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羅生門 デジタル完全版

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 何回とはなしに観た作品ではあるが、先日BSイマジカというチャンネルで「デジタル完全版」ということで放映していたので、観てみた。多分、ベースは市販されているBDのソフトではないかと思った。既にDVDを所持しているので、今さら同じ内容のBDとなるとためらわれるが、試写という意味では都合が良かった。
 
 まず、冒頭から驚く。大映マークの表示だ。オリジナルは木彫り調で社名が浮き上がったものだが、デジタル版は、雲海に社名が浮かぶ比較的新しいものだった。新たにした意味合いもあるのだろうか。全体的に輪郭ははっきりしていたようだが、音声はもとがつぶれているのか、やはりはっきりしないことが多い。黒澤作品は役者を絶叫させるようなところがあって、余計台詞は聴き取りにくい。通販のコメントを見ても、概ね大映=角川が行った処置は東宝よりも好意的に見られているのは、作品に対する敬意が感じられるからかもしれない。
 
 内容については既に記事にしているので、繰り返さない。

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.4

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木管五重奏の精華
①ハイドン:ディヴェルティメント 変ロ長調 Hob.II-46
②ダンツィ:木管五重奏曲 変ロ長調 作品56-1
③ボザ:管楽器のためのスケルツォ 作品48
④イベール:3つの小品
⑤ヴィラ=ロボス:木管五重奏曲 「ショーロスの形式で」
アンサンブル・ウィーン=ベルリン    1983年録音
 
 今回からまたプロの録音になる。これは吹奏楽というよりも室内楽の範疇に入る。フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンという編成。ホルンは木管のアンサンブルに組み込まれることも多い。
 
 この団体は実は生でも接したことがある。その時も未知の曲ばかりで、古典から現代に多岐にわたっていたが、この録音も時代、国が多岐にわたっている。メンバーはVPOやBPOなどに所属している練達の奏者ばかりである。演奏の完璧さだけでなく、ちょっとニュアンスが感じられて、音楽として楽しめるのである。この中で①はハイドンが「聖アントニウスの聖歌」を使用している。ブラームスがそれを主題に変奏曲を作っているが、この作品を参考にしたのであろうか。

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.5

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第4巻 クラリネットアンサンブルの妙技第7巻 パーカッションアンサンブルの驚技
クラリネット・アンサンブルの妙義
①ボザ:ホタル
②アルビノーニ:4本のクラリネットのためのソナタ
③トマジ:3つのディヴェルティメント
④グルントマン:バガテル
⑤リムスキー=コルサコフ:熊蜂は飛ぶ
⑥キャルル:プレリュードと舞曲
⑦ウール:ディヴェルティメント
演奏:村井祐児 横川晴児 磯部周平 森川修一 新井清史 福島伸夫
 
録音:1981年
パーカッション・アンサンブルの驚技
①チャベス:打楽器のためのトッカータ
②ホール:マーチ・ユーモレスク
③フィット:不思議の国のマレットたち
④シフマン:ムジカ・バトゥッタ
⑤グッドマン:打楽器のためのスケルツォ
⑥ベック:打楽器アンサンブルのための序曲
演奏:有賀誠門と打楽器アンサンブル
録音:1981年
 
 いずれも珍しい形態のアンサンブルである。クラリネットだけのアンサンブルは自分の身近なところでもやっている人たちはいる。アマチュアのオーケストラや吹奏楽団にも属していて、時折集合して演奏するというもの。ここでも在京のオーケストラや音楽大学在学の奏者が集まっている。
 
 一方、打楽器は中心がかつてのNHK交響楽団の首席だった人が、奏者を集めて録音したもの。打楽器で音楽が成立するのかというと、案外にメロディを奏でるのである。マーラーが交響曲第5番でティンパニにソロさせている例もあった。打楽器だから太鼓だけでなく、鍵盤の楽器も含まれる。この集団ではないが、やはりNHK交響楽団の岡田知之が率いるアンサンブルを生で聴いたことがあるが、なかなか面白いコンサートだった。

