●ヴェッセリーナ・カサローヴァ / ポール・グローヴズ / ウィラード・ホワイト / アンドレアス・マッコ/ シルヴァン・カンブルラン指揮 / オルフェオン・ドノスティアラ(合唱団) / テルツ少年合唱団 / ベルリン国立歌劇場管弦楽団
このベルリオーズの「ファウストの劫罰」という作品は、果たして何かということだ。オペラのようでもありオラトリオのようでもある。一般的に演奏会形式で演奏されることが多いのではなかろうか。ベルリオーズは劇的音楽と何だか曖昧な副題を付けている。
最近ではMETでオペラ形式で上演されたと聞くが、それに先立つ1999年のザルツブルク音楽祭で上演された舞台の映像化だ。イメージとしてはかなり新しい時代設定で近未来のSF風である。そして、ゲーテの本家本元であるドイツ語圏で、ドイツのオケとコーラスが演奏しているのが、何だか皮肉に見える。舞台は決してわかりやすくない。やはり舞台にかけるのは難しいのかもしれない。