レナード・バーンスタインというとイタリア・オペラとはあまり縁がないイメージだ。CBSにVPOを振ったヴェルディの「ファルスタッフ」のセッション録音があるくらい。後は序曲とか劇中バレエの音楽がチラホラある。だが、そのCBSと専属契約する前に、スカラ座に招請されて、マリア・カラスと共演しているのだ。
ケルビーニの「メデア」は1953年12月10日、ベルリーニの「夢遊病の女」は1955年3月5日の録音。いずれも現地の放送局が収録したものではなかろうか。前者はCD初期時代にマイナーレ^ベルから発売されていたが、後でEMIから正規盤として発売。永らく入手困難だったが、この度、ライヴシリーズとして再発された。両方ともバーンスタインが指揮するなんて、イメージが湧かない。NYPとの序曲集なんかにもなかったように思う。それでも、30代半ばの元気溌剌な頃で、その一端が覗えるから面白い。ライヴならではのもので、収録してくれた関係者に感謝である。