これは、バルビローリ・ソサイエティから出たRVWの第8番の初演の実況ライヴが収録された盤である。他にはEMI音源の作品が収録、他にも触れているので、ここでは第8番のみについて取り上げたい。
1956年5月2日、ハレ管弦楽団の本拠地マンチャスターのフリートレイド・ホールでのライヴとある。作曲者立ち合いのもとに演奏された。終演後は作曲者もオケの前に立って観客に挨拶している。既にこのコンビによる同曲の演奏はルガーノ・ライヴを所持していて、ややテヌートを強調する演奏に当惑したものだが、今回も同じような感じかなと思ったら、見事に予想は外れた。キビキビと音楽は進行している。ボールトが指揮しているのに近い。こうでなくてはと思った。かつては怪しげなレーベルで発売されていたのを店頭で目にしたこともある。こうして協会の正式なものが出ていることは喜ばしいと思う。