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20世紀アメリカ作品集~ストコフスキー

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【収録情報】
1. ナサニエル・シルクレット:トロンボーン協奏曲
(録音:1945年2月15日) 世界初演
2. モートン・グールド:ラテン・アメリカン・シンフォネット(交響曲第4番)(録音:1955年5月6日) イタリア初演
3. ポール・クレストン:サクソフォン協奏曲 Op.26(録音:1945年8月26日)  米西海岸初演

 トミー・ドーシー(トロンボーン:1)
 ジェームズ・アバト(サクソフォン:3)
 ニューヨーク市交響楽団(1)
 トリノ・イタリア放送(RAI)交響楽団(2)
 ハリウッド・ボウル交響楽団(3)
 指揮:レオポルド・ストコフスキー

 これまたマニアックな作品だ。ストコフスキーが指揮しているのが目を惹く。シルクレットのコンチェルトは先にリンドベルイのアルバムを聴いているが、他は初体験。ここでは初演ライヴばかりだ。シルクレットのソロはトミー・ドーシーでジャズのトロンボーン奏者のスターである。彼の委嘱で書かれたものの、ドーシーが演奏している録音はこれが唯一だという。録音したいと申し出たもののシルクレットは首を縦に振らなかったと解説にはあった。形式上は伝統に則っているが、完全にジャズの乗りである。だが、あまり超絶技巧はない。その代わり甘い音と柔軟さは流石である。リンドベルイの演奏はやや重たい感じがしたが、ここでは楽しく聴かせるサービス精神が旺盛だ。観客もクラシック愛好家とは少し違うようだ。10代の若い人が多かったという。楽章ごとに拍手するのだが、あまりに騒々しいと思ったのか、ストコフスキーが第3楽章の前に注意している。「まだ音楽はつづく。ドーシーはあなたがたために演奏を続ける。だから静かにして欲しい」との音声が入っている。初演当日の様子がわかりなかなか面白い。

 グールトの作品が1955年以外はどちらも1945年のライヴ。シルクレットの方はまだ戦争がヨーロッパも太平洋・アジアでも終結していない。戦争中という憂さを晴らしていることもあろうが、トミー・ドーシーはかなりの人気奏者だったことも窺えてこれまた興味津々の内容だ。ブギウギとか、ルンバとかポピュラー的要素満載の楽しいアルバムと言えるかもしれないが、モノラルなのは残念である。


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