1961年ライヴ録音正規音源全曲盤「指輪」②

Disc6-9
● ワーグナー：『ジークフリート』全曲　　　　　　　　　　July 28,1961
ジークフリート：ハンス・ホップ(テノール)
ミーメ：ヘロルト・クラウス(テノール)
さすらい人：ジェイムス・ミリガン(バス･バリトン)
アルベリヒ：オタカール・クラウス(バス)
ファーフナー：ペーター・ロート・エーラング(バス)
ブリュンヒルデ：ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
エルダ：マルガ・ヘフゲン(アルト)
森の小鳥：インゲボルク・フェルデラー(ソプラノ)

Disc10-13
● ワーグナー：『神々の黄昏』全曲                         July 39,1961
ジークフリート：ハンス・ホップ(テノール)
グンター：トーマス・ステュワート(バス･バリトン)
ハーゲン：ゴットロープ・フリック(バス)
アルベリヒ：オタカール・クラウス(バス)
ブリュンヒルデ：ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
グートルーネ：ヴィルマ・シュミット(ソプラノ)
ワルトラウテ：グレース・ホフマン(メゾ･ソプラノ)
第1のノルン：エリーザベト・シェルテル(アルト)
第2のノルン：グレース・ホフマン(メゾ･ソプラノ)
第3のノルン：レジーヌ・クレスパン(ソプラノ)
ヴォークリンデ：インゲボルク・フェルデラー(ソプラノ)
ヴェルグンデ：エリーザベト・シュタイナー(メゾ･ソプラノ)
フロースヒルデ：エリーザベト・シェルテル(アルト)

ルドルフ・ケンペ指揮
バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団

録音場所：バイロイト祝祭劇場
録音方式：モノラル（アナログ／ライヴ）

　ケンペが振った1961年の「指輪」の後半。ブリュンヒルデはビルギット・ニルソンに代わっている。何となくこの人の専売特許かと思いきや、アストリット・ヴァルナイの方が先行していたことのだ。しかも、この二人は同じ1918年の生まれであった。ただ、レコーディングを嫌ったヴァルナイの方はあまり日本では知られてなかったということであろう。

　さて、演奏は悪かろうはずはないが、如何せん、ところどころ聴こえづらい部分があったりする。それはピットから聴こえるオケの楽器の場合と、舞台上の歌手の声である。最後のブリュンヒルデの自己犠牲の後、ハーゲンが「触れてはならぬ」と指輪を取ろうとして逆に乙女たちに渦の中に引き摺りこまれるところ、指揮者によっては言わせないこともあるらしいが、かすかにハーゲンの声が聴こえるが微妙である。しかし、そういった不満はあるもののまともに聴けるのはありがたいと思う。