チャドウィック
①交響曲第2番変ロ長調
②交響曲第3番ヘ長調
ネーメ・ヤルヴィ指揮 デトロイト交響楽団
チャドウィック(George Whitefield Chadwick1854-1931)は、南北戦争から第一次大戦あたりまでの時代で、アメリカ合衆国においてもっとも重要な作曲家の一人とされている。主に大規模な管弦楽作品を発表、交響曲として番号がついた作品が3つ、その他組曲など実質交響曲と呼べる作品も何作か作っている。その作風は明らかに大西洋の向こうのヨーロッパのロマン派の音楽の流れの中にある。少し先輩のベインや6つほど若いマクダウェルともども同じ傾向にあると云っていいと思う。
この作曲家は何か全集に作品が挿入されている以外は知らなかった人だった。ニューヨーク・フィルのアメリカ作品のBOXにこの人の序曲があったのみ。ヤルヴィがデトロイト交響楽団を振ったこのアルバムがあるのを見つけて聴いてみようと思った。アメリカ独自のものというのは残念ながら、自分の耳では確かめることができなかった。ドイツ音楽のような作風といったらよかろうか。資料によるとアメリカ的なもの積極的に取り入れるようにしたし、門下生にも推奨したとある。聴いた感じではドイツ音楽の志向である。メンデルスゾーン、シューマン、ブラームスの路線をやや華麗にしたような音楽というのがこの2つの交響曲だという印象。ドイツの先輩方の作品よりは明るい感じはした。