・ジャレットはジャズのセッションなどどちらかというと即興演奏のイメージが強い。しかし、クラシックも本格的に取り組んでいたことを認識させる録音は1980~90年にかけて集中して存在しているようだ。これはそうした一つ。ここでジャレットはほとんど即興的なことはやっていない。カデンツァの部分はそういった要素はありそうだが、他のジャズ・ピアニストのように崩したような演奏はしていない。かなり正当なアプローチといっていい。考えてみれば、ジャズで名をなした奏者がクラシックの領分でも活躍した例は、ベニー・グッドマンやウィンストン・マルサリスもある。いや、音楽に分野などなく、あくまでも彼らにとっては同じものなのであろう。我々が区別をつけすぎているのかもしれない。

ストコフスキー/トッカータとフーガ~バッハ:トランスクリプションズ

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【収録情報】
J.S.バッハ/ストコフスキー編:
1. トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
2. シャコンヌ(パルティータ第2番ニ短調 BWV.1004より)
3. プレリュード(パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006より)
4. 神はわがやぐら
5. G線上のアリア(管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068より)
6. 小フーガ ト短調 BWV.578
7. アリオーソ(カンタータ第156番よりシンフォニア)
8. 眠れるものよ、目覚めよ(目覚めよと呼ぶ声がきこえ BWV.645)
9. 来たれ、甘い死の時よ(宗教的歌曲集第40番 BWV.478)
10. トッカータとフーガ ニ短調~リハーサル

レオポルド・ストコフスキー指揮 ロンドン交響楽団
録音時期:1974年7月27日(1,10)、4月16,18,19日(2-9)
録音場所:ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホール(1,10) クリップルゲート、聖ジル教会(2-9)
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
原盤:RCA
 
 ストコフスキーが編曲したバッハのアルバムはいろいろあるが、自身が指揮したものは戦前のフィラデルフィア管弦楽団のRCA盤と戦後のチェコ・フィルとのライヴ録音それにこのLSO盤と3種類もある。一時期、古楽器の復活と原典回帰が叫ばれて、この種のものは無価値同様にみなされたのか、放置されていた観はあった。しかし、近年見直しがなされて、陽の目をみるようになったような感じがする。
 
 元来これらは、フィラデルフィア管弦楽団が演奏するのを想定したものの、オーケストラ練習用だったのだという。しかし、楽員の方から世に問うてはどうかという提案があったという。ストコフスキー自身は躊躇したというが、演奏会で取り上げたら、好評を得たのだという。響きなどを磨くにはまさにもってこいの素材であるが、鑑賞用としても十分。むしろ、バッハの音楽をわかりやすく身近なものにしてくれたことは確かである。
 
 解説によると「トッカータとフーガ」はマーラーの交響曲第2番「復活」の録音が予定より早めに終了したので、急遽譜面が配られたのだという。手探り状態から音楽作りをするLSOも流石である。リハーサル時の録音は、残念ながらストコフスキーの声は小さく何を言っているか、わからない。プロデューサーの「Take no.~」の声だけが異常に大きく聴こえるのは残念ではある。

三善晃:交響四部作~二つのオーケストラによる二種類の「四部作」の演奏

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【収録情報】
CD1
三善晃:交響四部作
1. 『夏の散乱』-現よ 明るい私の塋よ-
2. 『谺つり星』(チェロ協奏曲第2番)
3. 『霧の果実』
4. 『焉歌・波摘み』

 堤剛(チェロ:2)
 東京交響楽団
 秋山和慶(指揮)

 録音時期:2000年9月5日
 録音場所:東京、サントリーホール
 録音方式:デジタル(ライヴ)

CD2
三善晃:交響四部作
1. 『夏の散乱』-現よ 明るい私の塋よ-
2. 『谺つり星』(チェロ協奏曲第2番)
3. 『霧の果実』
4. 『焉歌・波摘み』

 堤剛(チェロ:2)
 大阪フィルハーモニー交響楽団
 秋山和慶(指揮)

 録音時期:2001年2月19日
 録音場所:大阪、ザ・シンフォニーホール
 録音方式:デジタル(ライヴ)
 
(発売元コメント)

オペラ<支倉常長『遠い帆』>によって第31回(1999年度)サントリー音楽賞を受賞し、その記念公演として東京と大阪で演奏された「四部作」のライヴ録音からなる2枚組。四部作をそれぞれ異なる2つのオーケストラの演奏で収録。CD1は東京交響楽団、CD2は大阪フィルハーモニー交響楽団による演奏。どちらも指揮は秋山和慶、『谺つり星』の独奏チェロは堤剛。