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.5

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第5巻 サクソフォーンアンサンブルの至芸
1.J.S.バッハ:G線上のアリア
2.スカルラッティ:3つの小品「クラブサン小品」より
3.ボッケリーニ:メヌエット
4.モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
5.シューマン:スケルツォ
6.チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
7.アルベニス:カディス「スペイン組曲」第4曲
8.アルベニス:コルドバ「スペインの歌」第4曲
9.アルベニス:セヴィーリャ「スペイン組曲」第3曲
10.ドビュッシー:小さい黒人
11..ドビュッシー:小さい羊飼い 「子供の領分」より
12.ドビュッシー:ゴリウォークのケークウォーク 「子供の領分」より
演奏:ダニエル・デファイエ サクソフォーン四重奏団
録音:1978年
 
 フランスのサクソフォーンのグループによるアンサンブル。こういう形態は以前から耳にはしていたが、じっくり聴くのはこの度が初めてだと思う。この楽器はビッグバンドや吹奏楽でしかあまり見かけないが、こうしてアンサンブルで聴くと典雅な音色が楽しめる。

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.7

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第6巻 金管五重奏の栄光
  1. J.アドスン:3つの宮廷仮面舞踏会のエア
  2. 作曲者不詳:5つの舞曲
  3. C.モンテヴェルディ:シンフォニア
  4. A.ジャルゼブスキー:3つのカンツォーネ
  5. 作曲者不詳:ソナタ「旅芸人の歌」より
  6. V.ハウスマン:3つの舞曲
  7. P.アスケノフ:ソナタ第5番
  8. P.ショルティーノ:赤の組曲
    I 序曲  II ロマンス  III 海
    IV 逆点  V オーロラ  VI アレルヤ
    VII 喜びの火
演奏:フランス国立管弦楽団 金管五重奏団
録音:1978年
 
 これも吹奏楽というよりも、管弦楽のセクションの演奏といった趣である。ホルン、トランペット2、トロンボーン2という編成。 曲はいずれも未知のものばかりだが、やはり芸術の香りのする演奏である。
 

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.8

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特典盤 明治・大正の吹奏楽〜まぼろしの日本初録音盤〜
  1. 箏曲「六段の上」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  2. 箏曲「六段の下」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  3. 長唄「越後獅子」
    海軍軍楽隊       推定1903年録音
  4. 行進曲「若しも月が輝くならば」
    M.アーバックル
    海軍軍楽隊       推定1903年録音
  5. 端唄「紀伊の国」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  6. 長唄「ひなづる三番叟廻る日は」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  7. 歌劇「リゴレット」より
    G.ヴェルディ
    陸軍第四師団軍楽隊 大正時代録音
 これは、初期の軍楽隊の記録である。蝋管による録音で音は極めて貧弱である。演奏もどこか怪しげではある。この中で海軍軍楽隊による「越後獅子」は確か我が家にSP盤があった。鷲のマークの付いた「ニッポノフォン」というレーベルだった。この音楽を洋楽器でやると、プッチーニの「蝶々夫人」の一節のように聴こえてしまう。
 
 最後の陸軍第四師団軍楽隊は今の大阪市音楽団の前身である。大正時代にもなると演奏もしっかりしてきている。好みを言わせてもらえば、海軍軍楽隊が「軍艦行進曲」や「太平洋行進曲」の演奏も入れて欲しかった。昭和に入るとかなりの技量になっている。というのもビクター・レコードに藤原義江と四谷歌子が歌う「太平洋行進曲」のバックを海軍軍楽隊が務めた録音がある。たいへん演奏水準の高いものであった。

潮騒(西河克己・ホリ企画制作1975年)

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 ホリプロが山口百恵主演で撮った文芸映画の第2作。今度は川端康成が可愛がっていた三島由紀夫の同名小説の4度目の映画化作品になる。山口百恵の映画の殆どはリメイクもので、映画的には新味に欠ける傾向はあった。企画が安易で、封切当時はあまり触手は動かなかった。最近、CSあたりで西河克己監督の旧作がよく放映され、その手堅い演出に注目しつつあるなか、西河監督作品として触れるべきものとして百恵映画の一部も触れてみようと思った訳である。
 
 やはり新味には欠けるものの、演出ぶりは堅実である。脇役も芸達者が揃っている。ここでは花沢徳衛や田中春男といった往年の名作にも多く登場した名優たちが登場する。そして、ヒロインの父親役の中村竹弥の威厳ある演技も印象が強い。灯台長夫妻は有島一郎と津島恵子でみな適役である。
 
