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ギュンター・ヴァント/ザ・グレイト・レコーディングス

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Disc1
・ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1986年11月、セッション

・ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68『田園』
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1986年4~5月、セッション

Disc2
・ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調Op.36
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1988年10月、セッション

・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1987年10~11月、セッション

Disc3
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調Op.55『英雄』
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1985年10~11月、セッション

・ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調Op.93
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1987年2~3月、セッション

Disc4
・ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調Op.60
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1988年10月、セッション

・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調Op.67『運命』
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1987年2~3月、セッション

Disc5
・ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱』
 エディト・ヴィーンズ(Sp
 ヒルデガルト・ハルトヴィヒ(A
 キース・ルイス(T
 ローラント・ヘルマン(Bs
 ハンブルク国立歌劇場合唱団
 北ドイツ放送合唱団
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1985年2,5,6月、セッション

Disc6
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1982年10&12月、セッション

・ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1983年9月、セッション

Disc7
・ブラームス:交響曲第2番ニ長調Op.73
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1983年3月、セッション

・ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1985年、セッション

Disc8
・ブルックナー:交響曲第1番ハ短調[1890-91年第2稿(ウィーン稿)]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1981年12月、セッション

Disc9
・ブルックナー:交響曲第2番ハ短調[1877年稿(ハース版)]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1981年12月、セッション

Disc10
・ブルックナー:交響曲第3番ニ短調[1889年第3稿]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1981年1月、セッション

Disc11
・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』[第2稿(ハース版)]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1976年12月、セッション

Disc12
・ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調[原典版]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1974年7月、セッション

Disc13
・ブルックナー:交響曲第6番イ長調[原典版]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1976年8月、セッション

Disc14
・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調[ハース版]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1980年1月、セッション

Disc15~16
・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調[原典版]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1979年6月、セッション

・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調[1890年第2稿(ハース版)]
 ケルン放送交響楽団
 録音:1979年5~6月、セッション

Disc17
・シューベルト:交響曲第1番ニ長調D.82
 ケルン放送交響楽団
 録音:1978年12月、セッション

・シューベルト:交響曲第2番変ロ長調D.125
 ケルン放送交響楽団
 録音:1979年9月、セッション

Disc18
・シューベルト:交響曲第3番ニ長調D.200
 ケルン放送交響楽団
 録音:1983年1月、セッション

・シューベルト:交響曲第6番ハ長調D.589
 ケルン放送交響楽団
 録音:1983年1月、セッション

Disc19
・シューベルト:交響曲第4番ハ短調D.417『悲劇的』
 ケルン放送交響楽団
 録音:1980年6月、セッション

・シューベルト:交響曲第8番ロ短調D.759『未完成』
 ケルン放送交響楽団
 録音:1981年1月、セッション

Disc20
・シューベルト:交響曲第5番変ロ長調D.485
 ケルン放送交響楽団
 録音:1984年2月、セッション

・シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』D.797 ~ 間奏曲第3番
・シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』D.797 ~ バレエ音楽第1番
・シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』D.797 ~ バレエ音楽第2番
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1984年2月、セッション

Disc21
・シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944『ザ・グレイト』
 ケルン放送交響楽団
 録音:1977年3月、セッション

Disc22
・モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調K.543
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1990年5月、ライヴ

・モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1994年3月、ライヴ

・モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551『ジュピター』
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1990年5月、ライヴ

Disc23
・モーツァルト:6つのドイツ舞曲 K.600
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1989年4月、セッション

・モーツァルト:セレナード第7番ニ長調K.250(248b『ハフナー』
 ローラント・グロイター(Vn
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1989年4月、セッション

Disc24
・シューマン:交響曲第3番変ホ長調Op.97『ライン』
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1991年9月、ライヴ

・シューマン:交響曲第4番ニ短調Op.120
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1990年9~10月、ライヴ

Disc25
・チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1994年3月、ライヴ

Disc26
・ストラヴィンスキー:組曲『プルチネルラ』(1949年版
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1991年12月、ライヴ

・チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74『悲愴』
 録音:1991年12月、ライヴ

Disc27
・ドビュッシー:交響的断章『聖セバスティアンの殉教』
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1982年9月、ライヴ

・ムソルグスキー(ラヴェル編:組曲『展覧会の絵』
  北ドイツ放送交響楽団
 録音:1999年2月、ライヴ

Disc28
・ストラヴィンスキー:協奏曲変ホ長調『ダンバートン・オークス』
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1984年4月、ライヴ

・フォルトナー:歌劇『血の婚礼』~管弦楽のための間奏曲
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1985年1月、ライヴ

・ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品Op.10
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1984年4月、ライヴ

・マルタン:小協奏交響曲
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1984年11月、ライヴ

 ギュンター・ヴァント(指揮)

Disc29(DVD)
「わが生涯、わが音楽」
ギュンター・ヴァント・ドキュメンタリー&ラスト・インタビュー

第1部
「ギュンター・ヴァント~音楽に捧げた人生」
 (ドイツZDF放送制作のドキュメンタリー、約25分)

