ベートーヴェン
①交響曲第4番変ロ長調作品60
②交響曲第5番ハ短調作品67
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1943.6.27-30 旧フィルハーモニー、ベルリン(ライヴ)
旧ソ連から出てきた録音でメロディアのLPが初出という録音である。上のジャケットとは違い「ドリームライフ」のSACDで聴いてみた。ハイブリッド仕様なので通常のものではなくSACDの方を活用してみた。通常の方を少し聴いたら古い録音の典型で頼りなかったがSACDの方は見違えるほどの音質になっている。基本はモノラルだが、少し立体感のあるような録音である。会場は空襲で焼けおちる前の古いフィルハーモニーだ。今はその跡地とわかるようになっているのみで、誰も見向きもせず、ひっそりとした場所になっている。が、音響はかなり良かったのではなかろうか。
1943年というとドイツの敗色がそろそろ出てきた頃だ。ベルリンへの空襲も始まっている。その間隙をついてのコンサートだから、演奏する方も聴く方も一期一会という感じだろう。厳しい環境下だから、巨匠の解釈も厳しい感じがする。第5番は歓喜の感じなのだが、ここでは何か悲劇を覚悟で進むというった感じか。