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富田勲:源氏物語幻想交響絵巻・完全版

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■作曲、指揮、立体音響制作:冨田勲
■管弦楽:東京交響楽団
■語り:坂田美子(現代京ことば訳、源氏物語による。中井和子、訳)
>2000年11月にリリースされた「源氏物語幻想交響絵巻」は、千年前に描かれながら、今日にも十分通じる愛憎ドラマである源氏物語を冨田勲が交響化した大作。名門ロンドン・フィルと邦楽器の名手たち、さらにシンセサイザーを加え、華麗・劇的そして悠久の音楽がくりひろげられる、まさにそれまでの冨田音楽の集大成でありました。
 その後、中井和子氏による現代京ことば訳の源氏物語に出会った冨田氏は、その京ことばの語りを加えた形で前作を発展させる アイディアを得、早速制作にかかりました。前作と同じく、制作当初からサラウンド再生による立体音響を前提に作曲・録音が進められた本作は、コンサートホールの単なる「再現」ではない、創造的な立体音響でなければ実現不可能な、真に自由でオリ ジナリティーに溢れるサウンドで、音楽と音響が不可分のものとして創作された見事な作品です。 京ことばの語り(坂田美子)による雅な世界は、聴き手を千年の時空を超えて平安の時代へといざないます。そこに、オーケス トラ、和楽器、シンセサイザーが、時に静かに時に激しく、主役と脇役を交代しながら、物語の心象風景を、360度の音世界とし て表現します。もはや、音楽とも物語とも区別がつかないこの作品、敢えてジャンル分けしようとすること自体、不毛なことと思わせる偉大な芸術作品といえましょう。(発売元コメント)
 
 先日亡くなった富田勲の追悼番組をBSジャパンで放映されていて、この源氏物語幻想交響絵巻の最後の曲を演奏していた。何のことはないNHKの1972年の大河トラマ「新・平家物語」のメインテーマだ。この作品は源氏物語を音楽と語りで表現した組曲。最後は武家の平氏にとって代われるという構成をとっている。多分そういうことでは大河のテーマをそのまま転用したのだろう。ただし、NHKの方にあった合唱はオミットされている。琵琶や笙、箏など和楽器がふんだんに使われていて独特の雰囲気を醸し出している。耳にはやさしく響くので、心が休まることは確かだ。
 
 発売元の日本コロムビアのコメントを読むと、最初のLPOとの共演した作品に更に改訂を加えてものがこの録音の内容のようである。語りもソフトで音楽作品の一部のようになっているのもいい。
 
 

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