[出演]
 ギュンター・ヴァント
 ヴォルフガング・ザイフェルト(音楽評論家、ヴァント評伝執筆者)
 ライマー・ノイナー(ケルン・ギュルツェニヒ管メンバー)
 ハンス・ルートヴィヒ・ハウク(ケルン・ギュルツェニヒ管メンバー)
 ケント・ナガノ、他

[ドキュメンタリー中に挿入されるヴァントの演奏映像(全て抜粋)]
・シューベルト:交響曲第9番『ザ・グレイト』~第1楽章
 北ドイツ放送交響楽団[1985年、ベルリン、フィルハーモニー]

・B.A.ツィンマーマン:1楽章の交響曲
 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団[1956年]

・ブルックナー:交響曲第6番~第2楽章・第3楽章[リハーサル]
 北ドイツ放送交響楽団[1996年、ハンブルク、ムジークハレ]

・ストラヴィンスキー:『火の鳥』~カシチェイのグロテスクな踊り
 北ドイツ放送交響楽団[1984年、キール]

・ブラームス:交響曲第1番~第2楽章
 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団[1959年、ケルン]

・ブラームス:交響曲第2番~第1楽章
 北ドイツ放送交響楽団[1984年、キール]

第2部:
「音楽に身を捧げて~ギュンター・ヴァント・ラスト・インタビュー」
 [2001年11月30日、スイス、ウルミッツのヴァント自宅にて収録]
 インタビュアー:ヴォルフガング・ザイフェルト(約80分)

 収録時間:約105分
 画面:4:3、COLOR(モノクロ映像含む)、NTSC
 音声:ドルビー・デジタル・ステレオ(AC3)
 字幕:英語、仏語、日本語
 
 この指揮者の録音は殆ど所持していなかった。BPOとのブルックナー数種とライヴ録音があるだけだった。RCAへのセッションは殆どパスしていたが、まとまってしかも手頃な価格だったので、手に取ってみた。重複も心配がない。
 
 こうしてみるとベートーヴェン、シューベルト、ブルックナー、ブラームスの交響曲全集がそのまま入っているし、インタビューやドキュメンタリーの映像があったり、チャイコフスキーとか比較的現代の作品まであってこの指揮者の領域が垣間見られる仕組みになっている。
 
 この中で貴重なのは、最後のDVDかもしれない。この人の信条が語られる。どういうふうにリハーサルに臨むのか。スコアを徹底的に研究してオーケストラのもとへ行くのだ。研究とはどんなものか、眺めて精神的に音楽を聴いたり、それをピアノで弾いて確かめてみたりといった作業で、経験がものがいうと語っている。また、流行に染まっているかどうか、楽員はすぐに見抜くとも語っている。ブルックナーもシャルク版は犯罪的行為の産物と切って捨てている。ケルンのオーケストラにはシャルク版ばかりを使い、原典版のハース版は未使用というのも許せないと言っている。また、シャルク版しか振らないクラッパーツブシュなどとんでもない指揮者と言っているのが面白かった。原典版が普及しているのに、改竄版ともいえる楽譜を振っていると非難しているのである。
 
 最後の方には日本のオーケストラについても触れていた。だいたい好意的な評価でうれしくなった。
 
 かなり芯のある気骨のある人であることがわかった。古いタイプの最後の大指揮者なのかもしれない。

海底二万マイル(リチャード・フライシャー)(ディズニー・プロ1954年)

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海底2万マイル [DVD]
 
 最近、観たという訳ではないが、サイトを眺めていたら、ふとこの映画のことがよぎった。まだ映画ファンになる前の子供の頃から、この映画はディズニーが制作していたのを知っていた。というのも、日本テレビ系列で午後8:00から隔週で(プロレスと交互に)放送されていた「ディズニー・ランド」という番組で紹介していたからだ。この映像は今DVDの特典映像になっていると思う。この番組ではスタッフの発言やスターなどの発言も確か日本語吹き替えだったと思う。エキストラ役に所作を指導しているところなどが出ていた。
 
 後日、本国ではこの番組が始まる時に最初に放送されたのが、この映画の宣伝を兼ねた紹介だったという。テレビで観た時は、日本でリバイバル上映していたかもしれない。製作がかなり年数は経過していたかと記憶している。子供の頃はスターの名前など全く知らなかった。かろうじてカーク・ダグラスは顔と名前が一致していたくらいだった。共演のジェイムス・メイソンは「北北西に進路を取れ」とか「邪魔者は消せ」といった名作に出演している大スターだ。また、狂言廻し役のピーター・ローレが出ているのには、再見の折驚いたものだ。この人はユダヤ系だったのか、最初はドイツ映画なんかに出ていて、その当時の代表作はフリッツ・ラング監督の「M」で主役だった。後にアメリカに渡って「カサブランカ」にも出ていた。そういう俳優が出ているので、改めて凄い顔ぶれの共演だなと思った。
 
