レオンカヴァッロ:歌劇『道化師』全曲
カニオ:ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(テノール)
ネッダ:マリア・カラス(ソプラノ)
トニオ:ティト・ゴッビ(バリトン)
ペッペ:ニコラ・モンティ(テノール)
シルヴィオ:ローランド・パネライ(バリトン)、他
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
トゥリオ・セラフィン(指揮)
録音時期:1954年6月12-17日
録音方式:モノラル(セッション)
カニオ:ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(テノール)
ネッダ:マリア・カラス(ソプラノ)
トニオ:ティト・ゴッビ(バリトン)
ペッペ:ニコラ・モンティ(テノール)
シルヴィオ:ローランド・パネライ(バリトン)、他
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
トゥリオ・セラフィン(指揮)
録音時期:1954年6月12-17日
録音方式:モノラル(セッション)
これで一連のカラスのオペラも自分的には終了である。これも先の「ガヴァレリア・ルスティカーナ」同様に廉価の輸入盤にした。高い国内のSACDにしなくても良いと判断。薄いデジパックなので収納も場所を取らず、ありがたかった。対訳も詳細な解説もない。ただ、カラスと作品との関係がさらっと英文、仏文、独文で掲載してあるだけ。トラックもCDのパックに印刷とかなりコストを圧縮したアルバムではあった。
その簡潔な解説によるとカラスは実際の舞台ではネッダをやることはなかったそうである。そんなことはファンならとっくにご存知だろうが、よくそういうものを録音する気になったのだなと思うが、セラフィンの影響が強いのかもしれない。気性的には合っているような気もするのだが。
さて、他の共演者だが、肝心のカニオはディ・ステファノには合ってないような気がした。凄味が感じられなかった。一つにはデル・モナコのあくの強い演技と歌唱に接したからかもしれないが、やはり気迫は感じられない。ゴッピのトニオも何故か平凡に聴こえる。まだアルド・ブロッティの方が下積みの悲哀みたいなものが感じられた。冒頭の口上はいつ聴いても、胸につきささる。役者とて所詮はこの世のわびしい空気を吸っている人間に過ぎない、だからどうか普通の人間として扱ってくれというのは、今の世にも通じるものを感じる。