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大阪市音楽団による吹奏楽のための交響曲2つ

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①デ・メイ:交響曲第1番「指輪物語」
②バーンズ:交響曲第3番
秋山和慶指揮 大阪市音楽団
 
 
 文化行政に疎い橋下某により財政的危機に瀕した楽団だが、なんとか自助努力で頑張っている大阪市音楽団によるライヴ録音。元は陸軍の軍楽隊だったが、大正年間に軍縮のあおありで廃隊になり、そのメンバーが民間の楽団として立ち上げ、後に大阪市が運営するようになった経緯を持つ。出来て100年は経っているのではなかろうか。これは芸術顧問でもある秋山和慶が指揮したものである。
 
 吹奏楽作品としてはどちらも大曲である。①は5楽章構成②は4楽章構成。①は映画にもなった話を音楽的に描いたものである。ワーグナーの楽劇に近い要素でこうした話はヨーロッパ各地にあり、しかもキリスト教流布以前からあった土俗的なものではないかと思っている。後者は、作曲者が幼くして死なせてしまった娘を思う親心と悲しみを載せた作品で、最後は成長してくれた息子のためを思ってか、吹っ切るように終わる構成のもの。近所の中学生の吹奏楽部が一部を取り上げて、それなりに演奏をこなしたという話を聞いたが、背景などをしっかり理解して演奏したかはかなり疑わしく思っている。

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