 そして、もう一つ興味があるのは監督だ。リチャード・フライシャー監督は後年「バイキング」や「トラ・トラ・トラ!」なんかを撮った人だが、もう一つの顔はその父君が「ポパイ」を作った人なのだ。ウォルト・ディズニーにすれば、ミッキー・マウスの強力なコンペティターだ。そういう監督を起用するというのは、アメリカらしく、ドライで実力本位なのだなと感心したものだ。
 
 何気に観ていた映画に大物が出てきたなんて、よくあることでいろいろな知識を仕入れて観ると、観方が変って面白い。映画の一つの楽しみだと思う。

カラヤンによるマーラー:交響曲第5番

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【収録情報】
・マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン

 録音時期:1973年2月
 録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
 録音方式:ステレオ(セッション)
 最近、少しずつこの20世紀の巨匠指揮者を改めて聴こうという気になっている。実は、この指揮者はかなり冷めて目でみていて、生前に新録音が出ても飛びつかなかった。正直、どこか馴染めないものがあった。そして、マーラーの作品が出現した時に、何故だと思ったものだ。カラヤンがマーラーに関して、全くの無知でなかったのはわかるが、取り上げなかったのは政治的な理由もあったにせよ、このマエストロの好みでなかった要素もあったのかもしれない。
 
 この録音はカラヤンが初めて世に問うたマーラーの交響曲の最初の録音だ。録音年月をみると40年余経過している。まだアナログ録音の時代だ。この後、第4番、第6番、第9番、「大地の歌」などが続く。その他管弦楽伴奏の歌曲も録音している。2年もの練習をしたというから、慎重に準備したということか。バーンスタインがBPOに客演してマーラーの第9番を振った折、明らかにマーラーに対しては不慣れと感じたらしく、リハーサルも時間を要したと聞いたことがある。BPOは第2番なんかを初演したオケだが、それははるか昔のことである。
 
 ナチスに入党していたカラヤンがブームにあやかったのだというやや批判めいた話も聞いたが、そういうことよりも慎重を期して準備したという事実がどうしても気になる。演奏はこの人らしく完璧なものだが、正直言って完璧すぎて、面白味や感動はなかった。
 

ムラヴィンスキーのレニングラード・ライヴ(Nov.6,1982)

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【収録情報】
・チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 作品64
・プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第2番 作品64より
 (モンタギュー家とキャピュレット家、少女ジュリエット、僧ローレンス、別れの前のロメオとジュリエット、アンティーユ諸島から来た娘たちの踊り、ジュリエットの墓の前のロメオ)
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
 
録音時期:1982年11月6日
録音場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール
録音方式:ステレオ(ライヴ) 新マスタリング
 
 ALTUSからムラヴィンスキーのライヴものがかなり出ているが、これはその一つ。チャイコフスキーの方は何種類もあって、わからなくなるくらいある。十八番で一番好んで取り上げているのがわかる。そしてどれも基本的な解釈に変わりはない。ただ、この録音では第4楽章に、彼らには珍しいミスらしきものも記録されていて、キズはある。そして、音がたた平坦な感じもする。
 
 この盤で目を惹かれたのはプロコフィエフの方である。若い頃はバレエの指揮をしていたので、注目される。有名なモンタギュー家とキャピュレット家のナンバーは厳しい造型だ。悲恋の物語といった甘いロマンスを感じさせるものではない。もっと冷徹な感じで解釈を進めている。

ロジェストヴェンスキーによるRVW交響曲全集

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【収録情報】
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲全集
DISC1:
海の交響曲(交響曲第1番)
DISC2:ロンドン交響曲(交響曲第2番)
DISC3:①田園交響曲(交響曲第3番)
     ②交響曲第4番ヘ短調
DISC4:交響曲第5番ニ長調
DISC5:①交響曲第6番ホ短調
          ②南極交響曲(交響曲第7番)
DISC6:①交響曲第8番ニ短調
          ②交響曲第9番ホ短調

DISC3①&DISC5②エレーナ・ドフ=ドンスカヤ(ソプラノ)
DISC1:タチアナ・スモリャコワ(ソプラノ)、 ボリス・ヴァシリエフ(バリトン) レニングラード音楽協会合唱団、リムスキー・コルサコフ音楽大学合唱団
録音時期:1988年~1989年

 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーが、80年代から旧ソ連崩壊まで率いたソ連国立文化省交響楽団とのヴォーン・ウィリアムズの交響曲全集(!)がメロディア(Melodiya)から登場!
 改訂稿、異稿を網羅したブルックナーの交響曲全集や、ショスタコーヴィチ、グラズノフの交響曲全集など、多くの凄演を世に送り出したロジェストヴェンスキーとソ連国立文化省響のコンビ。ロジェストヴェンスキー、旧ソ連のオーケストラ、イギリスのヴォーン・ウィリアムズ、しかも9つ全ての交響曲という異色の組み合わせへの興味は高まるばかり。
 旧ソ連崩壊の足音が聞こえてくる中、レニングラード音楽院大ホールに響いたヴォーン・ウィリアムズのシンフォニー。これは要注目です!(東京エムプラス)
 
