【収録情報】
①エルガー:演奏会用序曲『フロワッサール』 (1890)
② ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番ニ長調 (1943)
③ ホルスト:日本組曲 Op.33 (1915)
①エルガー:演奏会用序曲『フロワッサール』 (1890)
② ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番ニ長調 (1943)
③ ホルスト:日本組曲 Op.33 (1915)
>東京佼成ウインドオーケストラの首席指揮者や、東京藝術大学で教鞭をとるなど、日本と縁の深いダグラス・ボストック。今回はホルストの珍品『日本組曲』という嬉しい演目で登場。この曲はホルストが『惑星』作曲中の1915年、日本人舞踏家の伊藤道郎の委嘱で急遽完成させたもの。全6曲から成り、素材は伊藤がホルストに伝授したそうですが、『木星』のあのメロディと同時期にホルストが「坊やはよい子だねんねしな・・・」みたいな音楽を書いていたのも一興。ボストックはボールト直伝の解釈で聴かせます。
エルガーとヴォーン・ウィリアムズはイギリスの民族色と壮麗さが魅力。『フロワッサール」はエルガー最初の管弦楽曲とされ、若々しいエネルギーに満ち溢れています。
ボストックの日本への愛情とイギリス人としての感性が絶妙にあいまって、理想的な世界を創りあげています。(キングインターナショナル)
エルガーとヴォーン・ウィリアムズはイギリスの民族色と壮麗さが魅力。『フロワッサール」はエルガー最初の管弦楽曲とされ、若々しいエネルギーに満ち溢れています。
ボストックの日本への愛情とイギリス人としての感性が絶妙にあいまって、理想的な世界を創りあげています。(キングインターナショナル)
発売元のコメントにはホルストの「日本組曲」は珍品とあるが、近年録音が多くなってきたように思う。少し前はボールトのLyrita盤くらいしかなく、しかも入手しにくかったものだ。これは、日本人舞踏家伊藤道郎(1893~1961)がロンドンでホルストに依頼したもの。歌や口笛でメロディを伝えたものだが、伊藤は実際に取り上げたかは不明なのだそうだ。この伊藤道郎という人物は、もっと詳しく云うと芸術伊藤三兄弟の長男、次弟の伊藤熹朔は舞台装置や映画の美術などで有名、末弟は新劇俳優で演出家だった千田是也である。また道郎の子息は後年俳優ジェリー伊藤として日本映画やテレビに外人役として活躍している。
中味は日本人ならどこかで聴いたメロディがふんだんに出てくる。中には節廻しのおかしいところもあるが、いかにも日本の民謡がもとになっている感じだ。ホルスト自身もイギリスの民謡を収集しているから面白い。ちょうど組曲「惑星」と並行して作られていて、「惑星」に似たような楽曲もあったりする。
あとはRVWの第5番。これは彼の作品にしては小編成でシューベルトの「未完成」とほぼ同じもの。前作の荒れ狂った第4番とは好対照の穏やかなもので、歌劇「天路歴程」とは同じ素材が使われている。第4番は不安定な政治情勢の反映と云われているが、こちらは平和ならんことを祈るような音楽だ。