 ただし、このシリーズの難点は音楽である。饒舌な上に、画面にそぐわないものが流れて、映画を安っぽくしているような気がする。

絞首台の下(西河克己・日活1959年)

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(C)日活
 
 西河克己監督が1959年に撮った犯罪推理物である。新聞記者を辞めて、独立した取材活動をする青年が大きな犯罪組織の行動を暴く。悪徳弁護士や怪しげな貿易商などが絡んで、楽しめる作品になっている。海外の謀略機関が絡むような示唆はあるが、それほど本筋に絡んでおらず、そこをもう少し見せて欲しかった気はする。
 
 まだブレイクする前の赤木圭一郎が犯罪者役で登場しているのが注目点でもある。後年のアクション・スターという印象はまだなく、あっけなく消されてしまう役柄ではあった。

ガメラ大怪獣空中戦(金子修介・大映・日本テレビ・博報堂1995年)

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 15年ぶりに復活したガメラ作品である。永田大映時代に起死回生策の一つとして登場したものの、コストがかかる特撮ものはかえって当時の大映の財務体質を却って悪化させてしまった。経営破綻で、京都製作の大魔神ともどもスクリーンから消えてしまった。1980年に一度新生大映で復活したが、やはりコストがかかった割には評判にならず、単発で消えてしまった。
 
 それから、数年経過して今度は平成時代になって、円熟期に入った金子修介監督によって、復活してファンに支持されて全部で3つの作品が生まれた。これはその「平成ガメラ」シリーズの第1作である。旧作とは全く違った設定で、撮影方法も新しい技術が採用されて見ごたえのある作品に仕上がっている。1965年に製作された作品よりも緻密な仕上がりに感じる。対する怪獣ギャオスも旧作シリーズに登場した懐かしいものだが、1967年の作品よりも凶暴な感じになっているし、複数登場している。そして、この怪獣たちは古代人の遺物で、困ったもの置き土産という設定。それは現代人の残しつつある後世への困った「遺産」の告発にもなっていて、単なる怪獣映画になっていないのは、1954年の「ゴジラ」と同様である。
 
 今回はその「ゴジラ」を製作した東宝の上映ルートを使っての公開であった。ファンの中にはゴジラとガメラとの対決を期待する向きもあったが、さすがにその企画はなかった。金子修介監督は日活のロマン・ポルノから出発した監督だが、しっかりドラマ構成を身につけて実績を積んでいる監督。「ゴジラ」映画も撮っている稀有な存在でもある。

D51200の本線復帰

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 JR西日本が、梅小路機関車館のデゴイチの内、一つを本線に復帰させるニュースが出ていた。もともと構内遊覧列車を牽引していたのを本格的に整備して、本線走行させるというもの。山口線などを走るらしいが、この機関車は貨物列車を牽引する姿を見たい気がする。

『オテロ』全曲 ミケーリ演出、チョン・ミョンフン&フェニーチェ歌劇場

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収録情報】
・ヴェルディ:歌劇『オテロ』全曲

 グレゴリー・クンデ(T オテロ)
 カルメラ・レミージョ(S デズデーモナ)
 ルーチョ・ガッロ(Br ヤーゴ)
 エリザベッタ・マルトラーナ(Ms エミーリア)
 フランチェスコ・マルシーリア(T カッシオ)
 アントネッロ・チェロン(T ロデリーゴ)
 マッティア・デンティ(Bs ロドヴィーコ)
 マッテオ・フェラーラ(Bs-Br モンターノ)
 アントーニオ・カザグランデ(Br 伝令)
 フェニーチェ歌劇場管弦楽団&合唱団
 チョン・ミョンフン(指揮)

 演出:フランチェスコ・ミケーリ
 装置:エドァルド・サンキ
 衣装:シルヴィア・アイモニーノ
 照明:ファビオ・バレッティン

 収録時期:2013年7月10日
 収録場所:ヴェネツィア、ドゥカーレ宮殿中庭(ライヴ)
 
