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リスト:管弦楽作品集~シューベルト作品の管弦楽編曲

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ロト&レ・シエクル、クルレンツィス&ムジカエテルナ、あるいはインマゼール、ヘレヴェッヘら巨匠勢・・・時代考証型の演奏で後期ロマン派以降の音楽に迫ろうとするオーケストラや指揮者が増えつつある近年ですが、使用楽器への徹底したこだわりだけでなく、オーケストラの規模や演奏会場の音響環境にまで意識を向けて活動しているハーゼルベック&ウィーン・アカデミー管の快進撃は、19世紀半ばにオーケストラ音楽の概念を静かに塗り替えていったひとりであるリスト作品の演奏解釈において、地に足の着いたポテンシャルの高い演奏を通じ、圧倒的な成果をあげました。完全解説訳付で相次いで日本発売されたNCAレーベルの名盤群に続き、なんと彼らは(第1弾録音がレコ芸準特選に輝いたベートーヴェン交響曲集に続き)Alphaでこのプロジェクトを継続! シューベルト作品の編曲、とくに『さすらい人幻想曲』の協奏的編曲を中軸に据えたこの新録音で、交響詩以外のリストの音世界へと迫ります。
 演奏会場は、リストが音楽監督として指揮をしていたヴァイマール宮廷楽団と同じ員数、その演奏会場だった宮廷劇場と同じ音響環境にあわせたというライディング(リストの生地)のリスト・センター音楽堂での収録。解説訳付、お見逃しなく!(Mercury)

【収録情報】
シューベルト/リスト編:
1. 騎士の行進曲(2つの個性的な行進曲 D.888より)
2. 葬送行進曲(6つの大行進曲 D.819, /op.40より)
3. ハンガリー風行進曲(ハンガリー風ディヴェルティスマン D.818, op.54より)
4. 『さすらい人』幻想曲 D.760, op.15~ピアノと管弦楽のための  

  ゴットリープ・ヴァリシュ(フォルテピアノ/J.B.シュトライヒャー1851年製:4)
リスト:
5. 2つの葬送頌歌 S.112(死者たち/夜)
6. 風にはためく王の旗~十字架讃歌 S.185    世界初録音

マルティン・ハーゼルベック指揮 ウィーン・アカデミック管弦楽団
録音場所:オーストリア、ライディング、リスト・センター音楽堂
録音方式:ステレオ(デジタル)

 またもや変わったアルバムを見つけた。我ながらこうした嗅覚だけはあるようである。リストがいろいろと編曲を手掛けているのは知っていたが、これだけまとまっているのは珍しい。しかも存命当時の楽器と奏法によるものらしい。ビブラートもないし、音もやや軽く聴こえる。あまりこうした考証には興味はないのだが、リストがシューベルトの作品をどう味付けしているかは大いに気になる。「さすらい人」幻想曲だけは時折録音も見かけるが、他は全て初めての体験だ。有名な「魔王」の伴奏のオーケストレーションもリストはやっているが、こうしてピアノ曲のオーケストレーションもかなりやっていることがわかった。自作も最後の作品は最近まで陽の目を見なかったものという。

 ありがたいことに翻訳ながら日本語解説がついている。ただ奏者一覧は何故か漏れている人もいて、不正確なようだ。となると翻訳も正確なのかやや不安になる。今は解説を小さな文字で読むのは日本語でも億劫になりつつある。


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