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ロッシーニ:歌劇《ブルスキーノ氏》

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【演奏】
ガウンデンツィオ:ソフィーアの後見人…カルロ・レポーレ(バリトン)
ソフィーア…マリア・アレイダ(ソプラノ)
ブルスキーノ:ガウンデンツィオの旧知…ロベルト・デ・カンディア(バリトン)
ブルスキーノ2世:ブルスキーノの息子/警官…フランシスコ・ブリート(テノール)
フロルヴィッレ:ソフィーアの恋人…デイヴィッド・アレグレット(テノール)
フィベルト:旅館の主人…アンドレア・ヴィンツェンツォ・ボンシノーレ(バス)
マリアンナ:ソフィーアの女中…ヒアーラ・アマール(メゾ・ソプラノ) 他
ロッシーニ交響楽団
ダニエーレ・ルスティオーニ(指揮)
テアトロ・ソッテッラネーオ(演出)
アカデミア・ディ・ベル・アルティ・ウルビーノ(装置・衣装)
ローベルト・カファッギーニ(照明)
ティツィアーノ・マンキーニ(映像ディレクター)
カルメン・サントーロ(コレペティートル&フォルテ・ピアノ)

【収録】
2012年8月 ペーザロ,ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル ライヴ収録

 愛し合う2人、フロルヴィッレとソフィーア。しかし彼らは結婚することができません。なぜならフロルヴィッレの父とソフィーアの後見人ガウデンツィオが犬猿の仲。反対されるに決まっているからです。しかしフロルヴィッレの父が死去したため「これはもしかしたら結婚できるかも」と2人は期待するのですが、ガウデンツィオはさっさとソフィーアの結婚相手を決めてしまいます。その相手がブルスキーノ氏の息子というわけです。しかし、ガウデンツィオはブルスキーノ氏の息子の顔を知りません。その上、実はフロルヴィッレの顔も知りません・・・。
 1812年、20歳のロッシーニが作曲したこの『ブルスキーノ氏』は、当時彼が手を染めていた「オペラ・ファルサ(笑劇)」に属するもの。1幕というコンパクトな形式のなかにテンポ良く物語が詰め込まれていますが、この作品はなぜか、たった1回しか上演されずにそのままお蔵入り。自筆譜までが行方不明になってしまうという憂き目にあいます(その自筆譜は45年後にロッシーニの元に戻るのですが)。
 さて、この2012年のペーザロでの上演は、物語の舞台を現代のテーマパークへと移し替えます。ポップコーン・スタンドやバルーンに囲まれた舞台の上で、カラフルでキッチュな衣装を着けた人々がユーモラスに動き回ります。登場するイヌまでもがユーモラスです。もちろん物語は複雑に絡み合い、ひと時でも目を離すと何が何だかわからなくなるのですが、音楽はひたすら軽妙で、ついつい聴き惚れてしまいます。1983年生まれの若手指揮者ルスティオーニの鮮烈な指揮も素晴らしいもの。素晴らしいひとときをお楽しみください。(OPUS ARTE)


 これも、ロッシーニの見直しの流れの中の公演だろうか。序曲は演奏会でも取り上げられてはいるが、オペラ自体は殆ど上演されていないと教わったものだ。だが、こうして舞台にかかり、映像ソフトまで出てくるというのは隔世の感がある。

 演出はどこかの遊園地で繰り広げられる寸劇という趣向で、演出家が立ち位置を指定したり、オーケストラのメンバーが遅刻してきたり、指揮者も何をやっているかといった「演技」をさせている。やっと指揮者氏がピットに案内するとオペラが開始となる。それまでに舞台裏からロッシーニの他の有名なオペラの序曲の録音が流れていたら、立て看板には「ウィリアム・テル」「泥棒かささぎ」などの題名が書かれていたりする。しかし、寸劇の中味はオーソドックスというユニークなものだった。

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