 「オテロ」を十八番にするチョン・ミュンフンが指揮するということで、興味を覚えた。この公演は、通常の舞台ではなく、中庭を使った特設ステージというのが珍しい。野外だが、アレーナ・ヴェローナのような大掛かりではない。オーケストラは舞台横に配置されて、指揮台から扇型に団員は座っている。チョン・ミュンフンはずっと立ったまま、暗譜で振る。幕間はかなり短くすぐに次の幕に移るという趣向で、拍手で演奏が中断されることもない。
 
 建物の壁にいろいろな映像を映し出して、効果が上がるような工夫もされていて、なかなか面白い舞台だった。本来は中世のヴェネツィアという設定だが、軍人たちの服装は19世紀のような感じ。オテロは原作通り、黒いドーランを塗っての登場だった。
 
 さて、演奏は繊細な感じの演奏でかなり高度な出来かと思う。しかし、演劇的にはヤーゴは迫力不足。周囲を泥沼に引きづりこむワルにしてはちょっと端正すぎる。もっと悪辣なイメージなのだが、そうではない。ヤーゴの信条も響くものが不足しがちだ。歌手陣は残念ながら、未知の人たちばかりだった。

 

妻二人(大映東京1967年)

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妻二人
 
 パトリック・クェンテンという作家の原作を新藤兼人が翻案してシナリオを書いたものを増村保造監督が映画化したもの。
 
 「清く正しく」を理念とする女性雑誌を核ととした多角経営をやる社長一家の内実は、社是とは真反対の状態というのがまず背景にあるのがおもしろい。そして、元来小説家志望だった男が若い時に内縁関係だった女性と別れ、社長の長女の婿になるというところから始まる。偶然に元の愛人と再会、まだ彼と同じような男を養っていることを知る。その男は妻の妹に近づくが、姉は反対して別れさせようとするが、逆に脅迫されて、全ての関係者の運命が狂っていく。ミステリー風のメロドラマである。
 
 増村監督は若尾文子の魅力を十分に生かしながら、スピーディに物語を運ぶ。若尾に対抗して同い年の岡田茉莉子を起用して、対抗させるというのは豪勢な配役である。その二人の女性の間を右往左往する男が高橋幸治。大河ドラマ「太閤紀」の信長役でブレークして、まだその余勢がある時期。ここでも頼りない男ではなく、冷静な男性である。最後は社長である義父に反抗して新しい生活に入っていく。狡猾で悪の作家志望の男を伊藤孝雄、若尾の妹役を江波杏子、姉妹の父でワンマン社長を三島雅夫が扮している。社長が本当は乱脈なことをやっているから、コーポレート・ガバナンスが体をなしていないことがドラマで語られる。この会社がどうなるかまでは描かれてないが、今の世であれば、間違いなく破綻するだろう。

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.6

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第5巻 サクソフォーンアンサンブルの至芸
1.J.S.バッハ:G線上のアリア
2.スカルラッティ:3つの小品「クラブサン小品」より
3.ボッケリーニ:メヌエット
4.モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
5.シューマン:スケルツォ
6.チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
7.アルベニス:カディス「スペイン組曲」第4曲
8.アルベニス:コルドバ「スペインの歌」第4曲
9.アルベニス:セヴィーリャ「スペイン組曲」第3曲
10.ドビュッシー:小さい黒人
11..ドビュッシー:小さい羊飼い 「子供の領分」より
12.ドビュッシー:ゴリウォークのケークウォーク 「子供の領分」より
演奏:ダニエル・デファイエ サクソフォーン四重奏団
録音:1978年
 
 フランスのサクソフォーンのグループによるアンサンブル。こういう形態は以前から耳にはしていたが、じっくり聴くのはこの度が初めてだと思う。この楽器はビッグバンドや吹奏楽でしかあまり見かけないが、こうしてアンサンブルで聴くと典雅な音色が楽しめる。

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.7

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第6巻 金管五重奏の栄光
  1. J.アドスン:3つの宮廷仮面舞踏会のエア
  2. 作曲者不詳:5つの舞曲
  3. C.モンテヴェルディ:シンフォニア
  4. A.ジャルゼブスキー:3つのカンツォーネ
  5. 作曲者不詳:ソナタ「旅芸人の歌」より
  6. V.ハウスマン:3つの舞曲
  7. P.アスケノフ:ソナタ第5番
  8. P.ショルティーノ:赤の組曲
    I 序曲  II ロマンス  III 海
    IV 逆点  V オーロラ  VI アレルヤ
    VII 喜びの火
演奏:フランス国立管弦楽団 金管五重奏団
録音:1978年
 