 店頭を覗くとこのBOXが目に飛び込んできた。もはや、ここまで「重病」である。自分でも呆れるばかりだ。
 
 もっともこの指揮者はRVWの母国で、本場のオーケストラを指揮しているし、その録音も手許にある。したがって、この作曲家のツボを大いに心得ていた人だった。しかし、これを旧ソ連のオーケストラと独唱者、コーラスとなるとどうなるのか。このソヴィエト国立交響楽団というのがややひっかる。時として裏切られることがあるからだ。そして、イギリスのこの作曲家に共感を持ってくれているのか、そう思いつつ抱えて家路についた。
 
 一番心配したのは「海の交響曲」。歌詞がどうなっているかを確かめてみたが、どうやら英語のままだ。エルガーの「海の絵」をロシア語でやった例があったからだ。オリジナルの言語でないと音楽のノリが悪い。

 

バレンボイムのブルックナー全集

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(収録曲)
DISC1①交響曲第1番ハ短調(リンツ版)
    ②テ・デウム
DISC2交響曲第2番ハ短調(ハース版)
DISC3①交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」(エーザー版)
    ②詩篇第150篇
DICS4交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(ノヴァーク版)
DISC5交響曲第5番変ロ長調(ノヴァーク版)
DICS6①交響曲第6番イ長調(ノヴァーク版)
    ②ヘルゴラント~男声合唱と大管弦楽のための~
DISC7交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)
DISC8~9①交響曲第8番ハ短調(ハース版)
      ②交響曲第0番ニ短調(ノヴァーク版)
DISC9交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版)
ダニエル・バレンボイム指揮 シカゴ交響楽団・合唱団
(テ・デウム)ジェシー・ノーマン(S)、イヴォンヌ・ミントン(MS)、デイヴィッド・レンドール(T)、サミュエル・レイミー(B)
(詩篇第150篇)ルース・ウェルティング(S)
 
 1972年から81年にかけて収録されたブルックナーのBOXである。実はこれはずいぶんと迷ったものだ。まず、バレンボイムのブルックナーがどうなんだということ、そうは言っても声楽曲にはずいぶんと珍しいものがあって、「ヘルゴラント」はヨッフムも入れていない作品だ。また第3番はエーザー版だったり、第1番がリンツ版だったりするのは珍しい。結局、店頭でディスカウントされているのを見てようやく手にしたものだった。
 
 まだ比較的若い頃の録音。フルトヴェングラーを尊敬していたというから、そういう傾向の解釈なのだろうかと思った。第1番はなんだか、ブルックナーらしからぬ、やや柔弱な感じがした。リンツ版ということもあるのかもしれない。テ・デウムも独唱陣がやや異質な印象を受けた。
 
 総体的に明るすぎるブルックナーといったところか。スケール感はないが、シカゴ交響楽団の機能性に助けられたような感じがする。

伊福部昭生誕100周年

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 A
 
 
B
【収録情報】
A『伊福部昭 生誕百年記念アルバム』

ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲
 前橋汀子(ヴァイオリン)
 東京フィルハーモニー交響楽団
 山田夏精[一雄](指揮)
 録音時期:1960年
 録音方式:モノラル(セッション)

土俗的三連画
 NHK交響楽団
 ニクラウス・エッシュバッハー(指揮)
 録音時期:1955年
 録音方式:モノラル(ライヴ)

箜篌歌
 渡辺範彦(ギター)
 録音時期:1969年10月16日
 録音方式:ステレオ(セッション)

知床半島の漁夫の歌
 立川清澄(バリトン)
 是安 亨(ピアノ)
 録音時期:1971年8月31日
 録音方式:ステレオ(セッション)
 
B
Disc1
伊福部 昭:
1. 日本狂詩曲 (1935)
2. オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ (1979)

Disc2
3. 舞踊曲『サロメ』 (1948)

 安倍圭子(マリンバ:2)
 東京都交響楽団
 岩城宏之(指揮)
 録音時期:1990年1月13日
 録音場所:東京文化会館(東京都交響楽団第302回定期演奏会『都響日本の作曲家シリーズ7 伊福部昭作品集』)
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

4. 伊福部 昭とアナウンサーの対談
5. ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲風狂詩曲 (1948/51)

 小林武史(ヴァイオリン:5)
 ABC交響楽団(5)
 森 正(指揮:5)

 放送時期:1959年11月5日(NHKラジオ第2 放送音楽祭特集)
 音源提供:NHK/ NHKサービスセンター
 今年は、伊福部昭生誕100周年の当り年になる。その為か、新にアルバムが立て続けに出た。今回、自分もその内の2つを購入、そのどちらにもヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲風狂詩曲 (1948/51)が含まれていた。しかも、どちらも1960年前後のもので、今の版とやや異なるところがあるのが特徴であり、貴重でもある。また1954年の東宝の「ゴジラ」のテーマ曲のオリジナル素材を有していることでも有名である。
 