『レクイエム』(1972)、『詩篇』(1979)、『響紋』(1984)という合唱とオーケストラのための三部作について、作曲者自身は、2008年秋に開催された作品展のパンフレットで「反戦三部作」と表記することを望みました。この三部作の続編として構想された四部作は、1995年から毎年一曲ずつ作曲され、そこには戦火の犠牲となった無名の死者たちを象徴する「1945年8月」の響きが刻まれています。三善晃の原風景にある戦争体験、そして生者と死者との対話をめぐる創作のメルクマールとなる重要な作品群です。

表紙画は今年(2009年)百歳を迎える詩人まど・みちおの抽象画。その繊細な陰影をはらんだ「青」は、南方の海底に沈んだ疎開船の児童たちの波間に揺れる声を摘んで弔う『焉歌・波摘み』が描く海の色とも重なり合います。(日本伝統文化振興財団)

 
 これは店頭で見つけて、購入したもの。手に取った時は、内容表示がすぐに理解できなかった。何故2枚組なのかとキョトンとしてしまった。よく見ると指揮者とチェロ独奏は共通であるが、オケが違うし、演奏場所も違う。いってみれば二つのオーケストラが比較できるという趣向だ。楽員たちのとっては厳しい企画になるのかもしれない。実演の場合は、両方を聴きに行った人はそれほど多くなかったろうが、こうして録音のパッケージになると比較に晒される。
 
 レクイエムなど声楽を伴った大作などと同様に死をみつめた作品のようでなかなか重い作品群ではある。そう手軽に取り出すことはないと思う。
 
 発売元が「日本伝統文化振興財団」というのは以前、NHK交響楽団による吹奏楽作品のアルバムが出ていたが、それに次ぐもののようだ。実質はビクター制作の盤のようである。

コンセルトヘボウ管の同時代音楽シリーズ「ホライゾン」第6集

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【SACD収録情報】[76:01]


● デトレフ・グラナート:フレネシア(2013) 世界初演
 シャン・ジャン[張弦](指揮)
 収録時期:2014年1月23&24日(ライヴ)

2013年の生誕150周年を迎えて、楽団ゆかりのリヒャルト・シュトラウスにコンセルトヘボウ管として敬意を表すいっぽう、グラナート曰く真摯な意味で「アンチ英雄の生涯」と理解してほしいと述べているように、対極のスタンスをなす作品というところがユニークで刺激的。演奏時間15分47秒。
4フルート(うち3,4番はピッコロ持替)、2オーボエ、コーラングレ(イングリッシュ・ホルン)、2クラリネット、バス・クラリネット、2ファゴット(バスーン)、コントラ・ファゴット(ダブル・バスーン)、4ホルン、3トランペット、3トロンボーン、1チューバ、ティンパニ、打楽器(4人)[:アンティークシンバル、グロッケンシュピール、チューブラー・ベル、マリンバ、ゴング、4テンプル・ブロック、2ボンゴ(エンブラ(ラージ)、マッチョ(スモール))、アンヴィル(金床)、サスペンデッド・シンバル、シズル・シンバル、クラッシュ・シンバル(合わせシンバル)、タム・タム(大)、サイド(スネア)・ドラム(小太鼓)、バス・ドラム(大太鼓)]、2ハープ、チェレスタ、弦楽器群。


● ミシェル・ヴァン・デル・アー:ヴァイオリン協奏曲(2014) 世界初演
 ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン)
 ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
 ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
 収録時期:2014年11月6&7日(ライヴ)
 収録場所:アムステルダム、コンセルトへボウ

「ジャニーヌ・ヤンセンとコンセルトヘボウ管との組み合わせは、わたしにとってドリーム・チームのようなもの」と語るヴァン・デル・アーのヴァイオリン協奏曲は、その彼女のための、そしてまた、2011年以来レジデンス・コンポーザーを務めるコンセルトヘボウ管委嘱シリーズの一環でもある2014年の最新作。抽象的な第1楽章、より単刀直入で旋律的な第2楽章、そして急速のフィナーレからなる伝統的な3楽章の形式を踏襲しつつ、ヤンセンに特徴的な“アップ・フロント”奏法を表現しようと趣向を凝らした力作とのことで、本アルバム屈指の聴きものといえます。演奏時間25分。
1フルート、1オーボエ、1クラリネット、バス・クラリネット、1ファゴット、コントラ・ファゴット、4ホルン、2トランペット、2トロンボーン、1チューバ、打楽器(3人)、ハープ、弦楽器群(12:第1ヴァイオリン、12:第2ヴァイオリン、10:ヴィオラ、8:チェロ、6:コントラバス)


● ルク・ブレヴァイス:交響曲第6番(1999-2000)
 ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
 デイヴィッド・ロバートソン(指揮)
 収録時期:2014年12月12日(ライヴ)
 収録場所:アムステルダム、コンセルトへボウ

