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パレストリーナ』全曲 スイトナー&シュターツカペレ・ベルリン

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【収録情報】
● プフィッツナー:歌劇『パレストリーナ』全曲
 ヘルマン・クリスティアン・ポルスター(Bs)
 ハンス=ヨアヒム・ケテルセン(Br)
 ペーター=ユルゲン・シュミット(Ten)
 フィリッツ・ヒュープナー(Bs)
 ジークフリート・ロレンツ(Br)
 ペーター・シュライアー (Ten)
 カローラ・ノセク(Sop)
 ローズマリー・ラング(MSop)
 オトマール・スイトナー指揮 ベルリン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
 
 廉価なので、購入してみた。ドイツのシャルプラッテンによる録音だが、ライセンス貸与でオランダのブリリアントからのリリース。ベルリンのショウシュピール・ハウスでのライヴという。1986年(第2幕のみ88根)というから壁崩壊直前の演奏ということになる。
 
 作曲のプフィッツナーは根っからの保守主義者でドイツの国粋主義の先鋭分子だった人物。だから共産圏だった旧東ドイツで取り上げるのは珍しいことかもしれないが、東西統一がすぐ迫っていたので、そこらは逆に思想的にも締め付けが緩んでいたということなのか。今は改修中でそのまま放置状態になっているベルリン国立歌劇場のすぐ前は衛兵交代が行われ、ドイツ共産党の首脳が演説したり、閲兵した場所だ。今行っても衛兵交代は廃止されてしまっているが、東独の中枢だった。その歌劇場が反動主義者の作品を取りあげていたというのは驚きを禁じ得ない。
 
 ブルーノ・ワルターの指揮でミュンヘンのバイエルン国立歌劇場で初演されたオペラだが、音だけで聴くと実はつらい。延々と精神主義みたいな言葉が続く。それにも拘わらずこれで4種類目のアルバムだ。ケンペがウィーンで指揮したモノラルのライヴ録音、クーベリックのDGへのセッション録音、そしてバイエルンでの映像ライヴと手許にあって、もはや屋上に屋を架す状態ではある。やや表現は他に比べておとなしい目に感じた。特に混乱の極みを示す第2幕はもっと暴れて欲しかった。そこがまたスィトナーの身上なのかもしれない。音だけだったら演奏会用に編集された3つの前奏曲で十分なのかもしれない。第3幕は不覚にも寝てしまった。
 
 

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