 この人の音楽は正統的なドイツ風のものとは違い、かなり土臭いものだ。それは生前のインタビューで同じことをやったのでは記憶に残らないといった趣旨のことを発言していたのを実践した曲調だ。拍子が小節ごとに変わり、4拍子の音楽が突然5拍子になったりする。ストラヴィンスキーの「春の祭典」にも触発されたというから、面白い。ただ演奏する方は苦労すると思う。
 こうした見直しが進むのは歓迎したい。やはり同い年で同郷の早坂文雄もいる。黒澤明や溝口健二の映画作品でも主要なところを担当したが、41歳で夭折した人だった。こちらも是非目を向けて欲しい。

バレンボイムのブルックナー&ロジェストヴェンスキーのRVW

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 ともに交響曲全集でそれぞれ独立した記事を掲載した。その当時は全てを聴いておらず、事実の羅列的な要素が多かったが、今どちらも全て一通り聴き終えた状況だ。
 
 どちらも「正統性」という言葉を当て嵌めるなら、やや脇にそれたような全集なのかもしれない。中にはそういう演奏を聴くのが間違いと言われるかもしれない。しかし、作曲者と演奏者・指揮者との出会いがどうなのか、聴いてみたくなるのも音楽を聴く楽しみの一つではある。適正が間違ってきるとか、そんなことはどうでも良いとさえ思っている。
 
 さて、まずバレンボイムによるブルックナーだが、交響曲以外に声楽曲も収録されていて、それらが興味の対象でもあった。殊に「ヘルゴラント」という他にはあまり録音のないものが入っているのも魅力だった。そして、この曲はブルックナーが最後に完成させた曲なのだそうだ。平和に暮らしていた島にローマ人が攻めてくることがわかる。来れば財産はあろか殺されてしまうのは明白。島民たちは天を仰いで祈ると神風が吹いてローマ船を尽く海底に沈めるという内容の詞。この作曲家にしては珍しく描写的でドラマティックな内容の作品で、驚きだった。こういう出会いがあるから堪らない。また第0番やリンツ版の第1番、エーザー版の第3番と通常とは異なる版での演奏も面白い。ただ、時折アッチェルランドをかけたりするので、その分スケール感がないのと、音が軽く聴こえてしまうという難点はあった。
 
 次に、ロジエストヴェンスキーによるヴォーン=ウィリアムズの交響曲全集。こちらは9つの交響曲のみ。演奏は旧ソ連のアンサンブル。ソヴィエト国立交響楽団はロシアものではよく聴いたオーケストラだが、彼らがどういう演奏するのかが興味だった。指揮者の方はイギリスでRVWを取り上げていたので、得意としていたのであろう。蓋を開けてみると、まずテンポがおそろしく遅い。演奏者の方が慣れていないので処置なのかはわからない。もっと軽快に弾んで欲しいところも重たいのである。また演奏も幾分粗めではあった。「海の交響曲」はロシア語歌唱かと心配したが、どうやら英語のように聴こえる。ただし録音状態からあまりはっきり言葉が聞き取れない。
オーケストラの楽員が共感を持っていたろうか、とちょっと首を傾けたくなるような内容ではあった。
 
 

赤い衝撃(1976~77)

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 大映テレビが1970年代後半に製作した「赤い」シリーズの一つ。第4作目のもの。当時人気があった山口百恵と三浦友和の共演主演となったもので、東宝系で封切られた諸作に対抗した形で、テレビ放映されたドラマだった。
 
 当初は必ずしも主演ではなかったが、本作あたりから主演となったのではないか。当時は殆ど観ておらず、その大甘なドラマ構成が嫌でもあった。ところが最近見直してみる機会を得た。CSのTBSチャンネルでの放映だ。改めてみると、まず演出陣に目がいった。大映東京で活躍した増村保造監督や東映東京で活躍した瀬川昌治監督や降旗康男監督といった第一線の人たちが手掛けていたことに驚いた。増村監督の場合は本拠の大映が経営破綻してしまって、各社をフリーで活動をしていたのは知っていたが、こうしたテレビドラマもやっていたのだ。
 
 そういったことを踏まえて見直すと、案外古風な作りであることがわかった。当時アイドルだった山口百恵も今観るとかなり地味なタレントだった。全部で29話。宇津井健や中條静夫といった大映東京で活動した俳優らが脇を固める。

ヘギー:「モビー=ディック(白鯨)」

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ジェイ・ハンター・モリス(T エイハブ船長)
スティーヴン・コステロ(T グリーンホルン)
モーガン・スミス(Br スターバック)
ジョナサン・レマル(Br クイークェグ)
タリース・トレヴィーニュ(S ピップ)
ロバート・オース(Br スタッブ)
マシュー・オニール(T フラスク)
カン・ジュウォン(Br ガーディナー船長)
カーマイケル・ブランケンシップ(Br タシテゴ)
ブラドリー・カイナード(Br ダッグー)
チェスター・ピダック(T ナンタケット)
アンダース・フローリック(Br スペイン人の船乗り)

