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マーラー:交響曲全集 ギ-レン&南西ドイツ放送響

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【収録情報】
● 交響曲第1番ニ長調『巨人』
2002年6月11~13日
フライブルク、コンツェルトハウス

● 交響曲第2番ハ短調『復活』
1996年6月3~7日
バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ

● 交響曲第3番ニ短調
1997年2月
フライブルク、コンツェルトハウス

● 交響曲第4番ト長調
1988年2月23~26日
カールスルーエ、ブラームスザール

● 交響曲第5番嬰ハ短調
2003年12月9~10日
フライブルク、コンツェルトハウス

● 交響曲第6番イ短調『悲劇的』
1999年9月7~10日
バーデン=バーデン、フェストシュピールハウス

● 交響曲第7番ホ短調『夜の歌』
1993年4月19~23日
バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ

● 交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』
1998年12月8~18日
フライブルク、コンツェルトハウス

● 交響曲第9番ニ長調
2003年6月30日~7月4日
フライブルク、コンツェルトハウス

● 交響曲第10番~第1楽章アダージョ
1989年11月16~17日
バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ

J.バンゼ(S)
C.ベシジェ(S)
A.マーク(S)
C.ウィットルーシー(S)
M.J.レイ(S)
C.カリッシュ(Ms)
E.グルーネヴァルト
D.ペツコヴァー(A)
G.ウィンスレイド(T)
A.マイケルズ=ムーア(Br)
P.リカ(Bs)
ヨーロッパ合唱アカデミー
フライブルク大聖堂児童合唱団
カルフ・アウレリウス児童合唱団
南西ドイツ放送交響楽団
ミヒャエル・ギーレン指揮
 
>ギーレンのマーラー演奏は、細部まで見通しのよい堅牢な造形、緊密に練り上げられたテクスチュア構築など膨大な情報処理に秀でている点が特徴的で、素材間の緊張関係や声部の重なり合いの面白さには実に見事なものがあります。
 オーケストラの楽器配置が第2ヴァイオリン右側の両翼型である点も見逃せない重要なポイントで、マーラーが意図したであろうパースペクティヴの中に各素材が配されることによって生ずる響きや動きの妙味に説得力があり、多用される対位法や、素材引用への聴き手の関心が無理なく高められるのも嬉しいところです。
また、録音状態も自然な質感をもった優秀なもので、ヘンスラー・レーベルでおこなわれた録音だけでなく、第4番、第7番、第10番アダージョというINTERCORD時代にリリースされていた音源まで大幅な音質改善が図られているのも良心的です。(発売元コメント)
 
 先日、ギーレンのブルックナーの交響曲全集を購入したばかりで、次はマーラーである。こうしたBOXものも、10,000円を超えることもなく、入手しやすくなったが、そろそろ収納場所をどう確保するかということに直面している。もう打ち留めと思っているはらから、このような状態なのはつくづく意志の弱い自分に呆れるばかりである。この人のマーラーはベルリン・フィルとの第7番のライヴは経験済みだが、他を聴くのはこれが初めて。
 
 中味は屋の上に屋を架すものと思っていたが、他の録音と異なる聴こえ方がしたりして、このシリーズは新鮮に思えたのはやはり収穫だった。どこがどうというのは言葉では難しいが、内声であまり聴こえなかった楽器が浮かび上がったりする。また、発売元のコメント中の旧並びの弦楽器の配置も影響しているのかもしれない。横文字のタイトルは「Symphony1-9& Adagio」となっている。第10番はここではアダージョのみ。2005年には改めてクック版全曲を録音しているのはエリアフ・インバルと同様だ。全体的に自分の中で感じている諸作のテンポよりかなり遅い部分があって驚いた。第1番のフィナーレの最後の部分はアッチェルランドの度合いが急でないのは良かったと思う。第3番の第3楽章のオーボエやコール・アングレのグリッサンド奏法の方はいささかびっくりである。
 
 
 演奏はとても良いが、ディスクの収録の配列はもっと工夫がして欲しかった。2つにまたがるのは長さからいって仕方がないが、第2番が第4楽章と第5楽章でディスクを取り換えなければいけない。配列を変更して、ディスクの取り換えを第1楽章と第2楽章の間というふうにして欲しかった。ここが唯一残念なところだ。

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