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チレア:歌劇『アルルの女』

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 ローザ・ママイ/アンヌンツィアータ・ヴェストリ(メゾ・ソプラノ)
 フェデリコ/ドミトリー・ゴロフニン(テノール)
 ヴィヴェッタ/マリアンジェラ・シチリア(ソプラノ)
 バルダッサーレ/ステファノ・アントヌッチ(バリトン)
 メティフィオ/ヴァレリュー・カラジャ(バリトン)
 マルコ/クリスチャン・サイッタ(バス)
 フェデリコの弟/リッカルド・アンゲロ・ストラーノ(カウンターテナー)
 ベッリーニ・マルキジアーノ・オペラ合唱団
 カルロ・モルガンティ(合唱指揮)
 オルケストラ・フィラルモニカ・マルキジアーナ
 フランチェスコ・シルフォ(指揮)

 演出:ロゼッタ・クッキ
 装置:サラ・バコーン
 衣装:クラウディア・ペルニゴッティ
 照明:マーティン・マックラクラン
 ヴィデオ・ディレクター:ティツィアーノ・マンキーニ

 収録時期:2013年9月
 収録場所:イタリア、イェージ、ペルゴレージ劇場(ライヴ)

 以前からドーデーの戯曲「アルルの女」にはビゼーが付随音楽を付けたものの他にチレアがオペラにしたということは知っていた。しかし、それはあくまで文献的な知識で音として聴くことはなかった。実際にオペラが劇場にかかることは稀有なことで、これは珍しい映像ということとなる。しかも、イタリアの盤ながら日本語字幕があるのは更にありがたかった。

 話の筋は大きな変更はない。イタリア語歌唱とややベリズモ的な雰囲気がある演目だ。チレア自身はドイツのワーグナーの影響も受けているようだから、ライトモティーフ的な手法もある。人物の配置が「カルメン」にやや似ているのも面白い。ただし、話題の中心のアルルの女は登場しない。ただし、この演出ではフェデリコの夢にパントマイムで出てはきているが、芝居には絡まない。恥知らずの両親を持った売春婦ということは他の人物によって語られる。それが実にミステリアスではあるが、芝居としては少々退屈ではある。この地主の息子はなんて浅はかだろうという印象しかなく、共感できない。オーケストラはビゼーの作品よりも大編成で重厚である。

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