Quantcast
Channel: 趣味の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1029

ティーレマン&ドレスデンによる『魔弾の射手』

$
0
0
収録情報】
● ウェーバー:歌劇『魔弾の射手』全曲
アドリアン・エレート(オットカール)
アルベルト・ドーメン(クーノー)
サラ・ヤクビアク(アガーテ)
クリスティーナ・ランツハマー(エンヒェン)
ゲオルク・ツェッペンフェルト(カスパール)
ミヒャエル・ケーニヒ(マックス)
アンドレアス・バウアー(隠者)
クリスチャン・ティーレマン指揮 ドレスデン国立管弦楽団 ドレスデン国立歌劇場合唱団
演出:アクセル・ケーラー
舞台:アルネ・ワルター
衣装:カタリナ・ヴァイセンボルン
照明:ファビオ・アントーチ
ビデオ・デザイン:アルネ・ワルター、クヌト・ゲング
ドラマティック・アドヴァイサー:ヴルナー・ヒンツェ
振付:カトリン・ヴォルフラム
殺陣:クラウス・フィゲ
収録時期:2015年4月29日~5月3日
収録場所:ドレスデン、ゼンパーオーパー(ライヴ)

>ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデンによるウェーバーの『魔弾の射手』。ティーレマンは2012年のシュターツカペレ・ドレスデン首席指揮者就任以降、同楽団と良好な関係を築き、2013年からはザルツブルク復活祭音楽祭の芸術監督に就任し、オケとともに同音楽祭に出演するなど、ドレスデンの新時代を作り上げています。
この映像は、2015年4月29日から5月3日に本拠地ゼンパーオーパーで行われた上演をライヴ収録したもの。ウェーバーは、ここドレスデンの宮廷楽長を務めていたこともあり縁がある作曲家で、『魔弾の射手』はドレスデン国立歌劇場の十八番演目。同楽団とカルロス・クライバーの同演目のディスクも名盤として聴き継がれていますが、ティーレマンによる本上演も伝説の名演に勝るとも劣らない熱演を聴かせてくれています。序曲から、圧倒的なダイナミズムと溢れる躍動感、目の覚めるような鮮やかな演奏を披露しています。さらに歌手陣も充実しており、なかでも悪役カスパールを演じたゲオルク・ツェッペンフェルトは抜群の歌唱と演技で、カスパールの闇を見事に表現しています。(キングインターナショナル)

 販売者からのコメントもある通り、ドレスデンの国立歌劇場と所縁のある作品を同劇場が取り上げた映像ということに惹かれて手を出したもの。解説による戦時中空襲で焼けおちる直前の最後の演目がこのオペラだったという。因縁も相当ある演目だが、時代設定は移動があるようだ。元来は30年戦争ころのボヘミアとドイツの国境あたりとされているが、舞台の衣裳は17世紀には見えない。かなり現代化されているなと思ったら、戦後のとある場所に変えられているようだ。戦後にしては少し古い感じもしたのだが。また第二幕の終わりの舞台の様子は炎とつりさげられた死体の影がいくつも見える。これはドレスデンの空襲とナチスの暴挙を想起させるような演出だが、これは蛇足に思った。この劇場はまだ東西分断の時代にカルロス・クライバーを迎えて、録音している。その録音は手許にはない。こういう普通の台詞を伴うジングシュピール形式は音だけは辛い。慣れないドイツ語のラジオドラマのようで疲れるからだ。舞台上で出演者がどう動くかで、様子がわかる。ありがたいことにこれは日本語字幕付のソフトである。

 なお、この映像は割とオーケストラ・ピットも映し出してくれる。有名な「狩人の合唱」では4人のホルン奏者が映る。そして、トロンボーンの3番が横で吹奏しているのには驚いた。ティーレマンの指示だろう。ホルンと重なるには近い方が良いとの判断なのかもしれない。ピット内では真反対に普通は配置になっている。トロンボーン・セクションではその3番の席は空いていた。ピット内では結構出入りがあったりするものだ。

 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1029

Trending Articles