【演奏】
パトリック・サマーズ(指揮) サンフランシスコ歌劇場管弦楽団、合唱団
サンフランシスコ歌劇場舞踏団
レオナード・フォグリア(演出)
ロバート・ブリル(舞台装置)
ジェイン・グリーンウッド(衣装)
ガヴァン・スウィフト(照明)
ケチュラー・スティッカン(振付)

【収録】
2012年10月、サンフランシスコ
ヘギーの新作オペラ「モビー=ディック(白鯨)」
話題の新作オペラ、ジェイク・ヘギーの「モビー=ディック」の初映像が登場します。「モビー=ディック」は、19世紀の米国の作家ハーマン・メルヴィルの代表作「白鯨」の原題で、その白鯨の名前です。映画でも有名なこの小説をジーン・シーアがオペラ台本にし、2000年に初演された話題になった「デッド・マン・ウォーク」の作曲家、ジェイク・ヘギーが作曲。初演は2010年4月、ダラス歌劇場。その2年半後に、提携していたサンフランシスコ歌劇場で上演された際の収録です。小説も映画も有名ですので、知っていれば物語の予習はほとんど不要。ヘギーの音楽は分かりやすくかつドラマティックなことでは定評ありますので、非常に楽しめる作品に仕上がっています。歌手は主役のエイハブ船長以外はほぼオリジナルキャスト。そのエイハブ船長のジェイ・ハンター・モリスは、メトロポリタン歌劇場でロベール・ルパージュ演出で新制作された「ニーベルングの指環」でジークフリートを歌ったことで一躍有名になった米国のドラマティック・テノール。ここでも逞しい声で歌を聞かせてくれます。グリーンホルンのスティーヴン・コステロは、美声美形で今人気急上昇している米国の若いテノール。スターバックのモーガン・スミスは米国の中堅のバリトンで、米国各地の劇場の他、ドイツのベルリンやライプツィヒでも活躍しています。クイークェグのジョナサン・レマルは、1976年、ニュージーランド、ダニーデンの生まれ。レパートリーの広い達者なバリトンとして活躍しています。指揮者のパトリック・サマーズは、メトロポリタン歌劇場の指揮者としてもよく知られていますが、現在ヒューストン・グランド・オペラの音楽監督で、またサンフランシスコ歌劇場の首席客演指揮者を務めてもいます。船上を見事に再現したレオナード・フォグリアの演出も含め、たいへんに楽しめる作品です。
キングインターナショナル
 
 物語の内容は知っていても、どんな音楽が付いているかは、わからないというやや冒険的な買い物だった。蓋を開けてみると、極めてオーソドックスな音楽とアニメーションを応用したわかりやすい演出と装置で楽しめた。変な読み替えはないのがいい。
 
 エイハブ船長の狂気に満ちた表情や部下たちの表情はやはり映像ならではのものだ。これを音だけの鑑賞となるとやや辛いものがあるかもしれない。なお、同名のカンタータがあって、これは映画音楽で有名なバーナード・ハーマンによるものだった。

ヴェルディ:歌劇「椿姫」

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 これは曰くつきの録音として有名なもの。以前、LPで持っていたものの、売却処分してしまった。なかなかCDもされず、諦めかけていたところ、テスタメントが復刻してくれた。
 
 当時、EMIのイタリア・オペラの看板はマリア・カラスだった。しかし、これだけはアンットニエッタ・ステッラを起用している。買った当時は裏事情は全く知らなかったが、友人から教えてもらった。買った時はカラスが出ていないのがポイントだった記憶がある。カラス・ファンの方にはたいへん申し訳ないが、カラスの声はどうも好きになれないところがあったためだ。悲劇のヒロインとしては、ステッラの方が合うような気もする。
 
 英文の解説の冒頭は何故このような録音をEMIは実施したのかに割かれていた。要する契約に関連した行き違いなのだが、そこは感情が絡んで割を喰ったセラフィンはEMIから追われる形となってしまった。その後、ステレオ時代はデッカでオペラの録音に携わっているのは、それが契機だったと知る。
 

訃報:「技術の大映」生き証人 森田富士郎氏

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 11日に86歳で亡くなった。主に大映京都の時代劇作品に関わってきた名キャメラマンだった。また、特殊撮影もこなし、その代表作は1966年の「大魔神」だったことは知られている。大映が経営破綻してからは、フリーで活動し、かつてのライバルだった東映でも仕事をしていた。
 
 大映ことに今はない京都撮影所は技術が高かった。撮影だけでなく、美術・衣裳に至るまで、ディティールが東映とは格段の差があったように見える。そして、森田氏はそういうところを遊び場として、日活時代から目にされてきた人だった。宮川一夫キャメラマンなどにつき技術も習得していった。
 
 これでまたかつての日本映画の生き証人が鬼籍入りした。ご冥福を祈る。

ティーレマン&SKDによるブルックナー:交響曲第8番

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【曲目】
ブルックナー:
交響曲第8番ハ短調WAB.108(ハース版)

【演奏】
クリスティアン・ティーレマン(指揮)
シュターツカペレ・ドレスデン

【収録】
2012年6月10日 ゼンパーオーパー、ドレスデン(ライヴ)
 
