ここのところ、相次いで二人の俳優の訃報に接した。宝生あやこと庄司永建である。
宝生さんは、和事がぴったりとくる人だった。映画では「あかね雲」「智恵子抄」「古都」といった出演作品を観ている。料亭の女将なんかによく扮していた。享年97歳、老衰により死去。
庄司さんは「西部警察」の事なかれ主義の係長役が特に有名だろう。本職が劇団民藝のメンバーの新劇俳優だ。「夜明け前」「証人の椅子」「黒部の太陽」なんかの映画がまず浮かぶ。「証人の椅子」では冷酷な検事役だった。「黒部の太陽」では滝沢修扮する関西電力の太田垣社長の秘書役だった。享年92歳、膵臓がんにより死去。
いずれも長生きされた。庄司さんの場合はつらい闘病生活があったのかもしれない。お二人のご冥福を祈りたい。