● ルク・ブレヴァイス:アロング・ザ・ショアーズ・オブ・ローン(2004-2005)
 オットー・タウスク(指揮)
 ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
 収録時期:2012年12月14日(ライヴ)
 収録場所:アムステルダム、コンセルトへボウ

1959年ベルギーのモルツェル生まれ、ブリュッセル王立音楽院出身で、アンドレ・ラポルテ、フランコ・ドナトーニ、ブライアン・ファーニホウに作曲を師事したルク・ブレヴァイス。いずれも世界初録音、こちらは当シリーズの常連で、アメリカの実力派ロバートソンと、1970年ユトレヒト生まれで、2004年から2006年にかけて、ゲルギエフのもとでロッテルダム・フィルのアシスタント・コンダクターを務めたタウスクのふたりが、それぞれ指揮を務めています。
[アロング・ザ・ショアーズ・オブ・ローン]
ピッコロ、フルート、オーボエ、コーラングレ、クラリネット、バス・クラリネット(クラリネット持替)、2ファゴット、2ホルン、2トランペット、打楽器(2人)、10:第1ヴァイオリン、8:第2ヴァイオリン、6:ヴィオラ、6:チェロ、4:コントラバス(少なくとも2挺はC線のある、もしくはE線をC音の線に下げた楽器を用いる)演奏時間13分12秒
[交響曲第6番]
管弦楽とライヴ・エレクトロニク。ライヴ・エレクトロニク・エンジニア:クレア・ギャラガー。演奏時間 22分42秒

 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND



【DVD収録情報】[30:27]


● ルイ・アンドリーセン:ミステリエン[Version No. 1](2013) 世界初演
 ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
 マリス・ヤンソンス(指揮)
 収録時期:2013年11月3日(ライヴ)
 収録場所:アムステルダム、コンセルトへボウ

中世の神秘思想家トマス・ア・ケンピスの著した書物に由来するタイトルを持ち、6楽章からなる演奏時間30分ほどの作品は、45年に及ぶアンドリーセンの作曲活動初の大編成のオーケストラ曲で、アムステルダムのコンセルトヘボウならびにロイヤル・コンセルトヘボウ管創設125周年記念のために委嘱されたもの。これはその記念演奏会を飾る歴史的ドキュメントで、独特の色彩的な内容は美観表現に長けたヤンソンスの腕前が愉しみなところでもあります。
3フルート(1、2番はピッコロ、3番はアルト・フルート持替)、3オーボエ、ソプラニーノ・サックス、2クラリネット(1番は変ホ管、2番は、50セント低く、自由にチューニングされた変ロ管)、バス・クラリネット、コントラバス・クラリネット、4ホルン、3トランペット、3トロンボーン、1チューバ、打楽器(2人)[:グロッケンシュピールを付けて拡張されたヴィブラフォーン、チューブラー・ベル、マリンバ、ゴング、ティンパニ(ロートトム)、2鐘(小)、クラッシュ・シンバル(合わせシンバル)、サイド(スネア)・ドラム(小太鼓)、バス・ドラム(大太鼓)、2ブレーキ・ドラム、調音されたベル・プレート群、2チャイム]、3ハープ(演奏者2人)、2ピアノ、弦楽器群(最大/8:第1ヴァイオリン、8:第2ヴァイオリン、6:ヴィオラ、6:チェロ、4:コントラバス)

 画面:カラー、NTSC 16 : 9
 音声: LPCM ステレオ / ドルビー・デジタル 5.0


 アムステルダム・コンセrトヘボウ管弦楽団の現代音楽のアルバム。タイトルにあるようい第6集というが、その前までは今のところ手が廻らない。このオーケストラが演奏すという「信用」だけで、手に取ったもので、全て未知との遭遇なのである。幸いに通販の欄に、概要と楽器編成が載っていたので、そのまま転載した。ただ、厄介なのは実際のリーフレットにある曲順と録音の曲順がどうも違うようである。CD後半のブレヴァイスの2曲はどうも逆に記載されているようだ。その真偽の確認のしようがないのだ。長さとエレクトロニクスの使用の有無で、かろうじて判断するしかないようだ。

 どれも掴みどころのない音楽で、度々聴くということにはならないが、最後のアンドリーセンの曲は映像付なので、興味深く鑑賞できた。まず、弦楽器もプルト数は通常の半分のようだし、両翼にピアノがあるのも特徴だ。金管の配置もトランペト、トロンボーン、テューバの後ろにホルンが座っているし、ファゴットを欠く木管があり、ソプラノ・サックスやコントラバス・クラリネットといった吹奏楽では時々使用するも普段管弦楽にはあまり使わない楽器を使っているのが面白い。この音源はヤンソンスBOXにも使われているようである。

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