【収録情報】
Disc11 『牝鹿』『屋根の上の牛』『パシフィック231』
パリ管弦楽団の個性をフルに発揮するフランス近代作品集。プーランクの『牝鹿』での楽しげな美しさ、ミヨーの『屋根の上の牛』での乱痴気騒ぎ、そして『パシフィック231』での車輪にこだわった面白い冒頭とその後の高速で無機質なな迫力ある音楽など、パリ管弦楽団の豊かな色彩とダイナミズムの魅力を優秀な録音で楽しませてくれます。
ちなみに『パシフィック231』とは蒸気機関車の車軸配置の米名と仏名を組み合わせたもので、先輪が2軸、動輪が3軸、従輪が1軸という構成を指し、アメリカではこれを「パシフィック」と呼び、フランスでは「231」と呼んでいました。日本では「2C1」、アメリカのホワイト式では「4-6-2」と呼ばれるこのスタイルは、日本のC57など、高速旅客列車用の機関車に向いている車軸配置ということです。
● プーランク:バレエ音楽『牝鹿』
● ミヨー:バレエ音楽『屋根の上の牛』
● オネゲル:『パシフィック231』
パリ管弦楽団合唱団(牝鹿)
アーサー・オールダム(合唱指揮/牝鹿)
パリ管弦楽団&合唱団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Salle Wagram, Paris, 4/1991
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer, balance engineer: Hein Dekker
Recording engineers: Jan Wesselink, Roger de Schot, Fiona Gale
Tape editors: Jan Wesselink, Tjeerd Veeger, Thijs Hoekstra
(P) 1993 Universal International Music BV
Disc13
プロコフィエフ:カンタータ『アレクサンドル・ネフスキー』ほか
『アレクサンドル・ネフスキー』は、もともとはエイゼンシテインの映画の音楽として書かれたものですが、作曲の翌年、プロコフィエフ自身によってカンタータに編みなおされ、以後、大迫力カンタータとして人気を博しています。中でもクライマックスとなる「氷上の戦い」のシーンなどはオーディオ的快感も伴う音楽として名高い存在で、これまでにもこのビシュコフ盤はじめさまざまな名演・名録音を生み出してきたものです。
おおまかなストーリーは以下の通りとなります。 舞台は13世紀ロシアのノヴゴロド。1240年7月15日、ネヴァ川から上陸したスウェーデン軍を小部隊で急襲して敗走させ、勇名を轟かせたノヴゴロド公アレクサンドル・ヤロスラフスキーは当時弱冠20歳。
その時から、彼はアレクサンドル・ネフスキー、つまり「ネヴァ川のアレクサンドル」と呼ばれることとなりますが、アレクサンドルは同地の歴代諸公と同様、ノヴゴロドの市民や貴族と対立し、やがて追放されることとなります。
しかし、近隣のプスコフがドイツのチュートン騎士修道会の侵攻を受けて占領されると、ノヴゴロドの市民は、降伏を主張する大商人たちを斥けて再びアレクサンドル公の力を恃み、騎士団に立ち向かうことを決定。公は農民をも起ち上がらせて義勇軍を編成し、かつての戦友ブスライとオレクシチと共に戦場へと向かいます。
アレクサンドルの軍勢は、最初、騎士団の奇襲に敗退しますが、地形を熟知したチュード湖で彼らを迎え撃つべく、形勢を立て直して騎士団を待ち受けます。
1242年4月5日、凍結した湖上の中央突破を狙った騎士団は、ブスライの部隊を二分して突撃してきますが、左翼のオレクシチ部隊が攻撃を仕掛け、さらに右翼からはアレクサンドルの部隊が突入、そして背後からは農民部隊が騎士団を急襲するという具合に、氷上で剣と槍と楯、甲冑が火花を散らし、騎士団は氷の薄い湖面に追いこまれて吸いこまれるように湖に沈んで壊滅してしまうのです。
アレクサンドルたちは勝利を獲得して平和が訪れる...云々
● プロコフィエフ:カンタータ『アレクサンドル・ネフスキー』 Op.78
● プロコフィエフ:『シンデレラ』組曲第1番 Op.107(8曲)
マルヤーナ・リポヴシェク(アルト)
パリ管弦楽団&合唱団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Salle Pleyel, Paris, 6/1991 (Op. 78); Brandpunt, Baarn, 2/1992 (Op. 107)
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer: Hein Dekker
Balance engineer: Ko Witteveen
Recording engineers: Frans van Dongen, Roger de Schot, Jan Wesselink
Tape editors: Evert Menting, Thijs Hoekstra
(P) 1994 Universal International Music BV
プロコフィエフ:カンタータ『アレクサンドル・ネフスキー』ほか
『アレクサンドル・ネフスキー』は、もともとはエイゼンシテインの映画の音楽として書かれたものですが、作曲の翌年、プロコフィエフ自身によってカンタータに編みなおされ、以後、大迫力カンタータとして人気を博しています。中でもクライマックスとなる「氷上の戦い」のシーンなどはオーディオ的快感も伴う音楽として名高い存在で、これまでにもこのビシュコフ盤はじめさまざまな名演・名録音を生み出してきたものです。
おおまかなストーリーは以下の通りとなります。 舞台は13世紀ロシアのノヴゴロド。1240年7月15日、ネヴァ川から上陸したスウェーデン軍を小部隊で急襲して敗走させ、勇名を轟かせたノヴゴロド公アレクサンドル・ヤロスラフスキーは当時弱冠20歳。
その時から、彼はアレクサンドル・ネフスキー、つまり「ネヴァ川のアレクサンドル」と呼ばれることとなりますが、アレクサンドルは同地の歴代諸公と同様、ノヴゴロドの市民や貴族と対立し、やがて追放されることとなります。
しかし、近隣のプスコフがドイツのチュートン騎士修道会の侵攻を受けて占領されると、ノヴゴロドの市民は、降伏を主張する大商人たちを斥けて再びアレクサンドル公の力を恃み、騎士団に立ち向かうことを決定。公は農民をも起ち上がらせて義勇軍を編成し、かつての戦友ブスライとオレクシチと共に戦場へと向かいます。
アレクサンドルの軍勢は、最初、騎士団の奇襲に敗退しますが、地形を熟知したチュード湖で彼らを迎え撃つべく、形勢を立て直して騎士団を待ち受けます。
1242年4月5日、凍結した湖上の中央突破を狙った騎士団は、ブスライの部隊を二分して突撃してきますが、左翼のオレクシチ部隊が攻撃を仕掛け、さらに右翼からはアレクサンドルの部隊が突入、そして背後からは農民部隊が騎士団を急襲するという具合に、氷上で剣と槍と楯、甲冑が火花を散らし、騎士団は氷の薄い湖面に追いこまれて吸いこまれるように湖に沈んで壊滅してしまうのです。
アレクサンドルたちは勝利を獲得して平和が訪れる...云々
● プロコフィエフ:カンタータ『アレクサンドル・ネフスキー』 Op.78
● プロコフィエフ:『シンデレラ』組曲第1番 Op.107(8曲)
マルヤーナ・リポヴシェク(アルト)
