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Channel: 趣味の部屋
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我等の仲間(われらのなかま)(La belle equipe)(ジュリアン・デュヴィヴィエ1936年)

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 ジュリアン・デュヴィイエ監督は、人情の機微をうまく表現する人で、戦前の日本では特に人気があったという。本国フランスよりも高く評価していたらしい。これも失業者が5人集まり、仲間の一人が当てたクジで大金を得て、「我らの仲間」と名付けた家を得て、レストランを開業するが、一人一人抜けて行くというもの。それが喧嘩ではなく、それぞれの事情があってのこと。しかし、最後に残った二人は.....。面白いことにこの映画には2種類のラストが用意されているという。
 
 プロデューサーが監督が最初に撮ったラストシーンが暗すぎるというので撮り直した。しばらくはその版で上映されていたが、やはり監督の意志を尊重して初版で今は上映されることが多いらしい。今回BDとなってリリースされたが、それも初版で収録されている。冒頭に監督と脚本家の意志の通りの版という断り書きが出る。特典としてもう一つの版も併録してくれたらというネダリ心もないではない。だが、この物語はハッピーエンドという雰囲気ではない。男たちを取り巻く利害関係者の登場は悲劇になったほうが自然ではあるが、この悲観的な雰囲気は何から来るのか。1936年と云えば、フランスの隣国スペインの内乱が起きた時代。ドイツではヒトラーがもう台頭して君臨している。そうした気を抜けない情勢の反映なのかもしれない。

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