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信時 潔:交聲曲『海道東征』

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ファイル 333-1.jpg交聲曲『海道東征』、『我国と音楽との関係を思ひて』、絃楽四部合奏 湯浅卓雄&東京藝大シンフォニーオーケストラ、東京藝術大学音楽学部声楽科学生、他
収録情報】
信時 潔:
1. 交聲曲『海道東征』
(北原白秋 作詩)
第一章「高千穂」
第二章「大和思慕」
第三章「御船出」
第四章「御船謡」
第五章「速吸と菟狭」
第六章「海道回顧」
第七章「白肩の津上陸」
第八章「天業恢弘」

2. 『我国と音楽との関係を思ひて』(小山作之助 作歌)
3. 絃楽四部合奏(湯浅卓雄 編曲)

菅 英三子(ソプラノ:1)
平松英子(ソプラノ:1)
寺谷千枝子(アルト:1)
永井和子(アルト:1)
永田峰雄(テノール:1)
甲斐栄次郎(バリトン:1)
福島明也(バリトン:1)
東京藝術大学音楽学部声楽科学生(1,2)
NHK東京児童合唱団(1)
湯浅卓雄指揮 東京藝大シンフォニーオーケストラ

録音時期:2015年11月28日
録音場所:東京藝術大学、奏楽堂
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
信時 潔 没後50周年記念演奏会実況録音

 この作曲家を知る人は今は多くないと思う。しかし、「海ゆかば」の作曲をした人といったら、あの名前かと思いあたるだろうし、慶應義塾の卒業生なら塾歌を作曲した人と言えば、思い出す方もいるかもしれない。しかし、彼がものにした大曲は今まで封印されたような形であった。最近になって蘇演される動きがあるみたいだ。この録音はその一環で作曲者所縁の旧・東京音楽学校系譜を継ぐ東京藝術大学の企画で催されたコンサートのライヴ録音である。

 慶應の塾歌にしろ、戦時中よく流れた「海ゆかば」にしろ、格調の高い感じの音楽だったが、このカンタータもこの人らしい品格を感じる。ただ、内容が1940年の皇紀2600年の祝典のための作品で戦後長らく忌避されていたようである。今割と客観的に接する時期が来たというので、再び演奏されることになったのはいいことだと思う。封印するのではなく、実際に接して各人が判断すれば良いことだ。それにしても今回初めてどんな顔なのかを知った。どこか田舎大尽のような風貌には驚いた。また交聲曲という言葉も久しぶりに見る言葉だ。

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