この題名を見ると、テレビの連続ドラマの方が頭に浮かぶ。しかし、逃亡者は医師ではなくカソリックの神父で、話は1930年代の中南米の某国が舞台。ジョン・フォード監督作品。最近BDがリリースされて、初めて知ったような体たらくだが、興味があったので手に取ってみた。
まず、これはメキシコの政府と映画界がフォード監督らを招請したもので、キャメラマンは同地のガブリエル・フィゲロアを起用している。1930年代メキシコは独裁的な政治を強いていたようで、カソリックや酒を禁止していたというから驚く。そういう背景を知らないとなかなか入り込めない映画になっている。おまけにヘンリー・フォンダ扮する主人公の神父が優柔不断で煮え切らない男で、これがまた映画にテンポ感を落としているように思えた。慣れない地での戸惑いがフォード監督にはあったのだろうか。