指揮:高関健/群馬交響楽団
シューベルト(近衛秀麿編曲):大交響曲ハ長調/~弦楽五重奏曲ハ長調 D.956による
J.S.バッハ=マーラー:J.S.バッハの管弦楽作品による組曲
録音:1998年6月20日 群馬音楽センター
2000年3月19日 すみだトリフォニーホール(ライヴ録音)
シューベルト(近衛秀麿編曲):大交響曲ハ長調/~弦楽五重奏曲ハ長調 D.956による
J.S.バッハ=マーラー:J.S.バッハの管弦楽作品による組曲
録音:1998年6月20日 群馬音楽センター
2000年3月19日 すみだトリフォニーホール(ライヴ録音)
珍しい作品の録音。実はNHKのBSプレミアムで近衛秀麿の戦時中の行動を取り上げた番組をやっていて、その中で彼がドイツで勝負するために編曲したシューベルトの弦楽五重奏曲の管弦楽化したものを京都大学の学生オケがやっているところが出たので、その存在を知った。京都大のオケは近衛秀麿が指導したアマチュア・オケの一つで、彼の足跡を受け継いだ学生たちが演奏していたのである。編成は「未完成」とほぼ同じ編成だった。念のため録音があるか調べたらこれがヒットして、入手した。
シューベルトの室内楽にはオーケストレーションを想定したような作品が少なからずあったようである。ただ、シューベルトは宮廷楽長にもならず、市井に埋もれたまま夭逝してしまった。「未完成」ですら、預けた人物の書斎の引き出しに埋もれたままだった。いかに管弦楽曲を書いても演奏される望は薄かったというのである。このもとの曲もそうした管弦楽に直すことを想定したように近衛秀麿は感じたらしい。そして、シューベルトも独自に管弦楽法を持っていたので、彼がしたであろうようにアレンジしたというのである。なかなか落ち着いた感じの音楽だが、1957年以来演奏されなかったようである。今のように原典至上主義みたいな風潮では邪道として顧みられなかったのかもしれない。近衛秀麿の若い頃はそこら辺もっと柔軟な時代だったようである。