 これも吹奏楽というよりも、管弦楽のセクションの演奏といった趣である。ホルン、トランペット2、トロンボーン2という編成。 曲はいずれも未知のものばかりだが、やはり芸術の香りのする演奏である。
 

吹奏楽の軌跡~歴史と名演Vol.8

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特典盤 明治・大正の吹奏楽〜まぼろしの日本初録音盤〜
  1. 箏曲「六段の上」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  2. 箏曲「六段の下」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  3. 長唄「越後獅子」
    海軍軍楽隊       推定1903年録音
  4. 行進曲「若しも月が輝くならば」
    M.アーバックル
    海軍軍楽隊       推定1903年録音
  5. 端唄「紀伊の国」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  6. 長唄「ひなづる三番叟廻る日は」
    陸軍戸山学校軍楽隊 推定1903年録音
  7. 歌劇「リゴレット」より
    G.ヴェルディ
    陸軍第四師団軍楽隊 大正時代録音
 これは、初期の軍楽隊の記録である。蝋管による録音で音は極めて貧弱である。演奏もどこか怪しげではある。この中で海軍軍楽隊による「越後獅子」は確か我が家にSP盤があった。鷲のマークの付いた「ニッポノフォン」というレーベルだった。この音楽を洋楽器でやると、プッチーニの「蝶々夫人」の一節のように聴こえてしまう。
 
 最後の陸軍第四師団軍楽隊は今の大阪市音楽団の前身である。大正時代にもなると演奏もしっかりしてきている。好みを言わせてもらえば、海軍軍楽隊が「軍艦行進曲」や「太平洋行進曲」の演奏も入れて欲しかった。昭和に入るとかなりの技量になっている。というのもビクター・レコードに藤原義江と四谷歌子が歌う「太平洋行進曲」のバックを海軍軍楽隊が務めた録音がある。たいへん演奏水準の高いものであった。

潮騒(西河克己・ホリ企画制作1975年)

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 ホリプロが山口百恵主演で撮った文芸映画の第2作。今度は川端康成が可愛がっていた三島由紀夫の同名小説の4度目の映画化作品になる。山口百恵の映画の殆どはリメイクもので、映画的には新味に欠ける傾向はあった。企画が安易で、封切当時はあまり触手は動かなかった。最近、CSあたりで西河克己監督の旧作がよく放映され、その手堅い演出に注目しつつあるなか、西河監督作品として触れるべきものとして百恵映画の一部も触れてみようと思った訳である。
 
 やはり新味には欠けるものの、演出ぶりは堅実である。脇役も芸達者が揃っている。ここでは花沢徳衛や田中春男といった往年の名作にも多く登場した名優たちが登場する。そして、ヒロインの父親役の中村竹弥の威厳ある演技も印象が強い。灯台長夫妻は有島一郎と津島恵子でみな適役である。
 
 ただし、このシリーズの難点は音楽である。饒舌な上に、画面にそぐわないものが流れて、映画を安っぽくしているような気がする。

絞首台の下(西河克己・日活1959年)

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(C)日活
 
 西河克己監督が1959年に撮った犯罪推理物である。新聞記者を辞めて、独立した取材活動をする青年が大きな犯罪組織の行動を暴く。悪徳弁護士や怪しげな貿易商などが絡んで、楽しめる作品になっている。海外の謀略機関が絡むような示唆はあるが、それほど本筋に絡んでおらず、そこをもう少し見せて欲しかった気はする。
 
 まだブレイクする前の赤木圭一郎が犯罪者役で登場しているのが注目点でもある。後年のアクション・スターという印象はまだなく、あっけなく消されてしまう役柄ではあった。

ガメラ大怪獣空中戦(金子修介・大映・日本テレビ・博報堂1995年)

