フランク・キャプラ監督が1936年に製作したアメリカ映画。人情喜劇と云ったら良いか。資産家の叔父が亡くなって思わぬ遺産を相続することになった青年をめぐる物語。主演はゲーリー・クーパーとジーン・アーサー。クーパー扮する主人公は何か考え事をするとテューバを吹くというクセがある。他人はこれを奇行とみなすが、最後の審判の場で、人それぞれクセはある。爪を噛んだりするのと同じと論破する。常識に捕われない素直な男という設定はやや作り話めくが考えさせられる映画ではある。ところで公園のデートでジーン・アーサー(実は新聞記者で潜入取材)が唄うフォスターの「故郷の空」とクーパーがドヴォルザークの「ユーモレスク」の口ずさみを同時にやるシーンがある。実はこの曲は相性がよく、後年ボストン・プップス管弦楽団がこの2つ唄を融合したアレンジを演奏した録音があったのを思い出した。まだアーサー・フィードラーの時代のもの。アレンジャーはこの映画を観ていたのではないか。
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