パリ管弦楽団&合唱団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Salle Pleyel, Paris, 6/1991 (Op. 78); Brandpunt, Baarn, 2/1992 (Op. 107)
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer: Hein Dekker
Balance engineer: Ko Witteveen
Recording engineers: Frans van Dongen, Roger de Schot, Jan Wesselink
Tape editors: Evert Menting, Thijs Hoekstra
(P) 1994 Universal International Music BV
Disc14
ラフマニノフ:交響曲第2番
ビシュコフがパリ管弦楽団音楽監督に就任したシーズンにセッション録音されたアルバム。名手揃いのオーケストラを見事に統率したダイナミックな演奏で、抒情的な部分も趣味よく演奏してシンフォニックな魅力でグイグイ引っ張っていきます。
● ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27
パリ管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Paris, 5/1990
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer: Hein Dekker
Balance engineer: Hans Lauterslager
Recording engineers: Frans van Dongen, Willem van Leeuwen, Fiona Gale
Tape editor: Thijs Hoekstra
(P) 1991 Universal International Music BV
ラフマニノフ:交響曲第2番
ビシュコフがパリ管弦楽団音楽監督に就任したシーズンにセッション録音されたアルバム。名手揃いのオーケストラを見事に統率したダイナミックな演奏で、抒情的な部分も趣味よく演奏してシンフォニックな魅力でグイグイ引っ張っていきます。
● ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27
パリ管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Paris, 5/1990
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer: Hein Dekker
Balance engineer: Hans Lauterslager
Recording engineers: Frans van Dongen, Willem van Leeuwen, Fiona Gale
Tape editor: Thijs Hoekstra
(P) 1991 Universal International Music BV
Disc15
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番『革命』
1985年、ムーティの代役としてベルリン・フィルに登場し、ショスタコーヴィチの交響曲第5番で成功を収めたビシュコフが、翌年、フィリップス・レーベルにセッション録音したアルバム。
● ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ長調 Op.47『革命』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Berlin, 5/1986
(P) 1987 Universal International Music BV
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番『革命』
1985年、ムーティの代役としてベルリン・フィルに登場し、ショスタコーヴィチの交響曲第5番で成功を収めたビシュコフが、翌年、フィリップス・レーベルにセッション録音したアルバム。
● ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ長調 Op.47『革命』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Berlin, 5/1986
(P) 1987 Universal International Music BV
Disc16
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番
かつて『スターリングラード交響曲』とも呼ばれていたこの作品は、戦争の酷さや悲しみ、虚無感を投影したものとして、壮大・激烈な音響にさえ独特のペシミズムやパロディ感覚、アフォリズムの精神が備わるという含みのある重層的な性格を持っているのが特徴。ビシュコフはシンフォニックなスタイルで各要素を表現、ベルリン・フィルの重厚なサウンドでバランスよく聴かせています。
● ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Philharmonie, Berlin, 3/1990
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer, balance engineer: Volker Straus
Recording engineers: Ursula Singer, Cees Heijkoop, Evert Menting, Willem van Leeuwen
Tape editor: Thijs Hoekstra
(P) 1992 Universal International Music BV
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番
かつて『スターリングラード交響曲』とも呼ばれていたこの作品は、戦争の酷さや悲しみ、虚無感を投影したものとして、壮大・激烈な音響にさえ独特のペシミズムやパロディ感覚、アフォリズムの精神が備わるという含みのある重層的な性格を持っているのが特徴。ビシュコフはシンフォニックなスタイルで各要素を表現、ベルリン・フィルの重厚なサウンドでバランスよく聴かせています。
● ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Philharmonie, Berlin, 3/1990
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer, balance engineer: Volker Straus
Recording engineers: Ursula Singer, Cees Heijkoop, Evert Menting, Willem van Leeuwen
Tape editor: Thijs Hoekstra
(P) 1992 Universal International Music BV
Disc17
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番『1905年』