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 15年ぶりに復活したガメラ作品である。永田大映時代に起死回生策の一つとして登場したものの、コストがかかる特撮ものはかえって当時の大映の財務体質を却って悪化させてしまった。経営破綻で、京都製作の大魔神ともどもスクリーンから消えてしまった。1980年に一度新生大映で復活したが、やはりコストがかかった割には評判にならず、単発で消えてしまった。
 
 それから、数年経過して今度は平成時代になって、円熟期に入った金子修介監督によって、復活してファンに支持されて全部で3つの作品が生まれた。これはその「平成ガメラ」シリーズの第1作である。旧作とは全く違った設定で、撮影方法も新しい技術が採用されて見ごたえのある作品に仕上がっている。1965年に製作された作品よりも緻密な仕上がりに感じる。対する怪獣ギャオスも旧作シリーズに登場した懐かしいものだが、1967年の作品よりも凶暴な感じになっているし、複数登場している。そして、この怪獣たちは古代人の遺物で、困ったもの置き土産という設定。それは現代人の残しつつある後世への困った「遺産」の告発にもなっていて、単なる怪獣映画になっていないのは、1954年の「ゴジラ」と同様である。
 
 今回はその「ゴジラ」を製作した東宝の上映ルートを使っての公開であった。ファンの中にはゴジラとガメラとの対決を期待する向きもあったが、さすがにその企画はなかった。金子修介監督は日活のロマン・ポルノから出発した監督だが、しっかりドラマ構成を身につけて実績を積んでいる監督。「ゴジラ」映画も撮っている稀有な存在でもある。

D51200の本線復帰

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 JR西日本が、梅小路機関車館のデゴイチの内、一つを本線に復帰させるニュースが出ていた。もともと構内遊覧列車を牽引していたのを本格的に整備して、本線走行させるというもの。山口線などを走るらしいが、個人的な好みを言わせてもらえば、この機関車は貨物列車を牽引する姿を見たい気がする。

『オテロ』全曲 ミケーリ演出、チョン・ミョンフン&フェニーチェ歌劇場

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収録情報】
・ヴェルディ:歌劇『オテロ』全曲

 グレゴリー・クンデ(T オテロ)
 カルメラ・レミージョ(S デズデーモナ)
 ルーチョ・ガッロ(Br ヤーゴ)
 エリザベッタ・マルトラーナ(Ms エミーリア)
 フランチェスコ・マルシーリア(T カッシオ)
 アントネッロ・チェロン(T ロデリーゴ)
 マッティア・デンティ(Bs ロドヴィーコ)
 マッテオ・フェラーラ(Bs-Br モンターノ)
 アントーニオ・カザグランデ(Br 伝令)
 フェニーチェ歌劇場管弦楽団&合唱団
 チョン・ミョンフン(指揮)

 演出:フランチェスコ・ミケーリ
 装置:エドァルド・サンキ
 衣装:シルヴィア・アイモニーノ
 照明:ファビオ・バレッティン

 収録時期:2013年7月10日
 収録場所:ヴェネツィア、ドゥカーレ宮殿中庭(ライヴ)
 
 「オテロ」を十八番にするチョン・ミュンフンが指揮するということで、興味を覚えた。この公演は、通常の舞台ではなく、中庭を使った特設ステージというのが珍しい。野外だが、アレーナ・ヴェローナのような大掛かりではない。オーケストラは舞台横に配置されて、指揮台から扇型に団員は座っている。チョン・ミュンフンはずっと立ったまま、暗譜で振る。幕間はかなり短くすぐに次の幕に移るという趣向で、拍手で演奏が中断されることもない。
 
 建物の壁にいろいろな映像を映し出して、効果が上がるような工夫もされていて、なかなか面白い舞台だった。本来は中世のヴェネツィアという設定だが、軍人たちの服装は19世紀のような感じ。オテロは原作通り、黒いドーランを塗っての登場だった。
 
 さて、演奏は繊細な感じの演奏でかなり高度な出来かと思う。しかし、演劇的にはヤーゴは迫力不足。周囲を泥沼に引きづりこむワルにしてはちょっと端正すぎる。もっと悪辣なイメージなのだが、そうではない。ヤーゴの信条も響くものが不足しがちだ。歌手陣は残念ながら、未知の人たちばかりだった。

 
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