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伊福部昭「協奏四題」熱狂ライヴ

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①ラウダ・コンチェルタータ~マリンバと管弦楽のための~    高田みどり(マリンバ)
②ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲           山根一仁(ヴァイオリン)
③二十絃箏と管絃楽のための交響的エグログ           野坂操壽(二十絃箏)          
④ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ         山田令子(ピアノ)
井上道義指揮 東京交響楽団
 
 伊福部昭のアルバムが新たに出ると手を出してしまう傾向がある。これらは全て他の演奏の録音を所持しているのだが、買ってしまった。最新なので、ソリストが代わっていたりするという新鮮さはあるのだが。
 
 4曲の中で②が一番古い。最初ももう一つ楽章があった。緩徐楽章で、映画「ビルマの竪琴」のメインテーマに似た曲想だったという。冗長になるので、削除して今の形になったようだ。第1楽章の中間部は後で映画音楽に転用されて映画「ゴジラ」のメインテーマとして有名になった素材を有することで知られている。比較的大きな編成で打楽器を多用、ピアノもどこか打楽器的な扱いが要求されるのは現代音楽らしいが、前衛ではない。一時それで古臭いと批判されたこともあったという。どちらかというとコンサート会場よりは映画館で聴かれることの多かった伊福部音楽だが、1980年頃から見直し機運が出てきたように思う。ちょうどその頃、アマチュアでもこの人の作品を取り上げることも出てきて、「交響譚詩」の演奏に載せてもらうという幸運にも恵まれたのを思い出す。聴く分には難しくないが、絶えず拍子が変化して5拍子というものもよく出てきて、演奏はなかなか容易ではない。
 
 この東京交響楽団の前身は東宝交響楽団である。東宝の映画の劇伴奏用に設立されたオケで、黒澤明監督の「酔いどれ天使」には演奏ということでクレジットもされている。また当時の常任の上田仁が現代作品の紹介に熱心で、そういったDNAが今もある楽団なのである。戦前にも同名の楽団があったが、それは今の東京フィルの前身だったオケでなかなか複雑な話になっている。
 

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