1958年にレーニン賞を授与された標題音楽。ロシア革命前夜、「血の日曜日」と呼ばれる軍隊による民衆虐殺の場面でも知られる作品で、ショスタコーヴィチの描写力が冴え渡っています。ビシュコフはベルリン・フィルの機動力を生かして迫力ある演奏を聴かせています。
● ショスタコーヴィチ:交響曲第11番ト短調 Op.103『1905年』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Berlin, 3/1987
Artists and repertoire production: Erik Smith, Eve Edwards
Recording producer, balance engineer: Volker Straus
Recording engineers, tape editors: Cees Heijkoop, Willem van Leeuwen
(P) XXXXX Universal International Music BV
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番『1905年』
1958年にレーニン賞を授与された標題音楽。ロシア革命前夜、「血の日曜日」と呼ばれる軍隊による民衆虐殺の場面でも知られる作品で、ショスタコーヴィチの描写力が冴え渡っています。ビシュコフはベルリン・フィルの機動力を生かして迫力ある演奏を聴かせています。
● ショスタコーヴィチ:交響曲第11番ト短調 Op.103『1905年』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Berlin, 3/1987
Artists and repertoire production: Erik Smith, Eve Edwards
Recording producer, balance engineer: Volker Straus
Recording engineers, tape editors: Cees Heijkoop, Willem van Leeuwen
(P) XXXXX Universal International Music BV
Disc18
ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカ』、ほか
パリ管弦楽団の色彩的なサウンドが細部まで捉えられた優秀録音。オーケストラの機能をフルに生かした『ペトルーシュカ』と、小編成の軽快さが示されたディヴェルティメントの組み合わせ。
● ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1947年版)
● ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント(交響組曲)
パリ管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Salle Pleyel, Paris, 2/1990 (Petrouchka); 9/1990 (Divertimento)
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer: Hein Dekker
Balance engineer: Hans Lauterslager
Recording engineers: Frans van Dongen, Willem van Leeuwen, Jan Wesselink
Tape editor: Albert Kos, Jan Wesselink
(P) 1991 Universal International Music BV
ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカ』、ほか
パリ管弦楽団の色彩的なサウンドが細部まで捉えられた優秀録音。オーケストラの機能をフルに生かした『ペトルーシュカ』と、小編成の軽快さが示されたディヴェルティメントの組み合わせ。
● ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1947年版)
● ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント(交響組曲)
パリ管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording: Salle Pleyel, Paris, 2/1990 (Petrouchka); 9/1990 (Divertimento)
Artist and repertoire production: Anna Barry
Recording producer: Hein Dekker
Balance engineer: Hans Lauterslager
Recording engineers: Frans van Dongen, Willem van Leeuwen, Jan Wesselink
Tape editor: Albert Kos, Jan Wesselink
(P) 1991 Universal International Music BV
Disc19
ストラヴィンスキー:『春の祭典』
フィリップス・レーベルの事情により、録音時には発売されず、2012年の『春の祭典』初演100年記念ボックスでようやく登場した音源。ビシュコフのフィリップスへの録音はこれが最後となりました。
● ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』
パリ管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording location: Salle Pleyel, Paris, 2/1995
Recording producers: Hein Dekker, Hermine Sterringa
Balance engineer: Bram de Groot
(P) 1997 Universal International Music BV
ストラヴィンスキー:『春の祭典』
フィリップス・レーベルの事情により、録音時には発売されず、2012年の『春の祭典』初演100年記念ボックスでようやく登場した音源。ビシュコフのフィリップスへの録音はこれが最後となりました。
● ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』
パリ管弦楽団
セミョン・ビシュコフ(指揮)
Recording location: Salle Pleyel, Paris, 2/1995
Recording producers: Hein Dekker, Hermine Sterringa
Balance engineer: Bram de Groot
(P) 1997 Universal International Music BV
残り作品をここに掲げる。意外と大人しい演奏のような感じがする。「パシフィック231」なんか何故トランペットにテヌートで吹かせるのか、首をかしげる。これでたいへんだらしなく聴こえてしまい、蒸気機関車の躍動感が喪失したように感じてしまった。ショスタコーヴィチも何かソフトな感じで、第11番の第1楽章など退屈な印象だ。しかし、ストラヴィンスキーの諸作は頑張っていた。