 ドレスデンの古いオペラ・ハウスで根を下ろした感じがする。第7番に続き第8番のコンサートの模様が映像ソフトとしてリリースされた鑑賞してみる。販売元の説明ではSACDやLPとして、既に発売されているものらしい。しかし、その説明と実際のリーフレットとは時期が異なるようだ。一応、添付の英文リーフレットに従い、収録年月日を記した。
 
 さて、ティーレマンはブルックナーに大いに共感しているようで、安定した演奏を展開してくれる。それは第7番と同じ。ただ、第2楽章スケルツォで強弱をはっきりつけすぎる箇所があって、そこがわざとらしく感じられ、自分には違和感を覚えた。テンポが安定しているのはいい。
 
 この古いオーケストラも国際化が進んでいるのか、東洋人のヴァイオリン奏者がいたりする。また、ホルン奏者で耳にピアスをする今様の風貌の奏者もいる。共産党政権時代とはずいぶんと違う雰囲気ではある。当時は金管奏者でも結構な年配の人が多くいた。この2012年当時で分裂国家時代にいた人はどれだけいたのだろうか。映像で鑑賞するとふとそういった余計なことを思ってしまう。
 
 

訃報:坂本典隆氏

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松竹で活躍していたキャメラマンが亡くなった。丁度、衛星放送ではこの人が担当した「皇帝のいない八月が放映中だ。ご冥福を祈ります。

プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」(映画版:1965年)

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ミミ(お針子)/ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
ムゼッタ(女店員)/アドリアーナ・マルティーノ(ソプラノ)
ロドルフォ(詩人)/ジャンニ・ライモンディ(テノール)
マルチェルロ(画家)/ローランド・パネライ(バリトン)
ショナール(音楽家)/ジャンニ・マッフェオ(バリトン)
コルリーネ(哲学者)/イヴォ・ヴィンコ(バス)
ブノア(家主)、アルチンドロ(枢密顧問官)/カルロ・バディオリ(バリトン)
パルピニョール(おもちゃの行商人)/フランコ・リッチャルディ(テノール)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団

制作時期:1965年4月,5月(ミラノ、スカラ座)
演出:フランコ・ゼッフィレッリ
舞台装置:ポール・ハフラング
衣装:マルセル・エスコッフィアー
映像監督:ヴェルナー・クリーン
 
 どうも映画になったオペラには懐疑的なものがあった。やはり観客がいるライヴ映像がいいと思うのだが、例外的に価格が下がったの機会に手に取ってみた。思えば、フルトヴェングラーによる「ドン・ジョヴァンニ」やラトルの「ポーギーとベス」もオペラ映画であった。それとまず同じような雰囲気の映像である。演奏と所作は別テイクのようで、観ていて若干の不自然さはあるが、このオペラはどういうものかというのでは詳細まで見られて面白い。つまり実演を生で鑑賞してもどうしても細部の所作や小さな動きはわからないからだ。映画だとアップしたりして強調されるからだ。
 
 さて、演出は極めてオーソドックス。1年余り前に観たベルリンの公演とは違って、変な読み替えがないのがいい。時代も当初の設定通り、ちゃんとカフェになっていて、キャバレーではない。演奏も最上でいうことがない。

訃報:イーライ・ウォーラック氏

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 イーライ・ウォーラックが亡くなった。享年98歳。天寿を全うした方だろう。
 
 元来は舞台俳優だが、自分としては西部劇の俳優、それも悪役のイメージが強い。「荒野の七人」の盗賊の頭カルヴェロや「続・夕陽のガンマン」の一番卑怯な人物なんかの印象が強い。こうしてみるとこれらは正統的な西部劇とはやや趣を異にしている。舞台俳優ならではの演技力で演じ切ったという感じだ。
 
 つい最近まで俳優活動を続けていたようだ。改めてご苦労様、ゆっくりお休みくださいと言葉をかけた方がいいように思う。

フィリップ・スパーク自作自演集

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【収録情報】
・フィリップ・スパーク:陽はまた昇る
・フィリップ・スパーク:オリエント急行
・フィリップ・スパーク:エンジェルズ・ゲートの日の出
・フィリップ・スパーク:ウィークエンド・イン・ニューヨーク
・フィリップ・スパーク:メリーゴーランド
・フィリップ・スパーク:ダイアモンド・コンチェルト - ユーフォニアム協奏曲第3番
・フィリップ・スパーク:宇宙の音楽
・バリー・グレイ(編曲:フィリップ・スパーク):サンダーバード

フィリップ・スパーク指揮 シエナ・ウインド・オーケストラ
外囿祥一郎(ユーフォニアム)
 
2014.1.11 文京シヴィック(ライヴ)
 
 一般の音楽ファンには馴染みが薄いかもしれないが、吹奏楽を齧った人には有名な作曲家である。ことに「陽はまた昇る」は東日本大震災の被害者を追悼して出来た作品。元来あった金管バンドようの作品を吹奏楽用に改定して出来たもの。楽譜などの収益は赤十字に寄付されているという。
 
