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ラヴェル:管弦楽作品集:編曲集

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>スラトキン4度目の『展覧会の絵』の登場。リヨン国立管弦楽団と進行中のラヴェル管弦楽曲シリーズの第3集にあたるもので、組み合わせはラヴェルが編曲したシャブリエ、ドビュッシー、シューマンの作品。
スラトキン最初の『展覧会の絵』は、1975年にセントルイス響を指揮したもので、VOXレーベル制作によるラヴェル編曲版。2度目は1985年にナショナル・フィルを指揮してRCAに録音したもので、同じくラヴェルによる編曲版。3度目は2007年にナッシュヴィル交響楽団を指揮してNAXOSに録音したもので、15人の編曲を用いるというコンセプトが話題となっていました。
今回の録音はその5年後に収録されたもので、ラヴェル版での演奏となりますが、ラヴェルが原曲から削除した5番目の「プロムナード」については、スラトキン自身が編曲して復活させています。
組み合わせのシャブリエの『華やかなメヌエット』とシューマンの『謝肉祭』からの編曲は、ディアギレフの依頼によって編曲された珍しいレパートリーです。ドビュッシーの作品は、作曲家の死後、新しく設立された出版社ジャン・ジョベールから依頼され編曲されたもので、「ピアノのために」第2曲のサラバンドと「スティリア風タランテラ」がラヴェルによって豊かな色彩とメリハリを獲得し、原曲とは大きく異なる魅力を発散することになった傑作アレンジです。(HMV)
 
 
収録情報】
1. シャブリエ:10の絵画風小品より『華やかなメヌエット』(ラヴェルによる管弦楽編) (1880-81/1919)
2. ドビュッシー:サラバンド(ラヴェルによる管弦楽編) (1891/1923)
3. ドビュッシー:舞曲(ラヴェルによる管弦楽編) (1901/1923)
4. シューマン:謝肉祭 Op.9より(ラヴェルによる管弦楽編)
第1番:プロムナード
第16番:ドイツ風ワルツ
第17番:間奏曲-パガニーニ
第21番:ペリシテ人と戦うダーヴィト同盟の行進

5. ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』(ラヴェル、スラトキンによる管弦楽編) (1874/1922/2007)
第1プロムナード
小人(グノーム)
第2プロムナード
古城
第3プロムナード
テュイルリーの庭-遊びの後の子供たちの口げんか
ビドロ(牛車)
第4プロムナード
卵の殻をつけた雛の踊り
サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
第5プロムナード
リモージュの市場
カタコンベ-ローマ時代の墓
死せる言葉による死者への呼びかけ
鶏の足の上に建つ小屋-バーバ・ヤガー-キエフの大門

リヨン国立管弦楽団
レナード・スラトキン(指揮)

録音時期:2013年10月22-26日(1)、2013年9月18-20日(2-4)、2012年11月26-29日(5)
録音場所:フランス、リヨン、オーディトリウム(1,5) リヨン国立音楽院(2-4)
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

 スラトキンもすっかりナクソスの方で馴染んでしまった感じはあるが、かつてセントルイス交響楽団の常任だったころRCAに録音していたものに比べたら、はるかに面白い企画のものを録音しているような気がする。
 
 ラヴェルの作品集でもこれは先輩作曲家のピアノ曲を管弦楽に仕立て直したものばかりを収めている。最後のメインでも「展覧会の絵」は一番ポピュラーなものだが、上の販売者のコメントにある通り、ラヴェルがカットしたプロムナードを自身のアレンジで復活させているなど、なかなか力が入っている。(カットなしのアレンジはカイエ版とアシュケナージ版がある。)将にナクソスならではあり、新たな視点を与えてくれるというのはありがたいレーベルだと改めて思うのである。



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