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イン・リハーサル&パフォーマンス

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イン・リハーサル&パフォーマンス〜ショルティ、カルロス・クライバー、ラインスドルフ、チェリビダッケ、ノイマン、フリッチャイ、ジュリーニ、ベーム


収録情報】

エピソード1:ゲオルグ・ショルティ
● ワーグナー:『タンホイザー』序曲
(リハーサル1、リハーサル2:約43分、演奏:約15分)

南ドイツ放送交響楽団(SWRシュトゥットガルト放送交響楽団)
ゲオルグ・ショルティ(指揮)
収録:1966年

ゲオルグ・ショルティ[1912-1997]とシュトゥットガルト放送交響楽団による、ワーグナー『タンホイザー』序曲のリハーサルと本番の映像集。ショルティを代表する歴史的録音となった『ニーベルングの指環』を録音した直後で、大変エネルギッシュな姿をみせています。ショルティが思い描く音楽をどう楽団員たちに伝え、形にしていくかという過程が興味深く映し出されています。

エピソード2:カルロス・クライバー
● J.シュトラウス2世:『こうもり』序曲
(演奏:8分、リハーサル:34分)
● ウェーバー:『魔弾の射手』序曲(演奏:10分、リハーサル:46分)

南ドイツ放送交響楽団(SWRシュトゥットガルト放送交響楽団)
カルロス・クライバー(指揮)
収録:1970年、シュトゥットガルト、ヴィラ・ベルク

カルロス・クライバー[1930-2004]、39歳の時の練習風景と本番演奏。即興的に見える本番での指揮が、実は緻密なリハーサルで作られていたことが明かされた貴重な記録。このリハーサル映像を見れば、一見感覚的に見えるクライバーの指揮ぶりが、実は細部のニュアンス表出のための有効かつ計算された仕草であること、その即興的と言いたくなる演奏の鮮度が、リズムと細部への徹底的な、完全主義的とも言えるこだわりに支えられたものであることがよく分かります。

エピソード3:エーリヒ・ラインスドルフ
● シューマン:交響曲第4番ニ短調(1841年初稿)
● ワーグナー:『パルジファル』より前奏曲、間奏曲


SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
収録:1989年、カールスルーエ、ブラームスザール(ライヴ)

ウィーンのユダヤ人一家に生まれたエーリヒ・ラインスドルフ[1912-1993]。ヒトラー率いるナチス・ドイツ政権によるユダヤ人迫害により、それまでの順調なキャリアを捨てて、1937年アメリカへ亡命、その後アメリカに帰化し、メトロポリタン歌劇場やボストン交響楽団等で活躍、アメリカにおけるドイツ音楽のスペシャリストとして重要な役割を果たした指揮者となりました。
この映像は、彼の得意とするワーグナー、シューマンのコンサート映像と「リハーサルの鬼」といわれたラインスドルフの厳格なる要求が飛び交うリハーサル風景を収めた映像集。リハーサルと本番を比べ、なんとも言えない緊張感が作り出す素晴らしい演奏を観ると、ラインスドルフの厳格すぎるといわれたリハーサルも納得できます。

エピソード4:セルジウ・チェリビダッケ
● R.シュトラウス:交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』


南ドイツ放送交響楽団(SWRシュトゥットガルト放送交響楽団)
セルジウ・チェリビダッケ(指揮)
収録:1965年1月

現在もカリスマ的人気を誇るセルジウ・チェリビダッケ[1912-1996]。厳しいリハーサルと重厚な音楽作りで知られている彼の52歳の時のリハーサル映像。モノクロ映像ながらチェリビダッケがまだ体を激しく動かしていた頃のリハーサルということで大変興味深い内容。壮年期のチェリビダッケがとにかく派手な動きで活気に満ちたリハーサルを行っています。チェリビダッケは入念なリハーサルが有名ですが、時折不機嫌な表情で、細部まで徹底的に突き詰める厳密なリハーサル風景は、チェリビダッケの音楽の一端を知る貴重な映像です。

エピソード5:ヴァーツラフ・ノイマン
● スメタナ:『売られた花嫁』序曲
● ベートーヴェン:『レオノーレ』序曲第3番


南ドイツ放送交響楽団(SWRシュトゥットガルト放送交響楽団)
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)
収録:1968年2月

チェコを代表する指揮者ヴァーツラフ・ノイマン[1920-1995]。十八番のスメタナ『売られた花嫁』序曲とベートーヴェン『レオノーレ』序曲第3番を収録。冗談を交え団員を褒めつつ、的確な指示で作品への理解を深め、オケとともに音楽を共有し作り上げていく様が映し出されています。

エピソード6:フェレンツ・フリッチャイ
● スメタナ:交響詩『モルダウ』


南ドイツ放送交響楽団(SWRシュトゥットガルト放送交響楽団)
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
収録:1960年

フェレンツ・フリッチャイ[1914-1963]の46歳の貴重な映像。1963年に白血病のため48歳で惜しくも亡くなった、ハンガリーを代表する名指揮者。当時の追悼番組を商品化したもの。フリッチャイの指示で、みるみる音楽が生き生きしていくリハーサルが収められています。リハーサルの合間には、自らの病を知りながら発せられる音楽への情熱と生きることの素晴らしさは感動的です。

エピソード7:カルロ・マリア・ジュリーニ
● ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版)


SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
収録:1996年

カルロ・マリア・ジュリーニ[1914-2005] がシュトゥットガルト放送交響楽団に客演し、得意のブルックナーの交響曲第9番を指揮した際の映像。1996年といえば最愛の夫人が亡くなった翌年、そして2年後にはジュリーニは指揮活動から引退した時期。特にリハーサル映像では、具体的な指示で充実した見ごたえのある内容が収録されています。

エピソード8:カール・ベーム
● ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.92
● ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95『新世界より』


ウィーン交響楽団(ベートーヴェン)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ドヴォルザーク)
カール・ベーム(指揮)
収録:1960年代(ベートーヴェン)、1970年代後半(ドヴォルザーク)

巨匠カール・ベーム[1894-1981] がUNITELに残した映像。晩年にウィーン・フィルを指揮した堂々たるドヴォルザーク『新世界』と、1960年代にウィーン交響楽団を指揮したパワフルなベートーヴェン第7番の映像というすごい組み合わせです。ベートーヴェンはリハーサル風景付き。

 内容をそのまま転載したのだが、これらは単独でも発売されているようだ。BDにはこれらが1枚に収録されていてなんと全部で750分(12時間50分)との表示がある。全て通して観ると半日以上かかるというものだが、このように集約されるとコスト的にも助かる。

 上記のように名だたる巨匠のリハが観られるのはたいへん参考になる。どのように演奏すべきかが楽器をやるものにも参考になる。また結構細かい指示を出して練習をつける。次第に形をなしていって、最後に本番の模様が出て完成したものの披露となる。ただ、ベームによるドヴォルザークは本番のみの収録。精力的に動くショルティ、神経質ながら細かい指示を出すクライバー、話好きなノイマン、具体的な指示を明確に出すフリッチャイなど。中でもチェリビダッケはやはり厳しい。楽員を締め上げる感じ。音声はノイマンとフリッチャイのみモノラルで他はステレオ収録。画面はモノクロとカラーとがあるが、1970年まであたりはモノクロ映像。日本語字幕はなく英語字幕で鑑賞だが、何となくわかる。ノイマン、チェリビダッケ、フリッチャイ、ショルティも母国語でないのに達者なドイツ語を喋っている。まあ彼らの出発点はドイツ語圏なのだから、当たり前かもしれない。




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