 1950年生まれでトランペットと作曲を収めて、主に金管バンドや吹奏楽のための作品を中心に活動している。イギリスらしいメロディアスな作品も多い。ソロの外囿祥一郎は自衛隊の音楽隊出身の名手。今は退官してソロ活動や後進の指導に当たっている。
 
 とにかく聴いて、楽しくなる音楽ばかりだ。もっと広く聴かれていいと思う。

ウォレス:交響詩集

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【収録情報】
ウォレス:
・交響詩第5番『サー・ウィリアム・ウォレス』
・交響詩第6番『ヴィヨン』
・交響詩第1番『ベアトリーチェの死』
・交響詩第3番『シスター・ヘレン』
マーティン・ブラビンス指揮 BBCスコティッシュ交響楽団
録音時期:1995年12月12,13日
録音場所:グラスゴー、シティ・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 
 以前、フルプライスで出ていたのを、番号を改めバジェットプライスに改定しての再リリースのようだ。そして、まだまこうした未知の作曲家は多いと思い知らされた。やはり通販だけでなく、実際店舗を覗くとこうした発見があることがある。
 
 ウォレスは1860年生まれのイギリスの作曲家。マーラーなどと同い年だ。保守的な構成で、どこかワーグナーに影響されたのでは感じるところが多々ある。それでいて、イギリス音楽らしいメロディもある。地味な分、損をしているような感じもする。ブラビンスが振っているならということで、購入した1枚だった。

オイストラフ最盛期の協奏曲録音

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①ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調 op.53
②グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調 op.82
③カバレフスキー:ヴァイオリン協奏曲ハ長調 op.48
 ダヴィッド・オイストラフ(vn)
 ソヴィエト国立交響楽団
 キリル・コンドラシン(指揮)①②
 ドミトリ・カバレフスキー(指揮)③
 録音:1949年①③ 1948年②
 
 これは歴史的録音専門の「Preiser」というレーベルのもの。まだ壮年期のオイストラフの演奏記録であるが、録音はやや古びているものの、聴きやすい状態である。①②の指揮を担当するコンドラシンもまだ30代半ばである。一方、③は作曲者自身の指揮というのが貴重だ。
 
 もうこの当時から確固たるものを持って演奏しているようである。上手すぎて小憎い感じもする。ただし、オーケストラはややアンサンブルが荒い感じがした。

歌劇『トゥーランドット』 カラヤン&ウィーン・フィル

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歌劇『トゥーランドット』 カラヤン&ウィーン・フィル、リッチャレッリ、ドミンゴ、ヘンドリックス、ライモンディ
プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』全曲

トゥーランドット:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)
皇帝アルトゥム:ピエロ・デ・パルマ(テノール)
ティムール:ルッジェロ・ライモンディ(バス)
王子カラフ:プラシド・ドミンゴ(テノール)
リュー:バーバラ・ヘンドリックス(テノール)
ピン:ゴットフリート・ホーニク(バリトン)
パン:ハインツ・ツェドニク(テノール)
ポン:フランシスコ・アライサ(テノール)
役人:ジークムント・ニムスゲルン(バス)
ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン少年合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1981年5月、ウィーン
デジタル録音
 
 初出当時、評判を呼んだ録音で、もう30年以上も前の録音だ。当時はオペラは音だけでなく、所作演技も含めて観たいと思うようになっていて、CDやレコードの鑑賞には消極的なっていたのを覚えている。それにリッチャレッリがタイトル・ロールはいささか荷が重いのではという疑問もあって、永らく聴くことはなかった。
 
 それが最近、巨匠カラヤンを見直そうと思うようになり、価格も廉価になったので、聴こうと思ったのだ。実はこの演目をCDとしては初めて購入したものだ。映像ソフトが先行してしまったのである。字幕などで親しんでいたので、だいたいどういうシーンかは頭に入っているので、逆に楽に鑑賞できた。
 
 さて、カラヤンはVPOを振ったプッチーニのオペラはこれが3つ目ではなかろうか。デッカに「トスカ」と「蝶々夫人」があった。今回はデジタル時代になっての録音。歌手も一流、オーケストラ、コーラスも一流で組み合わせは申し分ない。演奏も極上と言いたいが、やや劇的な緊張が感じられなかった。実演とセッションの違いがあるのかもしれない。第1幕のフィナーレはもっと劇的もよいのではないかと思うのだが、この録音はややおとなしい。タイトルロールはなかなか声を発しないという少々ユニ-クな作品だ。第2幕も第2場になって初めて台詞がある。2枚組の内、2枚目の冒頭でようやくリッチャレッリの歌声に接するという構成。やはり、この役には少々軽めの声だ。ワグネリアンのドラマティック・ソプラノを念頭に書かれたのだから、ここは少々不満なところ。
 
 しかし、冷静に考えるとカラフという男の軽率なところや、トゥーランドット姫の身勝手で往生際の悪さは、どうも共感を覚えない。最後、何となくめでたしめでたしで無理やり完結しているのも、芝居構成上不満を覚える。これは演奏内容とはいささか異なる次元ではある。
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